Aマッソ加納&3時のヒロイン福田麻貴が『箱の中の羊』で感じた“俳優”大悟の凄み「感情がたかぶるシーンは本当に役者そのもの」
「コントでは役の感情に体重を乗せすぎるとウケない。ドラマや映画のお芝居とはかなり違うな、と思います」(福田)
――芸人のお仕事って俳優さんのように自分とは違うキャラクターを演じることがありますよね。
加納「私はキャラクターのコントがないぶん、感情を作り込むことを普段はあまりないんですよね。ただ、この作品での大悟さんや角田さんしかりですが、普段からやってる人はとにかくうまい」
福田「うちのトリオは相方がキャラが強い人物を演じることが多いんですが、あまりその役に体重を乗せすぎるとウケないんですよ。相方のひとり、かなでが演劇学校出身なので、役に体重を乗せすぎてしまうことがあって、たまに苦戦しています。キレてるキャラを演じるのはウケるけど、本気で感情を込めてキレるとお客さんが空気に飲まれて引く、みたいな現象が起きる時があるので、コントは半分役から降りてお客さん目線で自分を見ないといけなくて、ドラマや映画とまた違う気がします」
――先ほど加納さんは『怪物』の話をされてましたが、お2人は是枝作品はこれまでたくさんご覧になりました?
福田「『誰も知らない』とか『万引き家族』、『空気人形』とか拝見してます」
加納「とにかく子役のお芝居がどれもすばらしいですよね。よく子どもの演出法が独特だって話題になりますけど、ほんっとすごい」
――お2人ともお仕事柄、監督の演出も気になりますよね。
加納「是枝監督の作品は誰のどんなお芝居も自然に見えるのが不思議」
「綾瀬さんと大悟さんの子どもへの接し方の対比が本当にリアル」(加納)
――大悟さんがカンヌのレッドカーペットを歩いているところは、テレビなどでご覧になりました?
加納「はい。でも、そもそもテレビの人をテレビで観たせいか、あまり特別感がなくて(笑)。それ以前に大悟さんは私たちのスターですから」
福田「大スターですよ。海外の人は大悟さんが日本の人気コメディアンってことを知らないでしょうから、“めっちゃ渋い日本人俳優”に見えてるんじゃないかって(笑)」
加納「あ、たしかにそれはあるよね。実際あの場の大悟さんは渋いし」
――カンヌは映画人にとっては特別な場所。行ってみたいですか?
加納「そりゃもちろん!」
福田「行ってみたいです。こういうことは、とりあえず言っとこうかな(笑)」
――綾瀬さんと大悟さんの共演はいかがでしたか?
加納「共感できるお芝居でした。夫婦で子どもに対する反応が違うってことを表現されていて、子どもへの接し方の対比が本当にリアルで。例えば、健介が翔に『謝れたからいいよ』っていうシーンなんて、親としての心の落としどころがきちんと出ていたと思います」
福田「綾瀬さんもすごく難しいお芝居だったと思いますよ。私たちくらいの歳って、子どもがいたとしても自分の親からすればまだ子どもって思われているじゃないですか。子の親であり、親の子でもあるという2つの責任を負っていると思うんです。そのどっちからも逃げたい時ってあるはずなんですが、綾瀬さんはそれを全部演じていてリアルなんですよね」
――綾瀬さんとはお仕事は?
加納「番組でご一緒したことがありますけど、それほどがっつりということはないんですよね」
福田「わ、いいな。私は一度も」
――お2人が俳優業をすることで、共演の可能性もありますよね。
加納「いっちゃいますか!」
福田「えー!映画はエキストラくらいしかやったことがないからな…」
加納「お笑い芸人が俳優になると、逆にコメディをやらないっていうイメージがあるじゃないですか。だったら逆手に取ってド直球のコメディ映画とかに活路がありそうじゃない?」
福田「あ、たしかに」
――加納さんだったら脚本家として映画に関わることもできますし。
福田「監督・主演をされている芸人の先輩はいらっしゃるけど、脚本・監督・主演は前例がないんじゃない?」
加納「いっちゃいますか!(笑)」
取材・文/よしひろまさみち
