3冠は『王と生きる男』!『サヨナラの引力』ムン・ガヨンや『顔 -かお-』パク・ジョンミンら第62回百想芸術大賞の結果&名スピーチをプレイバック

3冠は『王と生きる男』!『サヨナラの引力』ムン・ガヨンや『顔 -かお-』パク・ジョンミンら第62回百想芸術大賞の結果&名スピーチをプレイバック

初夏を告げる“韓国のゴールデン・グローブ賞”こと「百想芸術大賞」授賞式が、5月8日に開催された。今年は例年の汝矣島KBS別館から会場をCOEX Dホールへ移し、韓国国内外から多くの人々が訪れる商業施設での開催に。さらに、Naver TVによる授賞式の全世界生中継も行われ、Kコンテンツのグローバルな人気と影響力を改めて実感させる式典となった。その結果と名スピーチを振り返っていきたい。

パク・ジフン、イ・チェミンらが受賞!アイコニックな顔ぶれが並ぶ新人賞に輝いたのは?

キャリアでたった一度きりの受賞である新人賞は、“その年を代表する顔と才能”が並ぶ新鮮な顔ぶれとなる。男優賞に輝いたのは『王と生きる男(原題:왕과 사는 남자)』の主演、パク・ジフン。韓国の歴史上最も悲劇的である王・端宗に扮し1600万人を超える観客の涙を誘った。拍手のなかステージに立ったパク・ジフンは「最後まで自分を信じてくれた」というチャン・ハンジュン監督に感謝を伝えた。さらに「人生において、先輩とこのようなエネルギーを分かち合えたことが本当に光栄でした。ヘジン先輩、本当に愛しています」と、王が流刑地で出会う村長を演じたユ・ヘジンへ心からの尊敬の念を伝えた。

1600万人動員の立役者パク・ジフン
1600万人動員の立役者パク・ジフン画像は所属事務所公式インスタグラム(@yy_ent)アカウントより

ドラマ部門新人男優賞には「暴君のシェフ」のイ・チェミンが選ばれた。緊張を解くように大きなため息をつきながら「百想芸術大賞に招かれただけでも光栄なのに、こうして賞まで」と話し始めた。代役として急遽キャスティングされたにもかかわらず、絶対的な味覚を持つ尊大な王に扮したラブコメという難役をこなし、2025年最大の話題作の立役者となった。

「暴君のシェフ」で一気にスターダムを駆け上ったイ・チェミン
「暴君のシェフ」で一気にスターダムを駆け上ったイ・チェミン画像はイ・チェミン公式インスタグラム(@l.c.m____)より

「至らぬところの多い私を信じて任せてくれた、父のような監督、そしてイム・ユナ先輩のおかげで、イ・ヨンというキャラクターが誕生したと思います。この作品がこれほど愛された理由には、ユナ先輩の存在が本当に大きかったと思います。私は実際、何もしていません!」という一言には、会場から笑いが起こった。続けて、「監督がすてきに撮ってくださり、ユナ先輩がたくさんリードしてくださいました。愛を持って楽しく観てくださった世界中のファンの皆さまにも感謝しています」とコメント。さらに、「これからも貪欲に良い演技をお見せし、成長していける俳優になります」と今後への意気込みを語った。

しあわせな選択』(25)で怪演を見せたヨム・ヘランをはじめ、屈指の芸達者が揃う映画部門最優秀助演女優賞を制したのは『HUMINT/ヒューミント』(26)で北朝鮮レストランの店員としてサスペンスに絡むキャラクターを演じたシン・セギョン。北朝鮮訛りがあまりに上手く、韓国のネットで話題になったほどだった。共演者のパク・ジョンミンとパク・ヘジュンのうれしそうな顔に送り出されてステージ上がると、有力候補がひしめく部門だっただけに「頭が真っ白になってしまいました」と驚きをあらわにした。そして共演者やスタッフといった「私の人生を通り過ぎたすべてのご縁」に感謝を述べたのち、「私は歩みの遅い俳優ですが、いつも変わらず待ちながら応援してくださるファンの皆さんにも感謝しています。私はちゃんと成長して、ちゃんと生きています。これからもどうぞよろしくお願いします」と、ファンへの愛情をにじませた。

ライバルひしめく助演女優賞を制したシン・セギョン
ライバルひしめく助演女優賞を制したシン・セギョン画像はシン・セギョンの公式インスタグラム(@sjkuksee)より

映画部門主演女優賞には、日本公開も決定している『サヨナラの引力』(7月3日公開)のムン・ガヨンが選ばれた。ク・ギョファンとの深いフレンドシップを感じさせるハグはもちろん、受賞スピーチもまた観客の胸を打つものとなった。「見えない瞬間さえも互いを演じ合っていた、という先輩の言葉のように、この賞も先輩のものです。(自身が演じた)ジョンウォンの“家”として、私にとって頼もしい柵になってくださり、心から感謝しています」。

イム・スジョン、パク・ボヨン…役柄をアップデートするための大きな挑戦をした名優たちが揃って栄冠に

新たな挑戦が実を結んだ俳優たちの受賞も、今年の百想芸術大賞を象徴する出来事の一つだった。ドラマ部門最優秀助演女優賞に輝いたのは「パイン〜ならず者たち」のイム・スジョン。「この役は新しい挑戦でした」と、深呼吸をしながら静かに言葉を紡いだ彼女。その胸中には、悲しい別れの記憶があった。「4か月前に母が星になってしまったのですが…ただ呆然と立ち尽くしてしまいます。でも、こうして賞をいただけたことは、母から“そんなふうに立ち止まらないで、前に進みなさい”と言われているような気がします」と語りながら、イム・スジョンは気丈に表情を引き締めた。合間に行われた追悼のステージでは、アン・ソンギ、イ・スンジェら近年亡くなった俳優たちを偲ぶパフォーマンスが、温かくもしめやかな雰囲気のなかで行われた。ステージを見つめながら涙を浮かべるイム・スジョンの姿も映し出され、会場は静かな余韻に包まれた。

悲しみを乗り越えながらの熱演を見せたイム・スジョン
悲しみを乗り越えながらの熱演を見せたイム・スジョン画像は所属事務所公式インスタグラム(@myment_official)より

ドラマ部門主演女優賞は、「未知のソウル」の主演を務めたパク・ボヨンに贈られた。昨年の釜山国際映画祭の「アクターズハウス」では、「同じような役柄を繰り返してしまうのではないかという焦りを感じたこともある」と、演技に対する悩みを打ち明けていた彼女。本作は、そんなパク・ボヨンにとって「大きな挑戦」だったという。「他人と競争することが苦手で、自分の価値を証明しなければならない状況がとてもつらかったです。撮影前には怖くなったこともありました」と振り返りながら、受賞の喜びを静かに噛み締めた。

【写真を見る】トロフィーを手にして笑顔のパク・ボヨン
【写真を見る】トロフィーを手にして笑顔のパク・ボヨン画像は所属事務所公式インスタグラム(@bhent_official)より


そして最後には、「身を守ろうと逃げたり隠れたりする鹿やヤドカリはゴミなの?」という劇中のセリフを引用し、生きづらさを抱えながら日々を生きる人々へ温かなメッセージを送った。「世のなかには、たくさんの鹿たちとヤドカリたちがいます。でも、『昨日は終わったし、明日はまだ遠い。今日をちゃんと生きよう』。そうお伝えしたかったんです」。


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