イ・ビョンホン主演『しあわせな選択』がやっぱり本命?観客動員数1600万人超えの話題作にも注目、第62回百想芸術大賞の動向をチェック

コラム

イ・ビョンホン主演『しあわせな選択』がやっぱり本命?観客動員数1600万人超えの話題作にも注目、第62回百想芸術大賞の動向をチェック

5月8日(金)に授賞式が行われる第62回百想芸術大賞。韓国のゴールデン・グローブ賞とも称され、人気俳優たちが一堂に会する韓国エンタメ界最大のアワードだ。今年も映画、テレビ、舞台における様々な部門のノミネート結果が話題を集めており、なかでも『しあわせな選択』(25)と『王と生きる男(原題:왕과 사는 남자)』(26)がそれぞれ7部門で候補に上がっている。俳優部門の顔ぶれも人気実力ともに伯仲し、例年になく激戦必至と言われている今年の百想芸術大賞。注目作や俳優陣をチェックしてみたい。

今年は『しあわせな選択』と『王と生きる男』が主役!

昨年は、キム・ゴウン主演の『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(24)の受賞が期待されたが、蓋を開けるとヒョンビン主演の『ハルビン』(24)が大賞、作品賞などを獲得し、話題をさらった。今年は『しあわせな選択』と『王と生きる男』の二強が激突する模様?

『しあわせな選択』で長年勤めた会社を解雇され、就活に挑むことになった主人公を演じたイ・ビョンホン
『しあわせな選択』で長年勤めた会社を解雇され、就活に挑むことになった主人公を演じたイ・ビョンホン[c]Everett Collection/AFLO

今年3月に日本でも公開された『しあわせな選択』は、突然リストラされた主人公マンス(イ・ビョンホン)が妻ミリ(ソン・イェジン)と2人の子どもとの生活を守るため、衝撃的な選択を下すことになる姿をブラックユーモアとアイロニーを交えて描くサスペンスドラマ。『別れる決心』(22)のパク・チャヌク監督が「家父長制についての物語を描きたかった」とドナルド・E・ウェストレイクによる小説「斧」の映画化に挑み、第50回トロント国際映画祭で国際観客賞を受賞したほか、第98回アカデミー賞の国際長編映画賞で韓国代表作にも選出されている。

『しあわせな選択』に出演したソン・イェジン
『しあわせな選択』に出演したソン・イェジン[c]Everett Collection/AFLO

今回の百想芸術大賞では作品賞をはじめ、パク・チャヌクが監督賞、チャヌク監督とは『JSA』(00)以来のタッグとなるイ・ビョンホンが主演男優賞、妻役のソン・イェジンが主演女優賞にノミネート。そのほか、イ・ソンミン、ヨム・ヘランという百想芸術大賞の常連といっても過言ではない名バイプレーヤー2人が助演賞でノミネートされるなど、盤石の強さを見せている。

対する『王と生きる男』は、韓国史の中で最も悲惨な運命をたどった朝鮮王朝第6代君主・端宗(タンジョン)を題材にした時代劇。韓国ではこれまでにも、映画化やドラマ化がされているが、幼くして山奥の村に流刑された端宗(パク・ジフン)と、彼と父子のような絆を結ぶ村長フンド(ユ・ヘジン)の交流を描いた物語は今年2月の公開直後から大きな話題に。口コミ人気で観客数が驚異的に伸びて、観客動員数が現時点で1600万人超えの快挙を達成している。

百想芸術大賞では、作品賞をはじめ、『記憶の夜』(17)や『リバウンド』(23)などスリラーからコメディまで多彩なジャンルを手掛けてきたチャン・ハンジュン監督が監督賞、そして流刑地の村長を演じたユ・ヘジンが主演男優賞、端宗役に挑んだアイドルグループ「Wanna One」出身のパク・ジフンは新人男優賞にノミネートされている。韓国では同作への注目度、そして期待値も高いところから、今回は『王と生きる男』の一人勝ちではないかという声も上がっているほど。

日本人キャスト出演の『グッドニュース』など気になる注目作

もっとも、日韓の俳優が入り乱れる『グッドニュース』(25)も気になるところ。1970年に起きた日本初のハイジャック事件「よど号事件」をモチーフにしたブラックコメディで、日韓合作のNetflix映画だ。韓国の名優ソル・ギョングと共に、日本からも山田孝之、椎名桔平、笠松将らが顔を揃えている。作品賞に加えて、『名もなき野良犬の輪舞』(17)のビョン・ソンヒョン監督が監督賞、ホン・ギョンが主演男優賞、リュ・スンボムが助演男優賞、さらに脚本賞、芸術賞の候補にも入っている。

日本初のハイジャック事件「よど号事件」をモチーフにしたブラックコメディ『グッドニュース』
日本初のハイジャック事件「よど号事件」をモチーフにしたブラックコメディ『グッドニュース』[c]Everett Collection/AFLO

『3年生2学期(原題:3학년 2학기)』(25)は、高校3年生の2学期にある企業の実習訓練を受けることになった高校生の姿を描く青春もの。第29回釜山国際映画祭をはじめ、数々の映画祭で受賞するなど、批評家から高く評価される話題作だ。

そして、昨年のトロント国際映画祭や第17回東京フィルメックスでも絶賛された『The World of Love(英題)』(25)では、18歳の女子高生が全校生徒参加の署名運動に一人反対したことから始まる騒動が描かれる。メガホンを取ったユン・ガウン監督は、長編デビュー作『わたしたち』(16)でその繊細な演出力が評価されており、作品賞に加えて監督賞、主演ソ・スビンが新人女優賞にノミネートされている。



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