塚本晋也監督が国際キャストと共に“戦争加害者の傷”を描く『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』公開決定!
<スタッフコメント>
●塚本晋也(監督)
「大岡昇平さんの『野火』を映画化するとき、さまざまな資料、書籍を読んだが、そのとき出会ったなによりも恐ろしいノンフィクションが『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』だった。アレン・ネルソンさんは、ベトナム戦争で多くの人を殺した。そして戦争後遺症に生涯悩まされ続けた。自分の犯した罪とその後の人生を包み隠さず吐露した本は、いつまでも頭から離れず強烈に自分の心に刻み付けられた。これがもし映画になったら?と想像すると、いまの世の中に絶対必要なことに思えた。戦争がどういうものか。戦争が人をどう変えるか。周囲の人にどういう影響を与えるか。同時に、そんな恐ろしい考えは持たないようにしよう、と逃げる理由も考えた。映画化はあまりに難しく、逃げる理由はいくらでも並べることができた。その物語に近づこうとするたび、人間の暗部がいやというほど浮き彫りになり、苦痛を感じた。しかし、体は、この企画の実現のためにとどまることを忘れ休みなく動き続けた。はたして映画化は困難を極め、作らなければ、でも逃げたい、というせめぎ合う気持ちは7年もの間完成に到るまで続いた。あちこちで戦火をあげているいまの世界。それをますます身近に感じるようになった。これは、アレン・ネルソンというアフリカ系アメリカ人の一人の兵士を描いた真実の物語だ。いまは亡くなってしまったアレンさんを蘇らせ、人々に知ってもらうことがいまの世の中にどうしても必要、という考えを捨て去ることができずに、多くの人たちの理解と協力を得て完全なものとして出来上がった。彼の生きる姿が、皆さんの心に届くことを心から願っています」
文/山崎伸子
※塚本晋也の「塚」は旧字体が正式表記
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