「絶対に調べないほうがいい…」都市ボーイズ・岸本誠、『おさるのベン』で想起したヤバい事件と愛情という“呪い”
家族のように愛するペットが、ある日突然豹変してしまったら…?そんな日常と隣り合わせの恐怖を描いた『おさるのベン』が、いよいよ2月20日(金)より日本公開を迎える。そこでMOVIE WALKER PRESSでは、ひと足先に本作を鑑賞した怪奇ユニット「都市ボーイズ」の岸本誠にインタビューを敢行。都市伝説から心霊まで、あらゆる恐怖に精通した岸本は、チンパンジー×狂犬病×密室が融合した本作をどのように観たのだろうか?
「動物ってこんなふうになるの!?」未知の恐怖に岸本誠が慄く!
「海底47m」シリーズで“人喰いザメ”の恐怖を描いたヨハネス・ロバーツ監督が今回、恐怖のシンボルに選んだのは、人間に最も近い知能を持つとされるチンパンジー。舞台となるのはハワイの森の奥に佇む一軒の豪邸。友人を連れて帰省した大学生のルーシー(ジョニー・セコイア)は、幼いころから暮らしていたチンパンジーのベンと再会し、楽しい休暇を過ごすはずだったが、徐々にベンの様子がおかしくなり…。
アルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』(63)や、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』(75)などに代表される“アニマル・パニック・ホラー”ジャンル。この2作のように映画史に残る名作と呼ばれるものもある反面、近年ではいわゆる“B級映画”の定番になりつつもある。岸本はまず、「ちょっと大げさに見せたり、大量発生させたりするのがこのジャンルの常套。ですが、いまは動物の生態が以前よりも知られるようになった分、観客は『あり得ないものだ』とわかってしまっています」と、このジャンルの課題点を分析する。
そのうえで、「『おさるのベン』の場合、賢いとか力が強いといった、広く知られているチンパンジーの生態に、特に日本ではあまりなじみのない“狂犬病”という病気を織り交ぜています。そうすることで、観客が求めているリアリティが担保されながらも、『動物ってこんなふうになるの!?』という未知の怖さが生まれ、同時に『もしかしたらこんなこともあり得るかもしれない』という不安を植え付けています」と、このジャンルに新たな可能性を見いだす作品であることをアピール。
また岸本は、リアリティのある恐怖を巧みに駆り立てている要素として、「惜しげもないジャンプスケア」と「約90分という短い上映時間」の2点を挙げる。「近年のホラー映画では、わかりやすく観客を驚かせるジャンプスケアをあまりやらないようにする傾向があると思います。でも本作はとことん振り切ってそれをやっていて、怖いところはきちんと怖いけれど、『やりすぎだろ!』と思うくらい。一周回って笑いそうになってしまいました」。
さらに「緊張感や恐怖はそんなに長く持続するものではないので、ホラー映画はできるだけ短いほうがいいと思っています。スパッとしたほうが印象として残りやすいし、なによりもインパクトが強い。90分のなかに次々と驚かせる要素を詰め込んでいるので、とにかくスピード感があって『もう終わったんだ…』と、エンドロールに入った瞬間にどっと疲れが出てきました」と振り返り、「じめじめしたホラー映画も好きですけど、たまにはこういうカラッとしたホラーも観たくなる。久しぶりに王道を貫くアニマル・パニック・ホラーに出会いました!」と笑みを浮かべた。
