『花緑青が明ける日に』ストップモーション&特殊シーンのメイキング写真が公開!制作スタッフのこだわりも紹介

『花緑青が明ける日に』ストップモーション&特殊シーンのメイキング写真が公開!制作スタッフのこだわりも紹介

日本画家としての活動を軸に、新海誠監督や片渕須直監督など名だたる監督のアニメーション作品に参加し、CMやミュージックビデオなどジャンルを超えて様々な創作活動を行ってきた四宮義俊が自身のオリジナル脚本で描く初の長編アニメーション映画『花緑青が明ける日に』(3月6日公開)。今回、本作のストップモーション、特殊シーンのメイキング写真が解禁となった。さらに、制作スタッフのこだわりコメントも到着している。

【写真を見る】ストップモーション、特殊シーンのメイキングカットが到着
【写真を見る】ストップモーション、特殊シーンのメイキングカットが到着[c]2025 A NEW DAWN Film Partners

物語の舞台は、創業330年の花火工場、帯刀煙火店。再開発による立ち退きの期限が迫るなか、幻の花火<シュハリ>とそこで育った若者たちの未来をめぐる2日間が展開する。声優初挑戦となる若手実力派俳優の萩原利久と古川琴音がW主演を務め、等身大かつ瑞々しい演技で命を吹き込む。いよいよ本日2月12日より開幕する第76回ベルリン国際映画祭で、本作は『千と千尋の神隠し』(01)、『すずめの戸締り』(22)に続くアニメ映画のコンペティション部門選出作品として正式出品されている。

今回、本作の大きな見どころのひとつであるストップモーション・アニメーションシーンと特殊シーンのメイキング写真が公開。ストップモーション・アニメーションとは、「ピングー」や「ひつじのショーン」などで知られる、モチーフを少しずつ動かし、ストップモーション(コマ撮り)技術を用いて撮影する技法のこと。帯刀煙火店の立ち退き前夜に幻の花火<シュハリ>を打ち上げるための作戦会議をするシーンで効果的に使われている。物語の舞台である帯刀家周辺をダンボールで再現したミニチュアセットや人間に見立てた麻雀牌がストップモーションで生き生きと動きだし、アニメと実写の映像が入り混じることで、現実と虚構の境界を軽やかに行き来する世界が展開する。

ストップモーション・ディレクターのヴィクトル・アジュランは、麻雀牌を用いたキャラクター表現について「そもそも麻雀牌という四角い物体を、生き物のように見せるというミッションは大きな挑戦でした」と振り返る。また、作中で印象的に描かれる“酒”の表現についても、透明な瓶やグラスの中で歪んで見える液体を表現するため、実際の液体ではなく透明な粘土を使って微細な動きをコントロールするという独自のアプローチを明かした。

さらに、水中、宇宙、花火シーンの特殊映像を手がけたSUKIMAKI ANIMATIONの鋤柄真希子は、マルチプレーン・カメラという特殊な撮影手法を使うアーティスト。宇宙の表現について「深海を舞台にした過去作で直接光やブラックライトなどを試した応用で、丸い穴を空けた素材を重ねて動かすことでモヤモヤした光を表現したり、スポンジに粉状のパステルをつけて黒い紙に塗っています」とコメントした。また、先日解禁された本予告映像冒頭のカオルが水中に飛び込むシーンについては「透明なジェルを使って反立体の泡などを作成し、撮影しています。四宮監督からはディズニーアニメ『ピノキオ』の水中シーンでの画面全体が揺らめくような表現をやりたい、とリクエストをいただき、樹脂で波ガラスのようなフィルターを作ってカメラの前に置きました」と四宮監督とのやりとりについて振り返った。

監督、脚本を務めた、日本画家出身の四宮監督は、こうした多層的な表現について「まったく異なる素材が生のまま並んでいる“異物感”のある組み合わせが昔から好きなんです」と明かす。岩から削り出した粒子などの無機物を、膠(ニカワ)という動物性の有機物で無理やり固めている日本画の構造から影響を受け、過去に手がけた映像作品でもあえて実写とアニメーションが入り混じった映像作りを行ってきた。


異なる技法、異なる質感をあえて混ぜ合わせることで生まれる、他に類を見ない映像体験をぜひ映画館で新鮮な驚きと共に味わってほしい!

文/鈴木レイヤ

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