映画ライターの2026年“推し韓国アクター”は誰?イ・ビョンホン、ホン・ギョン、パク・ジヒョン、アン・ヒョソプらに注目
何を考えているかわからない、その目がいい。ク・ギョファンというスパイス
韓国では、「この人はかましているな!」と思わせる俳優が、毎年のように出てくる。少し前であれば、ピョン・ヨハンや、リュ・ジュンヨルが出ていると、なにか作品がピリっとした緊張感があった。そうした感覚をいま出しているのが、ク・ギョファンではないだろうか。芸歴は長いが、私が意識したのは、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20)や「D.P. -脱走兵追跡官-」であった。それらの作品でもありきたりな役をただ演じているのではなく、やっぱり作品におけるスパイス的な役割を担っていた。どこか、何を考えているのかわからない目がいいのかもしれない。2025年は『脱走』の公開に合わせて来日し、イ・ジェフンとツーショットでのインタビューの機会もあった。映画好きで、相米信二を敬愛していると語っていた。彼自身も映画監督もやっていて意欲的である。韓国のインディペンデントな映画に注目が集まるいま、彼のような存在が、韓国映画界の明日を背負っているのではないだろうか。個性的な映画ばかり出演しているのイメージだが、ムン・ガヨンと出演した最新作『Once We Were Us(原題:만약에 우리)』は共感型のロマンス作品だという。こうした役の雰囲気もよさそうなのである。
(映画ライター・西森路代)
際立つ人気と確かな演技。次を見たい俳優、パク・ボゴム
2025年最も涙を搾られたドラマ「おつかれさま」で、愚直なまでにひたすらエスン(IU)を愛し守り抜いたグァンシク役は、パク・ボゴムにしか演じられない難しい役だったと思う。人気・表現力ともに若手俳優のなかで頭ひとつ抜けているパク・ボゴムには、ポン・ジュノやパク・チャヌク監督のような名監督と組み、映画での“人生キャラクター”を得て欲しい。『母なる証明(09)のウォンビンや、「シンパサイザー」のホア・スアンデのように。「応答せよ1988」10周年記念バラエティ用の特別OSTを歌ってくれたのも、ドラマの後追いファンには嬉しい限りでした。
(映画ジャーナリスト・平井伊都子)
グローバルスターへのカウントダウン!世界を相手に存在感を示したアン・ヒョソプ
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』でハントリックスと対峙するサジャ・ボーイズのリーダー、ジヌは北米小学生男子たちにも大人気で、ハロウィンではみんなジヌになりたがっていた。イケメンだけどとぼけていて、数奇な運命をあまんじて受け入れるのではなく、間違いを認め正そうとするジヌは、2025年ぽいヴィランだった。ジヌの声を務めたアン・ヒョソプは、英語での演技も完全にこなせることを証明。韓ドラではラブコメの印象が強いけれど、イ・ビョンホンやユ・テオのようにこれぞという代表作に巡り会えたら英語圏でもブレイクしそう。
(映画ジャーナリスト・平井伊都子)
ジャンルを越えた多作モード突入!2026年は、“キム・ソンホの年”になりそう
俳優キム・ソンホが、2026年に向けて本格的な“多作モード”に入り、その存在感をさらに広げようとしている。2025年はNetflixオリジナルシリーズ「おつかれさま」1作のみと、比較的落ち着いた活動が続いたが、新年はロマンティック・コメディからファンタジー時代劇、さらには舞台まで、ジャンルを横断する幅広い活躍が予告されている。まず上半期には、Netflixオリジナルシリーズ「この恋、通訳できますか?」が配信予定。グローバルスターの専属通訳を務める多言語通訳者役を演じ、コ・ユンジョンとロマンティック・コメディで共演する。明るく軽快な物語の中で、キム・ソンホならではの生活感あふれる演技が、あらためて注目を集めそうだ。下半期には、ディズニープラスのオリジナルシリーズ「現惑」に出演。1930年代の京城を舞台にしたファンタジー時代劇で、画家ユン・イホ役を演じ、謎めいた女性ソン・ジョンファとの物語を紡ぐ。スジとの再共演も期待を集めている。さらにドラマにとどまらず、舞台にも挑戦する。2月から演劇「秘密通路」で大学路の舞台に立ち、2人芝居という形式の中で一人多役を演じるなど、新たな領域にも踏み込む予定だ。加えて、ウェブ小説原作ドラマ「議員さまのご加護」への出演も控えており、ジャンル作品での存在感も見せてくれそうだ。キム・ソンホにとって2026年は、俳優としてのキャリアに新たな転機をもたらす1年となるに間違いない。
(映画ライター・柳志潤)

