役者として様々な経験を積んだからこその到達点…『楓』で久々の正統派ラブストーリーに向き合った福士蒼汰の歩み
心に沁みわたる令和のラブストーリーが誕生した。『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)で純愛ブームを巻き起こした行定勲監督が映画化した『楓』(公開中)は、スピッツの名曲から誕生した一生もののラブストーリー。嘘から始まる再生の物語として描かれるこの作品で、福士蒼汰が主人公でもある“双子の兄弟”の2役を熱演している。ということで、近年は海外作品への出演を多い福士が、久々に真正面から向き合ったラブストーリーである本作に至るまでの歩みを振り返っていこう。
「仮面ライダーフォーゼ」「あまちゃん」への出演で一気に注目の若手俳優に
福士は2011年に香里奈主演の「美咲ナンバーワン!!」で俳優デビュー。注目されたきっかけは、同年放送の「仮面ライダーフォーゼ」への出演だった。シリーズ初の学園青春ドラマ仕立てのストーリーとなったこの作品で、リーゼント姿の高校生ライダーを屈託のない明るさと弾けるエネルギーで体現し、子ども~女性層を中心に一気に支持を獲得。その後、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」への出演も重なって、幅広い世代に認知される全国区の存在に。
そしてイケメン俳優の筆頭株として挑んだ有川浩のベストセラー小説の実写化「図書館戦争」シリーズでは、言論統制が進む近未来を舞台に本を守る図書隊の若き隊員に扮し、トップランナーとしての存在感を強めていった。
『好きっていいなよ。』「きょうは会社休みます。」での好演でブレイクした2014年
そんな福士のブレイクイヤーは2014年。川口春奈とW主演した『好きっていいなよ。』では学校イチのモテ高校生に扮し、特撮モノのスーツアクターに焦点を当てた『イン・ザ・ヒーロー』では唐沢寿明による主人公と衝突する人気若手俳優を妙演。そして三池崇史監督によるサバイバルアクション『神さまの言うとおり』で、命を懸けたデスゲームに突然参加させられる男子高校生を体当たりで演じるなど、ジャンルも性格も異なる3本の映画が立て続けに公開されている。
さらにこの年は話題のドラマへの出演も相次ぎ、“福士蒼汰”の名が世間に深く浸透していくことになる。なかでも彼の恋愛モノでのポテンシャルの高さを知らしめたのが「きょうは会社休みます。」で、恋愛経験のない30歳OLの花笑(綾瀬はるか)と恋に落ちる“大学生の田之倉”という役どころで登場。相手を尊重しつつも、9歳の年齢差をものともせずに一途な恋を貫き通す姿で多くの女性の心をわしづかみに!
鮮烈な印象を残したこの年の活躍により、福士は日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。さらにエランドール賞新人賞にも輝き、時代を牽引する若手俳優としての地位を確立した。
表現の幅を広げると共に海外作品にも参加
その後も福士は表現の幅をさらに押し広げていく。明治初頭の日本を舞台に、町を守る曇神社の14代目に扮した『曇天に笑う』(18)では、ノースタントでアクションに臨みフィジカル面での強度を披露。
かと思えば、『旅猫リポート』(18)では飼い猫の新しい飼い主を探す旅に出る猫好きの青年像を心柔らかに表現し、「弁護士ソドム」では一転して(表向きは)ダークな悪徳弁護士役を怪演。さらに近年は国際共同制作ドラマ「THE HEAD」シーズン2に参加するなど海外作品にも活躍の場を広げ、異なるトーンの作品で役者としての引き出しを着実に増やしている。
