舘ひろし×藤井道人監督の再タッグ作は「想像の50倍よかった」…誰かのために生きる男を描く『港のひかり』が観客の心に刺さる理由とは?
「不変で哲学的なメッセージを受け取りました」…誰かのために生きる“自己犠牲”の尊さ
本作が描くのは、現代社会で日に日に希薄になってきた、誰かのために生きる“自己犠牲”の尊さについて。縁もゆかりもなかった幸太の目の治療費を手に入れるため、三浦は自らの破滅も顧みない行動を起こす。成長した幸太も孤独だった自分にとってヒーロー的存在であった“おじさん”のように生きたいと願い、刑事として職務に当たっている。このような三浦と幸太の真摯な姿や想いについて、「私にはないけど、こういう生き方もあるんだな、と思った」(50代・女性)、「昔もいまも人を思いやり支え合っていくのが人間の美しさだと感じた」(50代・女性)と語る感想も確認できる。
「人間のなかの善と悪について考えさせられた」(50代・女性)
「自分ではなかなかできない行動だが、小さなことからなら始められるかなと思った」(50代・女性)
「誰かのために生きるとは『生きるための力』だと思う」(50代・女性)
「自分の顔は他人からしか見えないという不変で哲学的なメッセージを受け取りました」(50代・女性)
「若い世代へなにが残せるのかを考える契機に」…劇場で見届けたい強いメッセージを帯びた友情の物語
舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀らキャスト陣による重厚なドラマ、思わずスクリーンに釘付けになってしまう映像美。そして、“誰かのために生きる”という強いメッセージが大勢の心に確かな軌跡を残す『港のひかり』。最後に、試写会参加者が本作を通して受け取ったものを紹介したい。
「互いを支え合うことの重要性を受け取った」(40代・女性)
「自分もこれからの若い世代へなにが残せるのかを考える契機になりました」(40代・男性)
「今夜はゆっくり自分を見つめ直そうと思いました」(50代・男性)
「余生を捧げる実直さがよかった。子どもを抱きしめたくなりました」(40代・男性)
血がつながっていなくても、歳がどれだけ離れていても、確固たる絆で結ばれた三浦と幸太。そんな彼らの十数年にわたる信頼と友情の物語を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
構成・文/平尾嘉浩

