舘ひろし×藤井道人監督の再タッグ作は「想像の50倍よかった」…誰かのために生きる男を描く『港のひかり』が観客の心に刺さる理由とは?
「伝えたいことをストレートに届ける」…葛藤する人々に寄り添ってきた藤井道人監督
藤井監督といえばこれまでに、自らの余命がわずかと知りながら懸命に生きた女性を描く『余命10年』や、現代社会におけるヤクザたちの生きづらさを捉えた『ヤクザと家族 The Family』(21)、閉鎖的な村で生きる青年が負のスパイラルから抜けだそうともがく『ヴィレッジ』(23)など、恋愛から社会派まで様々なジャンルを手掛け、困難に直面する人々の葛藤や心情の変化を丁寧に描写してきた。『ヤクザと家族 The Family』以来となる舘を主演に迎えた本作では、“誰かのために”生きようとする孤独な男、三浦の人物像を共に作り上げ、その愚直な生き様を、藤井ならではの視点でありありと映しだしている。
「藤井監督の冷静な視線が感じられる作品」(60代・女性)
「藤井監督の作品は、画面がシンプルで見やすい印象。伝えたいことがストレートに届くイメージがある」(50代・女性)
「藤井監督の作品は、長い年月をずっと追いかける作品が多い印象があります。今回フィルムで撮影したことで心のなかにあるモヤモヤや後ろめたさ、海の街ならではの湿度を感じました」(40代・女性)
コメントにもある通り、フィルム撮影であることも見どころである本作を担当したのは、これまでに『八甲田山』(77)や『鉄道員(ぽっぽや)』(99)といった名作に携わり、『劔岳 点の記』(09)など監督としても手腕を振るってきたキャメラマンの木村大作。全編35mmのフィルムカメラで撮影されたその映像美はとにかく圧巻。時に吹雪が吹き荒れる港町の体の芯まで凍えるような寒さ、三浦と幸太が食事をする居酒屋の暖かさがスクリーン越しにも伝わってくるだけでなく、2人の心情の機微までもが丁寧に捉えられている。
「フィルムで撮影されているからか、はじめのほうは懐かしく温かい感じがしたが、最後はせつなさを感じた」(50代・女性)
「ざらついたフィルムの感触が人間の情念をより感じさせてくれるような気がする」(50代・女性)

