シュワルツェネッガーがオファーされたのはターミネーター役じゃない?影響を受けた作品などトリビアでたどる『ターミネーター』

シュワルツェネッガーがオファーされたのはターミネーター役じゃない?影響を受けた作品などトリビアでたどる『ターミネーター』

シルヴェスター・スタローンにカート・ラッセル、メル・ギブソンもターミネーター役の候補だった?

5:ターミネーター役に検討されていたスターたち
シュワルツェネッガーに決まる前に、ターミネーター役は多くの俳優たちが検討、オファーされていた。まずはアメフト界から俳優に転向し、『タワーリング・インフェルノ』(74)や『カプリコン・1』(77)などに出演したO・J・シンプソン。さらに、キャメロンが脚本を書いた『ランボー 怒りの脱出』(85)のシルヴェスター・スタローン、キャメロンが視覚効果を手掛けた『ニューヨーク1997』(81)のカート・ラッセルといった縁のある名前も挙がっていた。このほか、メル・ギブソン、トミー・リー・ジョーンズ、トム・セレック、マイケル・ダグラス、マイケル・キートン、アレック・ボールドウィン、ケヴィン・コスナーやジョン・トラヴォルタ、ハリソン・フォードなどアクションが似合いそうな錚々たる面々が並んでいる。ただし、多くはスタジオや出資サイドの要望であり、キャメロンの提案ではない。

『ランボー 怒りの脱出』のシルヴェスター・スタローン
『ランボー 怒りの脱出』のシルヴェスター・スタローン[c]Everett Collection/AFLO

6:『ターミネーター』に出演したキャメロン作品の常連俳優たち
本作には、のちにキャメロン作品の常連となる俳優たちが出演している。カイル役のマイケル・ビーンは『エイリアン2』(86)、『アビス』(89)に出演。ターミネーターが最初に出会う青い髪のチンピラを演じたビル・パクストンも『エイリアン2』に加えて、『トゥルーライズ』(94)、『タイタニック』(97)、さらにキャメロンのドキュメンタリー『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』(03)にも本人として出演した。『殺人魚フライングキラー』で出会い意気投合したランス・ヘンリクセンは、本作で“サラ・コナー連続殺人事件”に気づく刑事ブコヴィッチ役で出演し、続く『エイリアン2』でアンドロイドのビショップを演じてブレイクした。

『エイリアン2』のビショップ役でブレイクしたランス・ヘンリクセン
『エイリアン2』のビショップ役でブレイクしたランス・ヘンリクセン[c]Everett Collection/AFLO

7:キャメロンの愛犬も出演
サラとカイルがひと晩を過ごすモーテルで、チェックイン時にカイルが宿のジャーマンシェパードを撫でるカットがある。犬の反応は人間の皮膚で覆われたターミネーターを警戒するため、カイルが人間であると示すものだが、この犬は当時のキャメロンの愛犬ウルフィである。その後もモーテルに現れたターミネーターに吠える姿が、主観カットと引き画で映しだされた。

8:トラックの逆襲…
ターミネーターが最初のサラの家を訪れた時、乗っていた車で路上のおもちゃのトラックを踏み潰している。おもちゃはアーテル社のトレーラートラックで、終盤にサラを追っていたターミネーターを轢くのも同じ車種。ターミネーターはこのトラックを奪って追跡を続けるが、今度はカイルの爆弾で車体ごと爆破されてしまう。まさにトラックの逆襲だ。


9:C-3POもある意味でターミネーターの参考に
“炎のなかから現れるロボット”のイメージを具体化する時、キャメロンの頭に浮かんだのが『スター・ウォーズ』(77)のC-3PO。ただし、取り入れたのではなく、3POのように中に人が入っているとわかるデザインにしたくない、と考えたのだ。そこで外皮が剝がれてスケルトン状態になったターミネーターの腰部を支柱だけにして、左右の油圧シリンダーで支えるデザインを採用することとなった。また、『メトロポリス』(26)には3POに影響を与えた美しい流線形のマリアが登場する。こちらは人間の皮を被って人々を扇動する邪悪なロボットで、最期は炎に焼かれメタリックなボディがむき出しになる。この作品はキャメロンのお気に入りで、“炎のなかから現れるロボット”を誘発したと考えてよいだろう。

『スター・ウォーズ』のC-3POもターミネーターの参考に?
『スター・ウォーズ』のC-3POもターミネーターの参考に?[c]Everett Collection/AFLO
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