猿のおもちゃ、車、ホテルの部屋まで…“モノ”によるトンデモな恐怖を描くスティーヴン・キングムービー6選!
これまで数々の著書が繰り返し映画化されてきた“ホラーの帝王”スティーヴン・キング。その最新作として、短編「猿とシンバル」を初映画化した『THE MONKEY/ザ・モンキー』が9月19日(金)より公開される。
ひと昔前は玩具店の店頭でよく実演販売されていた“猿のおもちゃ”を題材とした本作をはじめ、キング作品といえば、人や霊ではなく“モノ”が恐怖をもたらすこともしばしば…。ここでは恐怖の対象がまさかの“モノ”だった!というユニークな作品を紹介していく。
洗濯プレス機が人を喰いまくる『マングラー』
短編「人間圧搾機」をトビー・フーパー監督が映画化した『マングラー』(95)。マングラーは日本語で“破壊する”という意味で、本作は洗濯工場の“プレス機”が事故をきっかけに血の味を覚えてしまい、次々と殺戮を繰り返していくという内容だ。
ひょんなことから悪魔が乗り移った大型プレス機のものものしいデザインはどこか不気味で、蒸気を吐きながら布を抑えるパーツをパクパクとさせる様はまるで食事をしているかのよう。ローラーに人を巻き込んでペチャンコにするのはもちろん(?)、布を折り畳む部分で人の足を“逆パカ”したり…と殺しのバリエーションも豊か。プレス機の餌食となった死体も見応え抜群だ。
車だって嫉妬するんです!『クリスティーン』
同名小説をジョン・カーペンター監督が映像化した『クリスティーン』(83)は、1958年型プリムス・フューリーが主役。内気な高校生アーニーの手によってレストアされ、“クリスティーン”と名付けられた曰くつきの“赤い車”が、次々と周囲の人間を血祭りに上げていく様を描く。
手をかけていくうちに持ち主を魅了し、性格をも変えてしまう魔性の車クリスティーン。アーニーが恋人のリーと共にドライブインシアターに出かければ、突然ラジオを大音量で流してリーを驚かしたり、ボロボロにされても自分で自己修復したりと、その行動は生きているかのよう。アーニーをいじめる不良たちに突っ込んで血祭りに上げていく“重すぎる愛”はと恐ろしすぎる!
あらゆる機械が人を襲う『地獄のデビル・トラック』
同じく車を恐怖の対象としたのが『地獄のデビル・トラック』(86)。キングが短編「Trucks」を自ら映像化した初監督作品で、その名の通り、アメリカの田舎町にあるドライブインを舞台に“トラック”の群れの大暴走を描く。
米国上空を通過した謎の飛行物体の影響によって大暴れするトラックたちのボス的なポジションにあたるのが、フロントにゴブリンの装飾が施された超ド派手なもので、目を光らせながら走ってくる様はインパクト抜群!クラクションによるモールス信号で給油を要求するなど感情があるような存在として描かれている。
トラックだけでなく、跳ね上げ橋はいきなり動きだし、電光掲示板にはFワード、チェーンソーは人に斬りかかり、自販機はジュースを吐きだし続け…とあらゆる機械が人間に襲いかかってくる。ユニークな“物襲来”描写のオンパレードは必見だ。
ホテルで怪異が連発!『1408号室』
キング原作映画の代表作といえば『シャイニング』(80)を思い浮かべる人も多いと思うが、ジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソンが共演した『1408号』(07)も同じくホテルを舞台とした1作。豪華ホテルの曰くつき“部屋”が襲いかかる。
現実主義者のオカルト作家マイクが、ある日、届いた葉書から存在を知ったニューヨークのドルフィン・ホテルの1408号室に宿泊し、様々な怪異に見舞われていく。
いきなりラジオが流れだすなんてのは序の口で、次々と怪異が発生。窓がいきなりすごいスピードで閉まったり、手を洗おうとしたら水がいきなり熱湯に変わったり、さらには凍えるほど寒くなったり…と肉体的にも精神的にも命の危機を覚えるような攻撃が、手を変え品を変え繰り広げられていく。いったいホテルの一室で起こる異変の原因とは…?
携帯嫌いのキングが描く恐怖とは?『セル』
『1408号室』と同じく、ジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソンがタッグを組んだのが『セル』(16)。この作品ではもうお察しの通り、“携帯電話”によってもたらされる恐怖が描かれる。
特になんの前触れもなく発せられた携帯の電波“パルス”によって、多くの人々が凶暴化するなか、主人公クレイは離ればなれになった妻と息子を救うため、生存者たちと共に旅をすることに。携帯嫌いで知られるキング流のゾンビ映画となっており、凶暴化した“フォナー”たちが声を用いた感染能力を手にしたり、夜間に活動をやめてアップデートを行なっていたりとスマホ的な設定がユニークな1作だ。
同じく携帯電話を題材とした作品では、死んだはずの老人の電話がもたらす不可思議な現象を描いた『ハリガン氏の電話』(22)という作品も映画化されている。