私生活でも大親友!韓国が誇る国民的“ハルモニ=おばあちゃん”女優、『最後のピクニック』ナ・ムニ&キム・ヨンオクの軌跡

コラム

私生活でも大親友!韓国が誇る国民的“ハルモニ=おばあちゃん”女優、『最後のピクニック』ナ・ムニ&キム・ヨンオクの軌跡

次の出演作が常に期待される存在となったナ・ムニ

ここで主演女優2人のキャリアを振り返ってみよう。1941年生まれのナ・ムニは、演劇界で俳優活動をスタートさせ、MBC声優劇会の1期生となる(この時、キム・ヨンオクも同期だった)。洋画吹き替えを多く担当し、かつてはマリリン・モンローのFIX声優でもあったという。

映画初出演作は『クワイエット・ファミリー』(98)。それまでのドラマ出演歴の長さと厚みに比べるとだいぶ遅咲きだが、1本目からいきなり若き日のソン・ガンホやチェ・ミンシクと共演し、いまや巨匠の風格を漂わせるキム・ジウンの監督デビューにも立ち会うあたり、引きが強い。当時すでにそれだけのクセモノも相手にできる実力を確立していた証拠だろう。

若き日のソン・ガンホやチェ・ミンシクと共演したナ・ムニの映画初出演作『クワイエット・ファミリー』
若き日のソン・ガンホやチェ・ミンシクと共演したナ・ムニの映画初出演作『クワイエット・ファミリー』[c]1998 LittleBig Pictures All Rights Reserved.

その後は、ソル・ギョング扮するアウトローと母子のような関係を育む食堂の女将を演じた『熱血男児』(06)、シム・ウンギョンの“変身前のおばあちゃん”を演じた『怪しい彼女』(14)、国会議員の孫娘に嘘がつけなくなる呪いをかける祖母に扮した『正直政治家 チュ・サンスク』(20)など、数多くの作品で味わい深い演技を披露。慰安婦問題を扱った秀作『アイ・キャン・スピーク』(17)では、第38回青龍映画賞主演女優賞などを獲得し、次にどんな出演作を選ぶのか常に期待される人気映画女優となった。

慰安婦問題を扱い、ナ・ムニが第38回青龍映画賞主演女優賞を獲得した『アイ・キャン・スピーク』
慰安婦問題を扱い、ナ・ムニが第38回青龍映画賞主演女優賞を獲得した『アイ・キャン・スピーク』[c]2017 Little Big Pictures All Rights Reserved.

映画界でのブレイク後も、ドラマやバラエティに多数出演。2022年にはヨンオクらと共にトーク番組「進撃のおばあちゃん」のMCも務めた。視聴者として「ヒューマンドキュメンタリー 人間劇場」などの番組を観るのも好きで、市井に生きる“普通のおばあちゃん”を演じる際の参考にしているという。その地道な人間観察で培われたリアリティは、今回の『最後のピクニック』にもしっかり生きている。


ウンシムとグムスンは揃って南海に帰郷することに(『最後のピクニック』)
ウンシムとグムスンは揃って南海に帰郷することに(『最後のピクニック』)[c] 2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.

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