眞栄田郷敦が語る、俳優としての進化と『カラダ探し』への帰還「挑戦し続けることが自分を広げてくれる」
「いろいろな挑戦をしながら、幅を広げていけたらうれしい」
前作の公開記念舞台挨拶で眞栄田は、羽住監督の映画『OVER DRIVE』(18)を観たことが俳優への道へと進むきっかけになったと打ち明けていた。前作に引き続き、羽住監督とタッグを組めたことも眞栄田にとって大きな喜びだ。眞栄田は「芝居を始めたてのころの自分を知ってくれている方なので、羽住監督にはいつも成長した姿を見せたいなと思っています」と告白。
「『OVER DRIVE』を観た時には、日本映画では観たことのないような迫力を感じました。こういう映画を作っている現場があるんだと、すごく刺激を受けました」という眞栄田は、本シリーズの現場でも羽住監督からたくさんのパワーをもらっているという。「羽住監督は穏やかな表情で、ずっと現場にいてくれます。だからこそ羽住監督の現場は、いつもハッピーなんです。大変な撮影をしていても、苦労を感じさせないような現場。役者のことも最前線で見てくれる監督なので、ちょっとしたことでもすぐに相談ができるし、ものすごい安心感があります」と並々ならぬ信頼を寄せる。
「成長した姿を見せたい」という眞栄田だが、前作からの3年を考えても次々と話題作への出演を重ねてきた。この3年における変化について、「より作品やキャラクターの深掘りはできるようになったのかなと思いますし、引き出しは多少増えたのかなと思います」と笑顔。今年は本作だけでなく、人気漫画を実写化した『ババンババンバンバンパイア』(25)でコメディ力を発揮し、藤井道人監督作『港のひかり』(11月14日公開)では舘ひろし演じる元ヤクザの“おじさん”との友情を体現するなど、あらゆる眞栄田郷敦を目にすることができる。「まったく違うジャンル、まったく違うキャラクターを演じた3作品が公開されます。いろいろなジャンルに飛び込むと、また新しい自分、新しい表現を試すことができるのですごく楽しいです。いろいろな挑戦をしながら、幅を広げていけたらうれしいなと思っています」と充実感をにじませていた。
そんな彼にとって、『カラダ探し』はどのような作品だろうか。眞栄田は「前作は、僕にとって初めてのホラー作品となりました。ホラーというのは、振り切ったフィクションのなかで、いかにリアリティのある恐怖を表現できるかという難しさもあって。いつものお芝居とは、また違ったものが必要になるジャンルでもあります。信頼する羽住監督のもと、新しい経験値を踏めた作品としても大切な作品となっています」と感謝を込めながら、「また今回は、年下の共演者の方が多かったので、後輩が増えてくるんだなと思ったり、年上としてどうするべきかを考えることもあって。そういうことを考え始める年齢になってきたんだなと改めて感じました」と“これから”を意識する作品にもなったと語る。
役者としてますますパワーアップしていく眞栄田だが、「今回の『カラダ探し』は、学校を飛び出して遊園地が舞台となっていて。ジェットコースターでのアクションもあり、スケールもアップしているなと思います」と本作にもたくさんの進化を感じたとアピール。「たくさん怖がりながら、『カラダ探し』の大きな魅力でもある『仲間っていいな』と思える青春感、ラストに向けた高広と明日香の感動的なシーンなど、超エンタメ映画としていろいろな場面を楽しんでほしいです」と熱を込めていた。
取材・文/成田おり枝