【TOHOシネマズ ファボーレ富山篇】『ウォーターボーイズ』が異例のヒット!立役者はかつての“名物支配人”?映画館にまつわる歴史&トリビアを大特集

【TOHOシネマズ ファボーレ富山篇】『ウォーターボーイズ』が異例のヒット!立役者はかつての“名物支配人”?映画館にまつわる歴史&トリビアを大特集

かつての名物支配人がプッシュした妻夫木聡主演映画『ウォーターボーイズ』がメガヒット!

ワンフロアに10スクリーンを構え、総座席数1,724席を有する劇場
ワンフロアに10スクリーンを構え、総座席数1,724席を有する劇場TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

今回、当劇場の特徴として特筆すべきなのは、映画好きの支配人やスタッフ陣が、趣向を凝らした様々な取り組みを行っていた点だ。なかでも、オープン時の名物支配人が「この映画はイケる!」と判断し、劇場を上げてPR活動を展開したという作品が、妻夫木聡の初主演映画『ウォーターボーイズ』(01)だ。本作は、男子高校生がシンクロナイズドスイミングに挑戦するという矢口史靖監督の青春コメディだが、北陸にゆかりのある映画でないにもかかわらず、作品をいたく気に入った同支配人主導で、なんとオリジナルのTシャツまで作成し、それをスタッフ全員が着用しての大キャンペーンを行った。その結果、地方の映画館では考えられないほどの全国2位という動員記録を達成したのだ。

妻夫木らキャストやスタッフによる舞台挨拶なども実施された。社員によると「当時は一度ではなく、何度か当劇場を訪れていただいたと思います。妻夫木さんや共演の玉木宏さんも来ていただきました。同支配人と妻夫木さんは、いまでも交流があるらしいです」と語る。

県内屈指の作品数を誇るので、観たい映画を選ぶことができる
県内屈指の作品数を誇るので、観たい映画を選ぶことができるTM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

まさに劇場、観客、そして映画の制作陣も、皆がハッピーになれた関係性だ。同社員も「アルバイトスタッフや社員は、みんなが楽しく宣伝をしていたと思います。また、実際に結果を出せたことで、『じゃあ、今度はこの作品でいこう!』と、チームとしての結束も強くなり、そのやり方が習慣づいていった気がします」と分析する。

その後、同社員が、「実に思い出深い」と語っていたのが、富山市、黒部市がロケ地となり、鈴木京香、小澤征悦、丹波哲郎らがゲスト出演した『釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!』(02)での宣伝活動だ。「富山のご当地映画なので、その時も同じようにみんなで映画を盛り上げようと、頑張りました。その作品でもすごく宣伝効果が出て、同じようにたくさんのお客さまに来ていただいたという印象があります」と笑顔で話す。

広々としたロビー。コンセッションではチュリトスが人気
広々としたロビー。コンセッションではチュリトスが人気TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

また、当時はSNSの黎明期なため、スタッフからの提案をきっかけに、同支配人は映画を観たあとに感想を書けるという掲示板を設置した。「観た映画について、星をつけるような形になっていました。感想を書き込めるから、お客様もそれを見ながら『この映画はおもしろそう!』という感じで、そのコメントを参考に作品を選ぶ方もいらっしゃったと思います」と社員が話すように、このアナログな方法が、映画ファンはもとより、スタッフとの交流も広げていき、さらには動員にもつながっていくというすばらしいサイクルを生みだしていたようだ。

それだけではない。オープン時の名物支配人は、直接、東京の配給会社とやりとりをして、映画ファンに支持されそうな単館系の作品を積極的に上映ラインナップに加え、特集上映なども随時行っていった。「どうしてもローカルの映画館だと、メジャーな作品しか上映できないことが多いのですが、その支配人は、都内のミニシアターで上映されている作品も選んで『シネマミラージュ』というネーミングの特集上映を実施していました。都内の封切り日よりも数か月遅れての公開にはなるのですが、近隣だとここでしか観られない作品を観るために、遠方からもお客様が足を運んでくださいました」。

まさに、映画愛にあふれたシネコンの鑑。SNSがない時代だからこそ、人から人へのダイレクトなクチコミが功を奏し、多くの映画ファンに愛される劇場となっていったようだ。

時代とともに変わったものと変わらないものとは

近隣県からも多くの映画ファンが訪れる
近隣県からも多くの映画ファンが訪れるTM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

開業して四半世紀を迎えた当劇場ゆえに、様々な環境や設備の変化もあったそうで「開業当時は全館自由席だったため、入場待ちの列がロビーを飛び出してしまうことがよくありました。また、現在は8台あるコンセッションのレジもたった3台しかなかったです。ポップコーンは塩味のみで、ホットドックはウィンナーを1本ずつ10分くらいかけて焼く必要がありました。また、コカ・コーラではなくペプシコーラを販売していたため、『コカ・コーラをください』と言われるお客様に、毎回説明が必要でした」と、当時を振り返って苦笑いしつつ、それもいまではいい思い出だと語る。

また、開業当時はまだフィルム上映の全盛期だったため、映写室に入っていたスタッフは、直接、観客のリアクションを目にすることもあったそうだ。「いまはデジタルでの上映となり、少し味気なくなりましたが、それでも映写室というのは特別な存在です。感動作の映像チェックに入り、多くのお客様が泣いている姿も見られますが、それは映画館で働いている人間だからこそ味わえる光景だと思います」としみじみ語る社員。時代は令和となったが、今日もスタッフの方々は笑顔で、多くの映画ファンを迎え入れているに違いない。

アニバーサリーを迎えるTOHOシネマズの全国17劇場で配布されるTOHOシネマズシアターカード
アニバーサリーを迎えるTOHOシネマズの全国17劇場で配布されるTOHOシネマズシアターカードTM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

なおTOHOシネマズの全国17劇場で開催中のアニバーサリーキャンペーンでは、4月から12月の9か月間にわたって、様々なサービスを展開している。対象劇場は、今回紹介したファボーレ富山のほか、5周年の池袋、立川立飛、10周年の新宿、ららぽーと富⼠⾒、アミュプラザおおいた、15周年の上大岡、20周年の府中、ひたちなか、⽔⼾内原、津島、二条、直⽅、25周年の浜松、岐⾩、泉北、⼤分わさだだ。ぜひ最寄りの場所や気になっている映画館をチェックし、お目当ての映画を観に行っていただきたい。


取材・文/山崎伸子

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