マイカ ピュと『不思議の国でアリスと』を生んだ富山にあるアニメスタジオP.A.WORKSに潜入!
ルイス・キャロルの名作「不思議の国のアリス」が日本で初めてアニメーション映画化した劇場アニメ『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』(8月29日公開)。現代の大学生・安曇野りせ(声:原菜乃華)はある日、亡き祖母が遺した招待状に導かれて、“不思議の国”へと入り込んでしまう。そこでアリス(声:マイカ ピュ)という少女と出会い、一緒に旅をすることに。へんてこりんな不思議の国の住人たちが次々と現れる、とびきりおかしな冒険の物語が描かれる。
テレビアニメ「色づく世界の明日から」、「白い砂のアクアトープ」を手掛けた篠原俊哉が監督を務め、脚本は「薬屋のひとりごと」や「アオのハコ」で知られる柿原優子が担当。アニメーション制作は「SHIROBAKO」や「スキップとローファー」を手掛けたP.A.WORKSが担い、新しい解釈の「不思議の国のアリス」の物語を生み出した。
MOVIE WALKER PRESSでは、アリス役のマイカ ピュと共にP.A.WORKS本社に潜入!本作に携わったスタッフによる作画体験に密着した。また、キャラクターデザイン、作画監督を担当した川面恒介にインタビューも敢行し、制作裏話や作画へのこだわり、P.A.WORKSの作品への想いや本社のある富山県で働くことの“よさ”について語ってもらった。
アニメーション制作会社「P.A.WORKS」の本社は富山県南砺市に位置する。2002年に「越中動画本舗」(2000年設立)から現社名に変更し、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」や「有頂天家族」シリーズ、「ウマ娘 プリティーダービー」、「天狼 Sirius the Jaeger」などのテレビアニメや、映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』(18)、『駒田蒸留所へようこそ』(23)、『映画プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』(25)などの人気作を送り出してきた。2008年制作の「true tears」では、富山県を舞台にせつない青春群像劇を描き、多くの反響を呼んだ。
アリス役のマイカ ピュがP.A.WORKSを訪問!『不思議の国でアリスと』が生まれた地で作画体験に挑戦
P.A.WORKSでは、2023年から毎年、アニメーション制作体験「アニメーションワークショップ」を開催。小学4年生〜6年生の低学年の部、中学高校生、専門学校、大学の高学年の部を対象にワークショップが開かれ、普段観ているアニメーションがどのように作られるのかを知ることができる貴重な機会となっている。現役アニメーターが講師となり、参加者をサポート。描いた絵を動画にして上映会も行うという、アニメーションがどのように作られているのかを1日で学べるコースになっている。
今回はアリス役のマイカ ピュが夏休みを利用しP.A.WORKSを訪問。本ワークショップの一部、「作画」体験に挑戦した。作画するキャラクターとしてマイカが選んだのは、お気に入りだというチェシャ猫。「青虫のほうが動かすのが簡単そうだけど…、かわいいチェシャ猫を描いてみたい!」と難しそうと予想しながらもチョイス。通常、作業前には30分ほどの概要説明があるそうだが、今回は川面によるマンツーマンの特別講義としてスタート。普段はあまり絵を描かないと話すマイカだが、コンパクト版のレクチャーを受け、早速ワークショップ開始!
コツを掴むまでは「難しいかも…」と時々悩む様子も見せていたが、川面からのサポートを受けると、すぐに取り入れ画に反映していく。りせ役の原菜乃華がインタビュー時に「マイカちゃんは監督からのリクエストに対する理解力、対応力がすごい」と語っていたが、これが原も驚いたマイカのすごさなのかと実感。小学生向けの体験内容だというが、大人でも難しそうに感じる部分も、驚きの集中力と対応力で、丁寧に作画を完成させた。この日は動画に仕上げて上映する工程は割愛したが、描いた絵の束を自分でパラパラとめくり、スマホで動画撮影。自身で簡易アニメーション動画を完成させ、「チェシャ猫さん動いてる!」「かわいい!」と笑顔を見せていた。