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「思い描いた妄想がようやく実現」シリーズを愛する映画監督たちが「エイリアン:アース」を絶賛!原点回帰と“深度”への期待

「思い描いた妄想がようやく実現」シリーズを愛する映画監督たちが「エイリアン:アース」を絶賛!原点回帰と“深度”への期待

凶悪な宇宙生命体の恐怖を描く大ヒットシリーズ「エイリアン」初のドラマシリーズ「エイリアン:アース」がディズニープラスの「スター」で独占配信中だ。映画・ドラマ選びの指標として定着している批評サイト「Rotten tomatoes」では、批評家から94%フレッシュ(8月14日現在)と、『エイリアン2』(86)に並ぶシリーズ最高評価を記録している。そこで本稿では、いち早く第1話を鑑賞した「エイリアン」に心酔する映画監督たちのコメントや、SNSに寄せられたファンたちの投稿から「エイリアン:アース」の魅力をひも解いてみよう。

「エイリアン」入門作としてもぴったりな舞台設定

本作の舞台は、5つの巨大企業が支配している2120年。宇宙に進出した各社は、不老不死の研究を競い合っていた。その1つウェイランド・ユタニ社の深宇宙船が、プロディジー社が治めるアジアのニューサイアムに墜落してしまう。プロディジーはテストを兼ねて、人間の意識を転送した最新型アンドロイド“ハイブリッド”試作体の部隊を現場に派遣。彼らは破損した船内で、宇宙で採集された未知の生命体に遭遇する。この設定が発表されて以来、SNSでは「エイリアン:アースの配信前にまたシリーズ作品を初めから復習しています!!」「1作目に続く様な感じの流れになるのかな?どちらにしろ期待しかないです!」など、期待の声が次々に上がっていた。

地球を喰らうインパクトのあるビジュアルに、期待感が高まっていた本作
地球を喰らうインパクトのあるビジュアルに、期待感が高まっていた本作[c] 2025 FX Productions, LLC. Courtesy of FX Networks and Hulu

この、『エイリアン』(79)とほぼ同時代ならではの、デザインワークでの共通点が見て取れる一方、宇宙で繰り広げられた第1作は当時の社会情勢については触れられず、続く『エイリアン2』は57年後の物語。2142年と時代が近い『エイリアン:ロムルス』(24)も資源惑星ジャクソン星が舞台のため、これまで2120年ころの地球の状況は描かれてこなかった。
時代背景の説明から幕を開ける本作はまさにゼロベースからのスタートで、スピンオフを含め巨大なユニバースを形成したシリーズの最新作ながら初心者にも敷居の低い作り。シリーズ全作がディズニープラスで配信されているので予習をするのがお勧めだが、未見であれば「エイリアン」入門作として本作をチョイスしてもよいだろう。

原点回帰、新設定、ドラマ尺…大ファンの映画監督たちが想いを語る!

第1話の冒頭から原点オマージュが炸裂する(写真は『エイリアン』より)
第1話の冒頭から原点オマージュが炸裂する(写真は『エイリアン』より)[c]EVERETT/AFLO

本作の概要を説明したところで、第1話を配信に先んじて鑑賞した4人の映画監督のコメントを紹介し、「エイリアン:アース」の魅力を深堀りしていこう。第1話の幕開けは、ウェイランド・ユタニ社の宇宙探査船マジノ号の船内。薄暗い船内で機器が起動し、コールドスリープから次々にクルーが目覚める冒頭の描写は第1作のオープニングが踏襲されている。船室や機器のデザインのほか船内をとらえたカメラワークやコントラストの強いライティングなど、リドリー・スコットを彷彿とさせる画作りにも第1作へのリスペクトが感じられる。

まずは「恐怖の村」シリーズや、伝説のVシネマ版『呪怨』『呪怨2』の4Kリマスター化公開も話題を呼んだ清水崇監督。異物の侵入によって日常や秩序が壊れゆく様を緻密に描き、ワールドワイドに高い評価を得ている清水監督は「リドリー・スコットの美学と1作目のDNAを受け継ぎ、見事に融合させた興奮の幕開け」と昂ぶりを隠さない。そして、本作の主人公であるハイブリッドのウェンディにも魅せられたようで、ネバーランド研究島で12歳の少女の意識を転送された“子供の心を持った大人”がエイリアンに挑むドラマについても「“エイリアン”シリーズにピーターパンを持ち込むとは!」と驚きを語った。

ハイブリッドのウェンディはどんな方法でエイリアンたちに挑むのか?
ハイブリッドのウェンディはどんな方法でエイリアンたちに挑むのか?[c] 2025 FX Productions, LLC. Courtesy of FX Networks and Hulu

次に紹介するのは、清水監督にその才能を見出され、第2回日本ホラー映画で大賞を受賞し、『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(25)で長編デビューした近藤亮太監督。次世代を担う映像作家として注目される近藤監督は「1話の時点で1作目以来の本格的な『SFホラー』として、未知の生物の悍ましさと、発達したテクノロジーがもたらすグロテスクな未来像が存分に描かれていた。ここからきっと最悪が更新され続けるはず」と、SFとホラーが同じレベルで融合した第1作に通じる原点回帰の世界観を称賛。今後のシリーズに期待を寄せた。

原点回帰でありつつも、ドラマシリーズだからできることに挑戦している(写真は『エイリアン』より)
原点回帰でありつつも、ドラマシリーズだからできることに挑戦している(写真は『エイリアン』より)[c]EVERETT/AFLO

逃げ場のない宇宙での恐怖を描いてきた「エイリアン」シリーズ。本作は地球を舞台にした最初の作品になる。「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」や「東のエデン」、『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(24)など意欲作を次々に発表している神山健治監督は、「地球を舞台にエイリアンがどういった恐怖を人類にもたらすのか?最初にエイリアンを映画館で見た直後に思い描いた妄想がようやく実現する」と、かつてない展開に期待を寄せる。宿主の体内に植え付けられたエイリアンの恐怖を描いてきた本シリーズだが「地球サイドに用意された意外な設定が、生身の宿主を必要とするエイリアンとどう対峙していくのかが倦怠感を払拭してくれるはずだ」と、ハイブリッドとエイリアンの化学反応にも注目しているという。

ハイブリッドたちは「ピーター・パン」から引用され名付けられている
ハイブリッドたちは「ピーター・パン」から引用され名付けられている[c] 2025 FX Productions, LLC. Courtesy of FX Networks and Hulu


スピンオフを含め9作を数える「エイリアン」シリーズ。10作目となる本作は、初のドラマシリーズだ。ポン・ジュノ監督に師事し、ディズニープラスのドラマシリーズ「ガンニバル」など濃密な人間ドラマで定評のある片山慎三監督は、“地球を舞台にしたエイリアン”だけでなく、不老不死という未知の領域に踏み込んだ物語にも惹きつけられたという。「不死の力を得たウェンディがエイリアンとどう対峙していくのか。本当の意味で恐ろしいのはエイリアンか?人間?AI?サイボーグ?ドラマという尺でしか描けない、深さを期待して魅入ってしまいました」といい、今後の展開が楽しみで仕方ないと期待の高さを語った。

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