鈴鹿央士&山田杏奈が新時代の“人魚姫”の物語『ChaO』に自信たっぷり!「いろいろな国の人たちに伝わるって、すごく夢がある話」
「ずっと楽しみにしていたものを圧倒的な美しさで観ることができて感動しました」(山田)
――鈴鹿さんと山田さんはドラマ「MIU404」以来の共演になりますね。
鈴鹿「5年ぶり?時間が経つのは早い…」
山田「ドラマの中では高校生の役で、イタズラ電話してたねって、さっきも話していました(笑)。今回アフレコの現場では会えなかったんですけど、共演したことのある央士くんと一緒にチャオとステファンの関係性を作っていけるんだなと思うと、すごく心強かったですね」
鈴鹿「よかった(笑)。僕も杏奈ちゃんがいろんな作品に出ているのを観ていて。『ゴールデンカムイ』とか、あぁ、すごいなぁって。『ChaO』の取材日に久しぶりにお会いして、落ち着いているけど、無邪気な明るさがあるところは、僕の記憶の中のあのころと変わっていないなと思いました」
山田「ありがとうございます。あんまり変わっていないと思う」
鈴鹿「いい意味でね!」
――完成した本作を初めてご覧になった時の感想はいかがでしたか?
鈴鹿「すごかったです。アクションシーンもたくさんあって。水しぶきや海の描写とか、映画館で体感するのにぴったりですよね。街の背景美術もすごく細かいから、もう一度大きいスクリーンで、この世界を細かいところまでじっくり観たいなと思いました」
山田「アフレコ中から、すべてのシーンが完全につながったらどうなるのかな?と、ずっと楽しみにしていたものを圧倒的な美しさで観ることができて感動しました。色遣いが本当にすばらしくて。あとクライマックスのステファンのアクションシーンは、私も全然知らなかったので、すごくおもしろかったです。ワクワクした!」
「大切なことがたくさん詰め込まれている作品。日本の人にも海外の人にもきっと響くはず」(鈴鹿)
――アヌシー国際アニメーション映画祭で高い評価を受けた本作は、今後、世界各国でも公開されることになると思います。世界中の多くの観客が本作を鑑賞することへの想い、伝えたいメッセージなどを聞かせてください。
鈴鹿「『ChaO』はとても長い年月をかけてつくられた作品で。制作チームのみなさんが物語やキャラクターデザインをじっくり考えて、1枚1枚の画の本当に細かいところまでこだわり抜いた結果が、今回のアヌシーの審査員賞につながったと思います。国境を越えて、いろいろな人に届く作品だということが証明されたから、いまはもうできるだけたくさんの人に観てもらえたら幸せです」
山田「海外で評価されるというのは、本当にすばらしいことで、想像もつかないくらいの時間を費やして制作された作品に参加させていただくことができてよかったなぁという想いでいっぱいです。アニメって、日本にとって大事な文化のひとつですよね。それが、様々なバックグラウンドを持つ、いろいろな国の人たちに伝わるって、すごく夢がある話だと思います。『ChaO』は人間と人魚の物語ですけど、人間同士でも、ほかの生き物でも、異なるものが一緒に生きていくということを考えさせてくれる作品だと思いました」
鈴鹿「同じ国に住んでいても、いろいろな人種の人たちがいて、それぞれのルーツを持っている。それは海外の人にとっても、なじみのあるテーマだと思うので、そういう部分でもなにかしら届くものがあったんじゃないかな。ほかにも『必要なものだけあればいい』と言っていたチャオの“足るを知る”という考え方とか、大切なことがたくさん詰め込まれているから、日本の人にも海外の人にもきっと響くはず。響け―!と願っています(笑)」
取材・文/石塚圭子