古い団地に原因不明の騒音が鳴り響く…韓国で話題のホラー『層間騒音』10月10日に日本公開
原因不明の騒音が鳴り響く、古い団地を舞台にした韓国発のホラー『層間騒音』が10月10日(金)に公開。ティザービジュアルが完成した。
“ドン、バタン、カタカタ”といった日常生活で聞こえる何気ない生活音が、もし音の発信源がわからず、得体のしれない恐怖も伴う音だとしたら?「層間騒音(そうかんそうおん)」という言葉は、集合住宅で上下階から聞こえてくる、足音、話し声、ドアの開閉音、家電製品の音などのような生活音を指す韓国の言葉である。本作は今年6月に韓国で封切られ、公開と同時に口コミが爆発的に広がり、3週連続第1位を獲得するなどいまなお盛大な集客ぶりを見せている(7月30日現在)。ジャンル映画に特化し、世界的権威のある第57回シッチェス・カタロニア映画祭のアンヘル・サラ・コルビ芸術監督から「今年最高のジャンプスケア」と評され、ほかにも「『仄暗い水の底から』の再来」、「韓国ホラーの新たなマスターピース」という高評価を得ている。
監督を務めたキム・スジンは、ミジャンセン短編映画祭「4万回の殴打」部門での最優秀作品賞の受賞歴を持つ実力派で、『哭声/コクソン』(16)、『コンジアム』(18)の音響監督を務めたパク・ヨンギがかつてない身の毛のよだつサウンドを生み出した。聴覚障がいのある主人公ソ・ジュヨンを演じるのは、ドラマ「ジャガイモ研究所」のイ・ソンビン。行方不明の妹を探すうちに、不可解な騒音が齎す恐怖と対峙するという難役を演じ切った。同じく団地の騒音に悩まされている怪しい隣人には、Netflixで配信中の大ヒットドラマ「未知のソウル」で注目を浴びたリュ・ギョンスが演じている。
ある日、聴覚障がいを持つソ・ジュヨンは、妹のジュヒが突然失踪したと知らされる。以前2人は一緒に暮らしていたものの、ジュヒは騒音が聞こえると言い始め、ジュヨンには補聴器を付けてもその騒音が聞こえず、食い違いから喧嘩へと発展し、疎遠になっていたのだ。
ジュヒが住んでいた団地の部屋に入ると、天井にはびっしりと防音シートが敷き詰められていた。直後に尋ねてきた隣人から、「夜は静かにしてもらえますか、これ以上うるさくしたらその口を裂く」と脅される。しかしジュヒが失踪したあとの部屋には誰もいない。妹が見つかるまで団地の部屋に泊まることにしたジュヨンにも、補聴器を介して奇妙な音が聞こえ始める。やがて音だけでなくなにかの存在も感じるようになり…。これらは、妹の失踪に関係しているのか、それとも?
今回完成したティザービジュアルには団地の玄関ドアが一面に写しだされており、「お願いです 静かにしてください」と太い赤字で不穏な殴り書きがされている。さらにそこには何枚も紙が貼られており、「うめき声うるさい」や「足音やめろ」、「私の言葉が冗談に聞こえますか。なぜ私の話を聞いてくれないのですか」といった文字も並んでいるなど、目を疑うような凄惨な光景が確認できる。失踪した妹の部屋で起きた異変についてヒントを示したデザインに仕上がっており、ほかの住民にも不快な影響を与えていた事が一目でわかる。
あわせて届いた場面写真には、主人公ジュヨンが、少しだけドアを開けて、団地の廊下をそっと覗くシーンが捉えられており、不気味な雰囲気が体感できる。なお、スジン監督は脚本執筆中と撮影中に突然物が倒れる心霊現象や不可解な音を聞いたと証言している。撮影現場でも怪奇現象が起きた“怖音体験”をぜひ映画館で追体験してほしい。
文/平尾嘉浩