『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』で“家族”の絆を体現した人気声優たちに直撃!「もし持てるなら、どんな特殊能力がほしい?」
「ヒーロー然とするのではなく身近なおじさんが頑張ってる感じで演じた」(子安)
――キャラクターの特徴とか特別な家族感を吹替版でどう表現したのでしょうか?
子安「演出のなかで、響きがあって圧がある僕の個性みたいなところを封印することになりました。ペドロさんの音質が中音域なので、なるべくそのあたりの音で。渋いイケオジのビジュアルに合わせて声を低くしないでくれ、ということでした。ペドロさん自身すごく繊細なお芝居をしていて、ヒーロー然とするのではなく身近なおじさんが頑張ってる感じで演じています。そのあたりは僕もできるだけ汲み取って自分で『こうだ』というお芝居を提示して、そこからコミュニケーションを取りながら直していく感じでした。だから僕のお芝居がとてもよかったとしたら、僕じゃなく監修のおかげ。僕の芝居がイマイチだとしたならば、それも彼らのせいですね(笑)」
林「特にリーダーは軸だから大変ですよね」
坂本「私は子安さんのリードと、夫婦2人で話すシーンが多かったんです。それ以外では大勢の前で演説したり、キリッとした部分があるなかで、夫婦という最もプライベートな会話の部分は少しだけスーもリラックスしたムードになるんです。ですから夫婦の会話はプライベートな部分が垣間見える、力の抜けた感じが出たらいいなと思いながら演じました」
岩崎「子安さんがおっしゃっていたことに通じるんですが、僕もボイステストの時は『なるべく軽く』という部分を意識しました。ビジュアルの力強いイメージに引っ張られないよう、もっと軽く、高くという部分に最初は少し戸惑いました」
林「僕もそれずっと感じてましたね」
岩崎「ですから作品の世界観に入り込むより、オリジナルキャストの方たちがどうお芝居を成立させているのか、そこに向かっていった感じです。ボイステストの時に『ちょっとスモーキーな感じがあってもいいですね』と言われて。テストをしてみて、『もうちょっとしゃがれた感じがいいですか?』と聞いたら『十分カスカスなんで、大丈夫です』と(笑)。
坂本「カスカスなのかーい(笑)」
岩崎「でもそれでちょっと緊張がほぐれた部分もありました。みなさん素敵なお芝居をしてくださっているので、そこに向かっていくことを第一に、そして日本語にした時の違和感をどうなくしていくか、みたいな部分でトライしていった気がします」
林「本国の役者さんがすごく素敵な方ですし、あまり背伸びしないでその人物がちゃんと存在しているような感じで僕はやりましたね。変に誇張もせず、その場所にいることを自分なりに噛み砕いて、監督さんと相談しながら収録したってところです」