『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』で“家族”の絆を体現した人気声優たちに直撃!「もし持てるなら、どんな特殊能力がほしい?」
数々の個性派ヒーローたちを描き上げ、映画界を席巻してきたマーベル・スタジオの最新作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が公開中だ。本作は、特殊な能力を持つ4人のヒーローが、地球を守るために立ち上がるエンタテインメント超大作。身体がゴムのように伸縮自在で、卓越した知性と発明の才能を持つチームのリーダー、ミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズ(ペドロ・パスカル)に、リードのパートナーで、身体を透明化させたり目には見えないパワーを操るインビジブル・ウーマン/スー・ストーム(ヴァネッサ・カービー)、スーの弟で、全身を炎に包み、高速で空を飛べるヒューマン・トーチ/ジョニー・ストーム(ジョセフ・クイン)、そしてリードの親友で、岩のような強固な身体と怪力の持ち主であるザ・シング/ベン・グリム(エボン・モス=バクラック)が登場。
スケール感あふれるアクション&スペクタクルはもちろん、固い絆で結ばれた4人の“家族のドラマ”も見どころだ。そこで4人のヒーローたちの日本版声優を担当した子安武人、坂本真綾、林勇、岩崎正寛による座談会を実施!役に込めた想いから収録時の裏話まで、「ファンタスティック4」の魅力を語ってもらった。
「特別感があるチームではなく、どこにでもある普通の家族」(子安)
――本作はヒーローが活躍するだけでなく、家族のような4人の関係性にもスポットが当てられていますね。
子安「“ファンタスティック4”は特別感があるチームではなく、いたって平凡といいますか、どこにでもある普通の家族なんですね。隣のおじさんとか、あそこの家の子どもとか、そんなレベルで、そこがこの作品のよさでもあると思います」
坂本「4人はある事故で特別な力を持つんですが、みんな普通の人間の部分を持ったままひとつのチームとして世界を守っているんです。足りないところはみんなで補いあいながら戦うんですね」
岩崎「普通の人たちがヒーローになる、そういう運命を背負ってしまう部分を丁寧に描いた作品ですね。戦闘シーンはもちろんすごいんですが、それ以上に人の機微を深く描いた作品で衝撃を受けました」
「口には出さないけれど、根底に強い愛情を持ったキャラクター」(林)
――みなさんが演じたキャラクターを紹介してください。
子安「僕が演じたリード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック)はチームのリーダーなんですが、完全無欠なヒーローではなくいたって普通のおじさんです。悩むし、不器用で未熟と、ヒーローと呼べるのか…と思えるくらいの人物。観ていて大丈夫か?と思うんじゃないでしょうか。頭はいいけどほかはダメじゃん!みたいなリーダーをペドロ・パスカルが絶妙なさじ加減で、人間味のあるキャラクターとして演じています」
坂本「私の演じたスー・ストーム(インビジブル・ウーマン)はチームの紅一点で、ちょっと繊細な夫リードと若くてやんちゃな弟と、あとは…ただの友達?(笑)」
岩崎「ただの友達…ね(笑)」
坂本「見た目がすごく変わってしまった友達ベンに対しても、孤独を感じないよう配慮する優しさを持った懐の深い女性です。もともと強さや冷静さを持った女性だと思いますが、さらにフランクリンという子どもを持つことで母親の視点が加わるんです。そのことでどう変わるのか、変わらないのか、みたいなところもおもしろいなと思いながら演じました」
岩崎「僕の演じたベン・グリム(ザ・シング)は力強そうな見た目で、頑強、硬いイメージがありますが、そのなかに柔らかさみたいなものを感じさせるキャラクターだなと思います。あとは自分を含め、4人の仲間が本当に人間くさく日常を送っている所をすごく意識しながら演じさせていただきました」
林「僕の演じたジョニー・ストーム(ヒューマン・トーチ)は陽気なムードメーカー的キャラクターです。本当の家族ではないですが、家族の形でいえば末っ子気質みたいなところがあるんです。義兄のリードに対してもお兄ちゃんというより、優しい親戚の叔父さんみたいな感じで接しています」
子安「結構リードをなめてたよね(笑)」
林「そうなんですよね(笑)。なめてるように見えてしまうんですけど、めちゃくちゃ甘えてるんだと思うんです。このあたりは映画を観てみなさんそれぞれ感じていただきたいですが、みんなそれぞれ優しさを持っているから、たぶんジョニーはそれぞれにいい意味で甘えちゃっている。なにかを預けても、なにかしら受け止めてくれるみたいな安心感があるなかで、家族として過ごしているように感じています。彼は普段からチャラチャラしてますが、心の底にある想いを素直に言うタイプじゃないんでしょう。でも窮地に陥った時に彼の肝にあるものが見えてきて、普段とのギャップというか幅の広さを感じさせるシーンもあったりするんです。口には出さないけれど、根底に強い愛情を持ったキャラクターだと思いました」