“原点回帰”をキーワードにルパン、次元、五ェ門、不二子、銭形の試練を描いてきた「LUPIN THE IIIRD」!最新作『不死身の血族』に至るシリーズをプレイバック
少年相手に振り回される峰不二子が不気味な難敵に立ち向かう「峰不二子の嘘」
シリーズ第3弾「峰不二子の嘘」では、己の欲望に従い、時にルパンたちを利用し、翻弄してきた峰不二子に絶体絶命の危機が迫る。心臓が弱い息子ジーン(声:半場友恵)の手術費用のため、会社から5億ドルを横領した会計士のランディ(声:小原雅人)。その金をねらう不二子はメイドを装って親子に近づいていた。しかしそこへ、会社側が放った刺客が現れる。刺客の一人、ビンカム(声:宮野真守)に追い詰められたランディは息子を不二子に託し、隠れ家と共に自爆してしまう。唯一、金の在り処を知っているジーンと逃避行を続ける不二子。情報を聞きだそうとするが、父親の敵討ちに固執するジーンは金と引き換えにビアンカに復讐してほしいとルパンに依頼する。
抜群の美貌を武器に大勢の男を惑わしてきた不二子だが、少年ジーンにはその色香も通用しない。思い通りに事が進まず振り回される姿が新鮮だ。そんな2人の脅威となるのがビアンカ。普段は拘束具を付けられ、隔離された部屋で鎖につながれているなど見るからにヤバイ奴で、戦闘能力が高いだけでなく、どこからともなく砂嵐を巻き起こし、「我が呪いにかかれ」の言葉と共に相手を催眠状態にして操る怪しい術も使ってくる。機械的に雇い主の命令に従うだけだったが、不二子に執着するなどだんだんと人間らしい一面も見せ始める。対する不二子はジーンを説得して金を手に入れていた。このまま一人で逃げることもできるなか、約束を果たすためかあえてビンカムに立ち向かっていく。
己の正義を貫く銭形警部が泥臭くもかっこいい「銭形と2人のルパン」
「銭形と2人のルパン」は極寒の地、ロビエト連邦を舞台に、己の正義を貫く銭形警部のハードボイルドストーリーが展開される。ルパンを追ってロビエトに向かった銭形は、空港に降り立ったところで爆破テロに巻き込まれる。その直後、逃げ去る犯人を目撃するが、なんとその人物はルパンだった。一方、対立関係にあったアルカ合衆国との軍縮条約の調印式が控えていたロビエト政府。ルパンをアルカ合衆国のスパイであると断定し、国家保安委員会に殺害命令が下される。国家保安委員会から邪魔をするなと言われながらも独自に捜査を進め、ついにルパンを捕らえた銭形。テロ事件について激しく問い詰めるが、彼から“もう一人”のルパンがいることを聞かされる。
もう一人のルパン(声:堀内賢雄)は特に変装をしているわけではなく、姿形がルパンそのもの。行動原理など謎の多い人物だが、裏でロビエト連邦の最高指導者ブレーリン(声:壤晴彦)とつながり、条約締結を阻止するために爆破テロを行っていた。執念で真相を突き止めようとする銭形は、ルパンとなし崩し的に協力関係になっていく。警察官としての職務に忠実で、相手が誰であっても罪を償わせようとするその愚直の姿は泥臭くもかっこいい。ルパンの無実を信じる彼に対し、「ほかの警察とは違う」と語るルパンの言葉からは、警察と泥棒、敵対関係にありながらどこか認め合っているのちの関係性を感じさせる。