『罪人たち』がついに日本上陸!ライアン・クーグラー監督が本作に込めた想いを語る「FILMMAKER'S STATEMENT」全文公開

『罪人たち』がついに日本上陸!ライアン・クーグラー監督が本作に込めた想いを語る「FILMMAKER'S STATEMENT」全文公開

北米で“現象級”の大旋風を巻き起こしたライアン・クーグラー監督の最新作『罪人たち』(公開中)が、とうとう日本上陸。そこで本稿では、『クリード チャンプを継ぐ男』(15)や「ブラックパンサー」シリーズなどで知られるクーグラー監督が、どのような想いを胸に本作を創りあげたのかがわかる、プレス資料に掲載された「FILMMAKER'S STATEMENT」全文を紹介したい。

本作の舞台は1930年代、信仰深いアメリカ南部の田舎町。双子の兄弟であるスモークとスタック(マイケル・B・ジョーダン/一人二役)は、故郷で一攫千金の夢を賭け、当時禁じられていた酒や音楽を振る舞うジュークジョイント(ダンスホール)をオープンする。その初日の夜、多くの客たちが宴に熱狂するなか、“招かれざる者”たちが現れ、一瞬にして理不尽な絶望へと飲み込まれていく。

4月に公開を迎えた北米では、過去10年で公開されたオリジナル作品として最高のオープニング興収を記録し、週末興収ランキングで2週連続No.1を獲得。また、ホラー映画として異例の高評価を獲得し、すでに来年のアカデミー賞の有力作品として注目を集めているほど。公開から2か月経った現在も興収ランキングのトップ10圏内に君臨しつづけ、すでに北米累計興収は2億7500万ドルを突破している。

【写真を見る】「私からのラブレター」ライアン・クーグラー監督が、映画体験の原初とホラーへの愛を語る!
【写真を見る】「私からのラブレター」ライアン・クーグラー監督が、映画体験の原初とホラーへの愛を語る![c]2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

「映画を観ることは、“共同体験”」

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<FILMMAKER'S STATEMENT>

「映画についての私の最初の記憶は、見ず知らずの人がたくさんいる真っ暗な部屋のなかに座り、スクリーンに映しだされる出来事に恐怖を抱いたということでした。他者との一体感、恐怖や喜び。この感覚は、私に故郷を感じさせてくれる、“はじまりの場所”のようなものでもあります。

スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』はホラーに分類される作品ではありませんが、観た人にどんなシーンを覚えているかと訊ねると、誰もがT-レックスに追いかけられるシーンやヴェロキラプトルが歯を使ってドアを開けるシーンを挙げるでしょう。これらは恐ろしい瞬間であり、忘れられない瞬間です。また、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』やジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』が、私にとってホラーと呼べる作品です。

ほぼ全編、心を震わす音楽に彩られており、映画館の極上の音響で味わいたくなるはず
ほぼ全編、心を震わす音楽に彩られており、映画館の極上の音響で味わいたくなるはず[c]2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

私の好きな映画監督たちは皆、観客の意識に消えることのない痕跡を残してくれました。多くの場合、そうしたものがある作品こそが、時代を超越する作品になる。物心ついた頃からホラーが大好きだった私は、いつか自分でそれを作ることが待ち遠しかった。好きだった映画を掘り下げ、分析し、いったいなにが私を惹きつけたのかを探っていく。そうしながら、自分の物語を語る方法を見出してきました。

ホラーは一般大衆の心に響き続けるジャンルであり、同時に映画という偉大な芸術について触れる際にも話題に上がることがあります。それは古き良き時代を感じさせてくれるものだから。きっと我々が焚き火を囲みながら最初に語った物語は、ホラーだったことでしょう。

マイケル・B・ジョーダンは双子の兄弟スモークとスタックを一人二役で好演!
マイケル・B・ジョーダンは双子の兄弟スモークとスタックを一人二役で好演![c]2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

『罪人たち』は、映画館に行くこと、映画好きであること、大勢の観客と一緒に映画を観ることすべてに対する私からのラブレターです。映画を観ることとは“共同体験”です。この映画は、知らない人たちと一緒に観るために作られたものなのです」

ライアン・クーグラー(監督・脚本・製作)
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盟友マイケル・B・ジョーダンとのタッグで知られるライアン・クーグラー監督
盟友マイケル・B・ジョーダンとのタッグで知られるライアン・クーグラー監督[c]2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

先日、あのトム・クルーズが『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(公開中)のプロモーションの合間を縫って劇場で鑑賞し、SNSを通して「絶対に映画館で」と全世界に発信したことでも大きな話題を集めた本作。IMAX70ミリフィルムカメラとウルトラ・パナビジョンカメラを組み合わせて撮影され、まさに映画館で観るために作られたといっても過言ではない圧倒的な映像を、ぜひ劇場で堪能してみてほしい。


文/久保田 和馬

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