『ヒロイン失格』から最新作『君がトクベツ』まで、全女子の心を掴む!?幸田もも子作品の魅力
面食いを封印した黒髪メガネの陰キャ女子と国民的アイドルとの偶然の出会いから始まる恋を描いた『君がトクベツ』(公開中)。畑芽育となにわ男子のリーダー、大橋和也のW主演で贈る本作は、もしも憧れの芸能人と知り合いになれたら…という、誰もが一度は思い浮かべたことがある妄想(?)を具現化したような胸キュンラブストーリーだ。
原作者はこれまでに数々の大ヒットコミックを生みだし、「ヒロイン失格」以降、すべての連載作品が実写映画化されている人気漫画家、幸田もも子。多くのファンを夢中にさせてきた幸田作品のおもしろさとはなんなのか?過去に映画化された作品を紹介すると共に、最新作『君がトクベツ』の見どころとあわせて、幸田作品の魅力を紐解いてみたい。
自称ヒロインが運命の恋を手に入れようと奮闘する『ヒロイン失格』
まず、幸田もも子の出世作といえば、2010年から2013年にかけて別冊マーガレット(通称:別マ)で連載された「ヒロイン失格」。「東京リベンジャーズ」シリーズの英勉監督、桐谷美玲、山崎賢人、坂口健太郎というキャスト陣で、2015年に幸田作品としては初の実写映画化が実現した。幼なじみの寺坂利太(山崎)といつか結ばれるはずだと余裕をかましていた女子高生の松崎はとり(桐谷)は、利太の彼女になった、ぽっと出の王道ヒロイン、安達未帆(我妻三輪子)をライバル視。学校一のモテ男、弘光廣祐(坂口)からのアプローチに揺れつつ、“邪道ヒロイン”の道を突き進む。
恋に恋するヒロインの先生との恋の行方を描く『センセイ君主』
「ヒロイン失格」のあと、2013年から2017年まで別マで連載された『センセイ君主』は、『君の膵臓をたべたい』(17)の月川翔監督によって映画化。主演は竹内涼真と浜辺美波。告白7連敗中の女子高生、佐丸あゆは(浜辺)は、代理の教員として学校にやって来た超イケメンでヒネクレ者の数学教師、弘光由貴(竹内)を好きになり、全方向に間違った恋の猛アタックを開始する。本作のヒーロー、難攻不落の弘光先生は「ヒロイン失格」に登場する廣祐のお兄さんという同じ世界線の設定もファンをワクワクさせた。
学校イチの王子様をめぐり、恋と友情がぶつかり合う『あたしの!』
2024年11月公開の『あたしの!』は、2017年から2018年まで別マで連載された同名作品(2019年に番外編も発表)の映画化。監督は本作で商業映画デビューした横堀光範。出演は日向坂46の元メンバー渡邉美穂、INIのリーダー木村柾哉、=LOVEの元メンバー齊藤なぎさ。まっすぐで、思い立ったら即行動の女子高生、関川あこ子(渡邉)と、大人しく見えて案外計算高い谷口充希(齊藤)は、タイプはまったく違うけれど、小学校からの親友同士。学校の王子様、御共直己(木村)を好きになった2人が、恋のバトルを繰り広げる。