絶滅危機の人間、進化するマリガン…『JUNK WORLD』ともつながる前作『JUNK HEAD』のカオスな世界観をおさらい
生殖機能を持たない人類は絶滅寸前!
キャラクターたちが話す言葉も堀監督オリジナルの架空言語となっているなど(『JUNK WORLD』は日本語字幕付きの“ゴニョゴニョ版”と日本語吹替版で公開)、現実とはかけ離れた世界観がユニークな本作。
環境破壊を続けたことで地上に住めなくなった人類は、マリガンとの争いに加え、正体不明のウイルスに襲われるが、そのウイルスを利用した遺伝子操作により永遠と言える命を手に入れる。しかしその代償として生殖能力を失ってしまい、さらなる新種のウイルス感染により絶滅寸前に。
そんななか、変異したマリガンに生殖器らしきものを見つけたことから、種の存続のため未知なる地下へと足を踏み入れていく。その冒険を描いたのが1作目の『JUNK HEAD』だった。
人類に反乱し独自の進化を遂げた“マリガン”とは?
そんな地上の人類に対抗する存在として描かれているのが、人類に創造されたマリガン。用途別に6種類が創られた彼らは、管理のために生殖機能も視力(一部を除き)も与えられなかったが、AG2343年に“生命の木”と呼ばれる樹状変異体が突如誕生したことをきっかけに急激な進化を遂げてきた。
生殖機能はないが男女のような形態の違いがあり、また地域によって生態に差異があったりと、人間のような文明を発展させてきたマリガン。味方同士による大きな争いは少ないが、異形の変異体が差別されたり、また凶暴な野生種は駆逐されたりと広大な地下の世界で独自の社会を構築してきた。『JUNK HEAD』では主人公と協力する者もいれば、襲いかかる者、だます者もいたりと多彩なキャラクターが登場した。
突然変異によって誕生した“生命の木”
この急激な進化のきっかけとなる“生命の木”は、マリガンが死の際に樹木化し、マリガンの種子を実らせることで新たなマリガンを生みだす存在。さらにそのなかのいくつかがまた新たな母体になるという生命サイクルを担っている。しかし過酷な環境で育つ母体の木からは凶暴な変異体が生まれる確率が高く、そういった個体は発見次第、殺処分されている。
マリガンが団結した聖地“カープバール”
この生命の木が誕生した都市がカープバール。最初にマリガンが決起したこの場所は核廃棄物が多かったため、突然変異が発生し、この異常現象のせいでゴーストタウンとなってしまった。『JUNK WORLD』では、異変が起きたカープバールを目的地とした物語が繰り広げられていく。