キム・ゴウン&ノ・サンヒョンが来日『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』日本での反応に期待大!司会は「本作に感銘を受けた」上白石萌音が笑顔で登壇
映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(6月13日公開)の舞台挨拶付きプレミア上映会が6月5日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、キム・ゴウン、ノ・サンヒョン、イ・オニ監督が出席。メンバーの来日と映画の到着を待ち侘びていた会場から大きな拍手を浴び、本作に込めた想いを明かした。またこの日のMCは、「本作に感銘を受けた」と俳優で歌手の上白石萌音が務め上げた。
世間のルールに縛られず、自由奔放に生きるエネルギッシュなジェヒと、ゲイであることを隠し、孤独と向き合う日々を送っていたフンス。正反対とも思える2人が出会い、次第にかげがえのない存在となっていく姿を描く。大ヒットドラマ「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」に出演、映画『破墓/パミョ』(24)で高く評価され、「百想芸術大賞」 映画部門女性最優秀演技賞を受賞したキム・ゴウンがジェヒ役を、「Pachinko パチンコ」に出演して存在感を発揮した新鋭俳優、ノ・サンヒョンがフンス役を演じた。
まず上白石が壇上に姿を見せ、「本日、司会を務めさせていただきます上白石萌音です」と挨拶すると、会場からどよめきと驚きの声が上がった。上白石は「皆様よりひと足お先に映画を拝見して、いたく感銘を受けた観客の一人です。いろいろなご縁が重なって今日、司会というお役目を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いいたします」と笑顔を見せ、イベントがスタート。上白石がキム・ゴウン、ノ・サンヒョン、イ・オニ監督を呼び込むと会場から歓声が沸き起こり、登壇者もうれしそうな笑顔で手を振って応答。上白石は「皆様、ようこそ日本にお越しくださいました」と韓国語を交えながら歓迎の言葉をかけ、「今日はお三方にお会いすること、映画を観ることを楽しみになさっていたファンの皆さんがこんなに集まっておいでです。皆さん、会いたかったですね」と呼びかけて、会場を盛り上げていた。
キム・ゴウンは「昨年に続いて、今年も私が出演した作品を紹介することができて光栄に思っています。今日はこの時間、皆さんと一緒に楽しみたいと思います」と来日の感想を語り、ノ・サンヒョンはスマホを見つつ、はにかみ笑顔で「こんばんは。初めまして、フンス役のノ・サンヒョンです。お会いできてうれしいです」と日本語でコメント。観客から大きな拍手を浴びた。イ・オニ監督は「すばらしい、美しい、誇らしい俳優さんをじっくりと鑑賞することができますので、ぜひ映画を堪能していただきたい」と晴れやかな笑顔で俳優陣を称えていた。
「お2人とも幅広い作品、幅広いお役を届けてくださいます。今回の作品に出演を決める時には、どのような想いでしたか?」という上白石の問いかけに、キム・ゴウンは「初めて脚本を読んだ時にその場に座ったまま、短い時間でさっとすべて読んでしまいました。こんなに楽しい、おもしろい作品があるのであれば早く作られてほしいという気持ちが強かったです」と当時の興奮を回想。脚本を読んだのは「撮影の2年以上前」だそうで、「制作されるまでたくさんの時間がかかって、紆余曲折がありました。それほど、私たちにとって、とても大切で貴重な作品です」と心を込めた。ノ・サンヒョンも「本当におもしろいシナリオだなと思いながら読むことができました」と大いに惹かれたといい、「このお2人を信じていました。このお2人と一緒にお仕事ができるということも、出演の決め手となりました」と待望のタッグになったと話していた。
続いて上白石は、「映画では、主人公たちの20歳からの13年間を描いています。ご自身はどのような20代を過ごされましたか?」と質問。キム・ゴウンは「私の20代は、まず一生懸命大学に通っていました。誠実に大学に通って、模範的な学生として頑張っていました」と切り出し、「その後、22歳でデビューしてからは、皆さんにも観ていただいた作品にも出演できるように頑張っていました」と奮闘した道のりを述懐。上白石が「大学に通われていた20歳のころとジェヒを比べると、どうですか?」と尋ねると、キム・ゴウンは「ジェヒほどはたくさん遊べなかったので…その点は残念に思います」と茶目っ気たっぷりに笑い、さらに上白石は「映画で(ジェヒを通して)擬似体験されたところもあったんですね」と続けた。キム・ゴウンはうなずきながら「この作品には、たくさんのクラブのシーンが出てきます。盛り上がって、ワイワイ騒いで遊びまくっています」と楽しそうに声を弾ませていた。
ノ・サンヒョンは「様々な経験ができたと思います。大学に通い、お仕事も始めて、モデルの仕事や演技もしていました。軍隊にも行ってきたんです。多様な経験をしながら、楽しく紆余曲折のある人生を過ごしていました」と穏やかに微笑む。上白石は「フンスを演じるにあたって、ご自身の20代を思い出されるようなことはありましたか?」と問いかけ、ノ・サンヒョンは「正確にはどういった経験ということはなかなかあげられませんが、私自身も似たような混乱を抱えていたこともありました。アメリカに長い間住んでいて、アイデンティティについて悩んだこともありました。そういう経験のおかげで、フンスの混乱ぶりも少し理解できたような気がします」と誠実にキャラクターに向き合った過程を明らかにした。2人の役への想いを耳にした上白石は、「お2人のお芝居を超えた、リアルな感情が映っていたように感じました」と称賛。イ・オニ監督は「失敗を恐れながら、過ごしていたような気がする」と20代を振り返り、「この作品、そしてジェヒとフンスを通して、心残りだった自分の20代を取り戻そうとするような意欲も込めて、この映画を作りました」と告白していた。
映画にはジェヒとフンスの輝くような関係が刻まれている。イ・オニ監督は「お互いを理解している関係のようにも見えますが、お互いを通じて、自分自身を知る関係だったと思います」と2人の関係性について言及。2人のやり取りでお気に入りのシーンに話が及ぶと、キム・ゴウンは「最後のあたりで、ジェヒとフンスが登場するシーンがあるんです。そのシーンを観ていただければ、この映画を観てよかったなと思っていただけると思います」とネタバレを気にしながらオススメ。ノ・サンヒョンは「大親友だからこそ、何度か衝突もあります。激しくケンカするシーンは、とても印象に残っている」そうで、「2人の関係性をうまく表現してくれているシーンだと思います」と説明した。それらのシーンを思い起こした上白石は、「私もそう思います!早く共有したいです」とはやる気持ちを吐露。「映画が始まって最初のシーンから、一番最後のカットまで本当に最高なので、皆さん、楽しんでいかれてください」と熱を思い切り込めながら「すみません。ファンです」と素直に打ち明け、会場の笑いを誘っていた。
終了の時間になると、会場からも「ええー!」と名残惜しそうな声が上がるなど、熱気あふれるひと時となったこの日のイベント。イ・オニ監督は「皆さん、この映画をどんなふうに観ていただけるのか。ご自身の人生とどんなふうにつなげて観ていただけるのかとても楽しみです」と期待。再びスマホを取りだしたノ・サンヒョンは、「今日はお越しいただき、ありがとうございます。映画、楽しんでください。そして心が温かくなる1日になったらうれしいです」と日本語で願いを込め、キム・ゴウンは「こうして皆さんにお会いすることができて、心からうれしく思っています」と改めて観客に感謝。「この映画をどんなふうに観ていただけるのかワクワクしていますし、期待もしています。肩の力を抜いて、気楽な気持ちで観てくださったらうれしいです」とメッセージを送っていた。
取材・文/成田おり枝