「結局、世の中見た目?」ゆりやんレトリィバァが赤裸々に語る、SNSでの批判と『サブスタンス』から得た“活力”

インタビュー

「結局、世の中見た目?」ゆりやんレトリィバァが赤裸々に語る、SNSでの批判と『サブスタンス』から得た“活力”

昨年末よりロサンゼルスを拠点に活動する、コメディアンのゆりやんレトリィバァ。フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」では選考委員を務めるなど、かなりの映画好きとしても知られる彼女が、自身のポッドキャスト番組で日本公開前から「サイコーすぎる」と興奮ぎみに語っていたのが、現在公開中の『サブスタンス』だ。

ポッドキャスト内でも「『サブスタンス』の魅力を伝えたい!」と明かしていたゆりやんに、PRESS HORRORがリモートインタビューを申し込むと快く応じてくれた。自身の夢として“アカデミー賞受賞”を掲げ、単身アメリカのショウビズ界に挑んでいる彼女は本作になにを感じたのか。笑顔の裏に隠した、赤裸々な本音を語った独占インタビューをお届けする。

なお、本記事に『サブスタンス』の直接的なネタバレは含まれていないが、発言中には作品の展開に触れる部分もあるためご注意いただきたい。

1990年代ハリウッドを代表するトップスター、デミ・ムーアがキャリア初のゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)に輝き、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた『サブスタンス』は、年齢による容姿の衰えから仕事が減少した元人気女優のエリザベス(ムーア)が、危険な再生医療に手を染め、自身の若くよりよいバージョンである“スー”(マーガレット・クアリー)を産みだしてしまい、次第に狂気に染まっていく姿を描く。その予想不可能なストーリー展開と衝撃的なクライマックスで世界中の映画ファンを魅了した本作は、先日公開された国内でも賛否両論が飛び交う反響を巻き起こしている。

「おもしろすぎて、ワクワクゾクゾクしっぱなしの映画体験でした」

コメディアンのゆりやんレトリィバァ
コメディアンのゆりやんレトリィバァ

――本作をご覧になったのは、いまお住いのロサンゼルスででしょうか。

「はい、ロサン…(言い直して、発音よく)Los Angelsで観させていただきました。デミ・ムーアさん主演で、ホラージャンルの作品という前情報だけで『とにかく観たい!』と思って、ストーリーや細かいところはなにも調べずに観たんです。そうしたら、もう『Amazing!』『This is it!』。おもしろすぎて、『こんな映画観たことがない』というより、『観たかったのに、なんでいままでなかったんだろう!』と思いながら、ワクワクゾクゾクしっぱなしの映画体験でした」

デミ・ムーアといえば、の代表作『ゴースト ニューヨークの幻』
デミ・ムーアといえば、の代表作『ゴースト ニューヨークの幻』[c]Everett Collection/AFLO

――デミ・ムーア主演というところに惹かれたとおっしゃいましたが、彼女にどのような印象を持たれていましたか。

「ほかに替わる人がいないスター、という印象です。一番強いイメージは、やっぱり『ゴースト ニューヨークの幻』ですよね。私が生まれた1990年に公開された映画ですが、大学生の時にDVDをレンタルして初めて観たんです。どういうきっかけで観ようと思ったかは覚えていないんですが、たぶん『ゴースト』だから『きっと怖い映画や!』と勘違いして借りたような気がします(笑)。最近、創作の参考にしたいと思って久しぶりに観たんですが、改めて素敵な女優さんだなと思っていたところでした。

デミ・ムーアさんが演じたエリザベスは、昔に一世を風靡したけれど次第に需要がなくなって、若さを追求するあまり破滅の道を進んでしまう…という役でしたが、きっとご本人もハリウッドで活動を続けるなかで、同じような苦悩を味わったことがあるんじゃないのかなと感じてしまい、どういう気持ちで、どういう覚悟をもって、どういうところを自分に置き換えて演じられているのか興味深く思いました。

自身のよりよいバージョンである“スー”が出現し、エリザベスはより“老い”を突き付けられる
自身のよりよいバージョンである“スー”が出現し、エリザベスはより“老い”を突き付けられる[c]2024 UNIVERSAL STUDIOS

女優さんだから、『ここは映さないでほしい』とか、『これはできない』ということがあってもおかしくないのに、全裸はもちろん、もっと見られたくない姿であっても躊躇なくさらけ出している。しかも自分が年老いてカサカサに映されていくなかで、めちゃくちゃピチピチした若い女の子が比較対象として映し出される。そんななかで思い切りよくすべてを見せてくれる姿に感動しましたし、『これが世界でトップを獲るということか…』とすごく勉強になりました。もしデミ・ムーアさん以外がエリザベスを演じられていたら、また別の映画になっていたような気がして。それくらい、彼女にしかできない役柄だったと思います」


【写真を見る】現在62歳のデミ・ムーア、全裸もいとわぬ『サブスタンス』で、第97回アカデミー賞の主役に!
【写真を見る】現在62歳のデミ・ムーア、全裸もいとわぬ『サブスタンス』で、第97回アカデミー賞の主役に![c]Everett Collection/AFLO
「MOVIE WALKER PRESS」のホラー特化ブランド「PRESS HORROR」もチェック!

関連作品