ギフンはゲームに終止符を打てるのか?「イカゲーム」完結編配信前に、シーズン1&2をおさらい
世界中で空前の大ヒットを巻き起こし、韓国コンテンツのステータスを一躍高める歴史的作品となったNetflixシリーズ「イカゲーム」。ついに、その最終章にあたるシーズン3が、6月27日(金)から世界独占配信となる。本作は、莫大な借金などを抱えて人生崖っぷちに追い詰められた者たちが、高額な賞金を目当てに究極のデスゲームの世界に足を踏み入れていくサバイバルスリラー。2021年9月に配信が始まると、世界94か国で視聴ランキングの首位を獲得して社会現象に。アメリカでは老舗バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」でパロディもされた。
それほど世界的に人気を得た理由は、子どもの遊びをベースにしたシンプルなゲーム内容や、ビジュアル的なユニークさ、これらに反して負けたら即死という緊張感など、視聴者を飽きさせない構造にあるといえる。そしてストーリー自体もとてもシンプル。賞金を得るために命懸けでゲームに挑む参加者たちの背景から、貧困、借金、社会的な格差といった問題が浮かび上がり、これが多くの共感を呼ぶことになった。2022年9月に開催された第74回エミー賞では、主演のイ・ジョンジェがアジア人初のドラマシリーズ部門主演男優賞に、ファン・ドンヒョク監督が監督賞に輝き、計6冠を獲得するという快挙を成し遂げている。
2024年末、3年ぶりに配信された待望のシーズン2は、5週連続でNetflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)の1位を記録。改めて「イカゲーム」の人気を世界に再認識させた。そして、まもなく結末を迎えるシーズン3が始まるとあって、世間の注目も増している。6月1日にアメリカのロサンゼルスで開催されたグローバルファンイベント「Netflix TUDUM 2025」ではこれから配信になる話題作や注目作が次々と紹介されたが、「イカゲーム」は堂々のトップバッターで登場。ステージに現れた主演のイ・ジョンジェ、イ・ビョンホンら豪華キャストが集結し、観客から大喝采を浴びた。
人生の再起を懸けて、死と隣り合わせのゲームに参加する人々
シーズン3に触れる前に、これまでの展開を簡単におさらいしてみよう。主人公のソン・ギフン(イ・ジョンジェ)はギャンブルで身を持ち崩し、多額の借金を抱える中年のバツイチ男。シーズン1ではそんなギフンがなけなしの金まで高利貸しに奪われ、地下鉄でメンコをしていた男(コン・ユ)から大金が手に入るゲームに誘われて参加を決意する。連れて行かれたのは謎の巨大会場。そこには自分と同じようにのっぴきならない事態に陥った人間たちばかりが集められていた。
参加者の最後「456番」としてゲームに挑んだギフン。6つのゲームに参加してすべてをクリアすれば、賞金がもらえると聞かされる。しかし、最初のゲーム「だるまさんがころんだ」が始まるや否や、このゲームは負けるとその場で命を落とすデスゲームであると知ることになる。
そしてシーズン2は前作から3年後が舞台。巨額の賞金を手にしたギフンだったが、冷酷極まりないゲームに終止符を打つため、無謀にもゲームに再び参加する。個性的で様々な事情を抱えた者たちが参加しているなかで、ギフンはゲーム経験者としてほかの参加者たちを救おうとするがうまくいかない。しかも、毎回ゲームの終了後には次のゲームの続行を〇×で投票して決める方式が加わったことで、票の行方をめぐって仲間割れも発生する。
さらに、参加者のなかにゲームの支配人であるフロントマン(イ・ビョンホン)が正体を隠して紛れ込み、ギフンたちの心を揺さぶっていく。そんななか、シーズン終盤に意を決したギフンは仲間を募り、ゲーム運営側に反旗を翻すも、大切な親友が目の前で残酷にも殺されてしまうのだった。