映画では語られない、リーの人生のポイントも紹介『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』メイキング映像
映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)の主人公のモデルにもなった女性報道写真家の情熱的で数奇な運命を映画化した『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』(公開中)。主演、製作をケイト・ウィンスレットが務めた本作のメイキング映像がこのたび初解禁された。
本作で描かれるのは、写真家として戦争の最前線を駆け抜け、20世紀を代表する報道写真家となり、その名を歴史に刻んだリー・ミラーの人生。マン・レイ、パブロ・ピカソ、ココ・シャネル、ジャン・コクトー、ダリ、コンデ・ナストら時の天才たちをモデルとして魅了してきた輝きは、写真家へと転身してからも光りを放ち、凄まじい情熱とエネルギーで戦場へ赴く写真家となった。彼女が写し出す写真には、唯一無二の芸術的センスに加え、人間が持つもろさと残酷さの両方が刻みこまれ、いまもなお、人々を惹きつける歴史的記録として真実を伝えている。
日本公開を迎えた初週に劇場へ詰めかけた観客からは絶賛の声が集まり、なかでも「ケイト・ウィンスレット演じるリー・ミラーは惚れ惚れするくらいかっこよかった」「ケイトの体当たりの演技が圧巻」と、自らが企画し、8年以上もの歳月をかけて制作し主演したウィンスレットへの賞賛と脱帽の声が相次いだ。
共演にもアンディ・サムバーグ、アレクサンダー・スカルスガルド、マリオン・コティヤール、ジョシュ・オコナー、アンドレア・ライズボロー、ノエミ・メルランという、ウィンスレットだからこそキャスティングできた錚々たる役者たちへの共演に驚きの声も挙がっている。
解禁されたメイキング映像の前半は、1938年にウィンスレット演じるリーがコティヤール演じる友人のソランジュ、メルラン演じるヌーシュらと南フランスでバカンスを過ごす色彩鮮やかなメイキングとなっており、歌を歌い、食材を買い込み、ピクニックに向けた準備を楽しそうに行う姿が紡がれる。これはピカソが主催した集まりだ。
後半は、あれほど鮮やかだった色彩から一転し、ほぼモノクロに近い映像に。第二次世界大戦の戦火のパリで、ソランジュの自宅を訪れたリーが目にしたのは、いつもは弾けんばかりの笑顔のソランジュが、爆撃を受けた部屋の中でボロボロの姿になってうずくまっている姿だった。軍服に身を包むリーも、映像前半とは印象をガラリと変えた姿が映しだされる。戦前のリーと戦時中のリー、そのギャップは凄まじく、映画として描かれた10年間だけでも、リーがいかに濃厚な人生を生きてきたのかが分かる貴重な映像だ。
また、リーが報道写真家として活躍した10年間の出来事に焦点をあてて描かれた本作。それはひとえに、「描こうと思えばいくらでも作れた」とケイトが驚愕するほどリーの人生が濃厚で、そのどれもが驚きに満ちた多彩な人生だったから。今回、本作では描ききれなかったリー・ミラーの型破りな人生を5つのポイントでご紹介する。