「M:I」最新作の来日記者会見をロングレポート!トム・クルーズ、「続けられているのは、私の夢を超えている」

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「M:I」最新作の来日記者会見をロングレポート!トム・クルーズ、「続けられているのは、私の夢を超えている」

「現場に行かないとうまくいくかどうかわからない。でも絶対に諦めない」(トム・クルーズ)

会見の中盤以降からは、ひと足先に本作を鑑賞した記者たちからQ&Aのコーナーに移行。困難に挑み続けるクルーズのモチベーションを保つ秘訣や、ストーリーのアイデアの源などを語った。

記者からの質問にも続々回答!
記者からの質問にも続々回答![c]2024 PARAMOUNT PICTURES.

――(記者からの質問)本作のアクションシーンを撮影していくなかで、“無理かもしれない”と思った瞬間はありましたか?

クルーズ「“every time”!無理と言われてもやるし、毎回チャレンジングですが、そんな環境のなかでも撮影を続けていきました」

マッカリー「最後のほうのシーンなのですが、不可能な環境のなかで具体的なカメラの動きを事細かに決めて行かないといけませんでした。しかし、トムが撮りたいようなシーンを撮れる機材とテクノロジーが揃っていないという状況だったんです。でもトムがなんとかしようと言ったら、翌日に機材が用意されてテクノロジーも開発されていたんです。『無理』ってことは多いんですが、必ず解決策があるんですよね。この映画でもモットーとしています」

クルーズ「学びながら撮っていますから、スタート地点ではわからないことだらけでも、終わったころにはエキスパートになっています。今回の空中戦もやりたいとは思っていたが、実際に現場に行かないとうまくいくかどうかわからないんですよね。でも絶対に諦めない、これだけははっきりしていました」

マッカリー「これは本人が言わないので、私が話します。その飛行機にトムは1人で乗っていて、いろんなパフォーマンスをしているわけですが、カメラのオペレーターや照明を当てる人はいなくて、トムが1人で全部機材をコントロールしていたんです。もうワンマンショーな感じなんですね」

クルーズ「監督はヘリに乗って状況を見ているんです」

マッカリー「いつもトムに言わなくてはいけなかったのは、楽しんでいるように見えちゃいけないこと(笑)」

クルーズ「そうだったね。『あまり笑顔にならないで、これは危険なんだから』って(笑)」

危険なフライトを笑顔でこなしていたトム
危険なフライトを笑顔でこなしていたトム[c]2024 PARAMOUNT PICTURES.

――(記者からの質問)これだけ肉体的にハードな動きを可能にするためのエネルギーはどこからくるんですか?モチベーションの保ち方を教えてください。

クルーズ「情熱と愛です。仕事ではなくこれこそが自分だと思っていますし、目標というものを常に持っていて、チャレンジが大好きなんです。難しいとか大変とかは構わない。とにかくなにがあっても諦めない。人生は冒険です。よく『怖くない?』って聞かれるんですが、もちろん怖いです。いろいろな感情があるんですがそれは問題ないんです。それが私なんです。人々を楽しませることが本当に好きで、自分がどれだけ光栄な立場にいるかということを当たり前に思わないようにしています」


――(記者からの質問)ストーリーのアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

クルーズ「やっぱりこれは、僕と監督との対話なのです。これは監督にお話いただいたほうがいいかな?」

マッカリー「これまでやってきたことの集大成であるんですけれども、全力で取り組んでも、映画を完成すると少し悔いが残るんです。たとえば昨夜もトムは『もっといいものを作れるよ』と言ってきたんですが、毎回そんな感じなんですよね。そしてトムとのコラボレーション以外にも、もう一つ大事なことがあります。私たちは脚本を書く時に、役を書いてから俳優を探すことはしません。一緒に仕事をしたい俳優を探して、彼らのために役を書き下ろす感じです。つまり、今日登壇されている皆さんはすばらしい才能の持ち主なんです。特にこの映画では、非常に繊細で、ニュアンスがあり、人間性にあふれたパフォーマンスをしてくれていますが、それはセリフではなく、行動や表情、お互いの関わり方などのなかで見せてくれるんです。それだけで私たちは、充実感を得ることができるんです。

そして質問に戻りますが、着想の種となったのは“感情”でした。前作と本作では、よりエモーショナルな作品を目指し、そして『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で学んだストーリーテリングを、スパイアクション映画にどう活かしていくのか。すべてのキャラクターに対してどう創造していくかを考えました。これは皆さんの力なしではできませんでした」

よりエモーショナルな作品を目指したという本作
よりエモーショナルな作品を目指したという本作[c]2024 PARAMOUNT PICTURES.

クルーズ「マッカリーの物語を作りだす能力と才能はとても秀でています、彼自身はもちろん口にしませんが、会った瞬間に私は彼と永遠に仕事をするんだとわかったんです。『ユージュアル・サスペクツ』など彼が手掛けた作品を観るとわかるんですが、役者のために書かれているんです。そして映画もかつてはそのように作られていました。スターや俳優を中心に映画は作られ、それは映画スタジオによって行われていました。私は個人的に自分のキャリアのなかで自分でやってきたんです。彼もそれを理解して、美しい形で見てくれます。

彼はただ部屋でキャラクターを書いているわけではありません。実際に時間を過ごしていろいろ観察して、みんなに輝いてほしいとと思っています。例えば、“あなた”の映画と言われると『いやそうではない。“私たち”の映画です』と答えるんです。彼が行っていることがすべて美しく、すばらしい才能なのです。ですので、ぜひ皆さんに知ってもらいたい。なにをしたいのかを見て、その声に耳を傾け、時には、彼ら自身が気づいていない能力、その光を輝かせようとしているんです。そして、その光は物語へと変換され、そこから皆さんが物語を楽しむことに通じていく。私の目標はその手助けをすることなんです」

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