小五郎の勇姿と長野県警の結束力を最大限に堪能!劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』はIMAX推し
4月18日(金)から公開の劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』。毎年興行収入を更新し続けている「名探偵コナン」シリーズだが、前作は158億で歴代1位を記録!劇場版『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』(19)、劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』(23)などで演出を手がけた重原克也が今作で初監督を務め、「名探偵コナン」シリーズはもちろん、「相棒」シリーズや「科捜研の女」シリーズなど、実写の刑事ドラマや映画も数多く手がける櫻井武晴が脚本を担当。スリリングなカーチェイスや雪山での銃撃戦など、ド派手なアクションシーンのみならず、ハードボイルドでビターな大人のドラマとしても見ごたえのある本作は、没入型の映画体験ができるIMAXでこそ堪能したい一作だ。劇場版28作目にして、さらにパワーアップし続けている本作のIMAXでの見どころを紹介する。
今回は眠らない!毛利小五郎と長野県警が結束し、雪崩事故に隠された真相を追う
長野県の八ヶ岳連峰未宝岳。雪のなか、ある男を追う県警の大和敢助(声:高田裕司)は、男が放ったライフル弾を左眼に受けたのち、雪崩に巻き込まれる。10か月後、国立天文台野辺山の施設研究員の円井まどか(声:山下美月)が何者かに襲われる事件が発生。雪崩から奇跡的に生還していた敢助は現場へ駆けつけるが、突如隻眼となった左眼が激しく疼きだす。そしてその夜、毛利探偵事務所に、小五郎(声:小山力也)の警察官時代の同僚で、雪崩事故を調査している「ワニ」と呼ばれる刑事から電話が入る。
「ワニ」こと鮫谷浩二(声:平田広明)は、かつて小五郎と事件解決を競い合っていたほど気心の知れた間柄で、未宝岳で敢助が巻き込まれた雪崩事故を調査していた。後日会う約束を交わした小五郎にコナン(声:高山みなみ)もついて行くが、待ち合わせ場所に向かう途中で突如、銃声が響き渡る。ワニに駆け寄る小五郎と、お馴染みのターボエンジン付きスケボーで、怪しい男を追うコナン。やがて、氷雪吹き荒れる山岳で、長野県警や東京の警察本部の面々のみならず、裏で暗躍する公安までをも巻き込んで、白き闇の因縁の幕が切って落とされる…!
劇場版での登場は久しぶり!長野県警のメンバーを予習
ここで、本作で大いに活躍する長野県警のメンバーを、これまでの「名探偵コナン」アニメシリーズを踏まえて簡単に紹介したい。映画での登場はかなりレアなので、予習として知っておくとより楽しめること間違いなしだ。まず、本作でキーパーソンとしてフィーチャーされる、隻眼&杖を持つ姿が印象的な大和敢助は、無骨で硬派だが、正義感溢れる「長野県警」のやり手警部だ。コナンや小五郎たちの前に初めて登場したのは、テレビアニメのシーズン13・516~517話「風林火山」のエピソード。敢助が、かつて雪崩事故に遭い、その後しばらく行方不明になっていたことや、敢助の幼馴染で部下でもあった上原由衣(声:小清水亜美)が、その事故で敢助が亡くなったと思い込み、警察を辞職。ある事件を解決するために結婚するも、夫を亡くした経緯などが明かされる。本作の発端ともなる重要な回であり、IMAXでの鑑賞前にあらかじめ見直しておけば、上司なのになぜか「敢ちゃん」呼びする由衣との関係性への解像度がさらに上がること請け合いだ。
また、テレビアニメのシーズン14・557話「危険な二人連れ」では、コナンたちが刑事に復帰した由衣と敢助に再会。続く、558話「死亡の館、赤い壁」では、三国志などの故事成語を好んで引用する諸伏高明(声:速水奨)が、ある理由から“所轄の刑事”として初登場。彼も敢助とは小学校時代からの幼馴染であり、ライバル的存在だ。テレビアニメのシーズン25・983話「キッドVS高明 狙われた唇」では諸伏景光が弟であることが明かされ、「警察学校編 Wild Police Story『CASE.諸伏景光』」では、兄弟の幼少期のエピソードが詳しく描かれる。本作で高明のバックボーンが気になった人は、鑑賞後にぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
ちなみに、敢助と由衣が劇場版に初登場したのは、劇場第13作『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』(09)であり、本作と同様、劇場版で雪山が舞台となるのは、劇場第15作『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』(11)以来。「名探偵コナン」シリーズがIMAXでも上映されるようになったのは、劇場第24作『名探偵コナン 緋色の弾丸』(21)以降であるから、「長野県警トリオ」の敏腕な仕事ぶりも、地響きを立て迫り来る雪崩の描写も、IMAXの大きなスクリーンで堪能できるのは今回が初めての機会となる。
とはいえ本作における最大の見どころは、事件が起きるたび“迷推理”を披露しては、コナンに麻酔銃を撃たれて眠らされ、知らないうちに事件が解決している「眠りの小五郎」が、一度も眠ることなく、いつになくシリアスな雰囲気で事件の謎解きに挑む姿。そもそも小五郎が大活躍すること自体、劇場第9作『名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)』(05)以来20年ぶりだといい、本作アフレコの際も声優陣から「おっちゃんカッコ良すぎない!?」との声が上がっていたとか。公開前から、小五郎が「ついてくるな。遊びじゃねぇんだ」と語気を強めてコナンを制する場面にも注目が集まっているが、漢気溢れるその場面をIMAXで観ることで、「コナンを危険にさらすわけにはいかない」という責任感と並々ならぬ覚悟が、手に取るように伝わってくる。