シリーズ大ファンのバービーが語る『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』共に時代を生き抜くブリジットへの“尊敬ポイント”
「昔ながらのカメラワークというか、ベタな手作り感も最高でしたね」
さて、ある種、世捨て人のような生活を送ってきたブリジットの背中を押すのは、おなじみの友人たち。彼らに励まされ、外の世界に再び目を向けて働き始めたブリジットは、みるみる輝きを取り戻していく。そこで肝となるのは、やっぱり新しい恋の予感!なんとブリジットの前に現れたのは、29歳のイケメン、ロクスター(レオ・ウッドール)。キラキラと輝く彼から言い寄られたら、半信半疑になりながらも断れる歳上女性はいないに違いない…、そう思わせる魅力があふれている。バービーも嬉々として「いまっぽさを逆手にとりながらも、こんなに笑える映画っていまどきないですよね(笑)。ロクスターがパーティに遅れて登場したシーンで、プールに落ちた犬を救助するために、わざわざシャツを脱いで飛び込む。それを周りの女性たちが舐めるように見つめるシーンなんて、もう爆笑が止まらなかった!その彼がブリジットの“連れ”だとわかって株を上げる展開も含めて、もう本当に楽しかったです」と噴きだしながら振り返る。
そして「過去作でも要所要所でホットな男が登場して、それがうまく笑いを挿し込んできましたが、本作でも怯むことなくどストレートにやってくれる。この手法はアリなんだなとちょっと勉強になっちゃいましたよ(笑)。そういうシーンにおける昔ながらのカメラワークというか、ベタな手作り感も最高でしたね」と絶賛する。またブリジットとロクスターの“世代の違いから生まれる恋の手法の違い”も、笑いを生みつつ観客を納得させ、ワクワクもさせてくれる。特に「ロクスターがブリジットに“キスしていい?”と聞いてからキスをしようとする場面では、『ああ、キスも確認する世代の子なのね』と。でも、それがまさかの伏線になっているんですよ。終盤、許可も取らずに…という流れが最高でした!」と語るように、本作にも胸キュンポイントが満載だ。
ロクスターのほかにも、息子の理科教師であるミスター・ウォーラカー(キウェテル・イジョフォー)が登場しているが、バービーは思わぬ角度からときめきを感じていたようだ。「息子の先生が登場するじゃないですか。実は夫が教育関係なんですけれど、そういう“お固い”職の方に…すごく色気を感じてしまって(笑)。なのでウォーラカーにもドキドキさせられていました」と自身の夫と重ねながら、ウォーラカーの先生という職業ならではの振る舞いに心揺さぶられたと語る。果たしてブリジットは誰かと結ばれるのか。そこまでは明かせないが、後半に向けて物語はどんどん感動の濃度を上げていく。さらに終盤には予想外と言っても過言ではない震えるほどの感動が待ち受ける。「結末は読もうと思えば読めると思いますし、全然それでもよくて。一つ一つの細かい場面やフレーズが響いて、笑えて、感動できる。しかもオチがわかっても意外な展開があったりして、本当に最高でした!」と興奮冷めやらない様子。
バービー自身も終盤はキュンキュンしたようで、「終盤で最も泣けるシーンは、きっとみんな共通して嗚咽を漏らすと思いますが、実はそこからもうひと山あるんですよ!注目してほしいのが“最後の告白”に至る一連のシーンが、すごくステキなんです。セリフからなにから、もう本当にすばらしい。最高にキュンキュンしちゃいました」と、最後まで味わい尽くした満足げな表情をのぞかせる。ブリジットファンにとっては、これが完結編と聞くと寂しくてたまらなくなるだろうが、そんななかでも本作に贈りたくなる言葉は「ありがとう」だと明かす。
「いつまでも私たちの好きなブリジットのままでいてくれて、本当にありがとう!」
そして最後、バービーは本作への愛で締めくくった。「第1作ではブリジットも私も若かったので“惚れた腫れた”で世界すべてを捉えていたし、そんな生活を送っていて。自分たちが思っていることを、よくぞ言語化してくれたね、みたいな共感しかなくて。そこからだんだんとブリジットもキャリアが成熟し、仕上がった人間の“仕事におけるあれやこれや”を見せつけてくれて。さらに子どもに関しても信念を突き通すブリジットに“女同士の笑いと尊敬”を覚えてきました。そうして迎えた本作ですが、やっぱり“そんなバカをするかよ!”とドジでおっちょこちょいのままで(笑)。鑑賞メモに思わず、『もう、いい加減にして!』って書いてましたから。でも、それこそが最高で、“いつまでも私たちの好きなブリジットのままでいてくれて、本当にありがとう!”って」。
取材・文/折田千鶴子