『パラノーマル・アクティビティ』に『クローバーフィールド』『プレゼンス 存在』『HERE 時を越えて』などなど…様々な“視点”を用いた映画たち
スティーヴン・ソダーバーグ監督作『プレゼンス 存在』、ロバート・ゼメキス監督作『HERE 時を越えて』が公開中だ。『プレゼンス』は幽霊の主観映像、『HERE』は時代を超えた人々の暮らしを固定カメラで捉えた定点映像と、どちらも独特の視点を活かした個性的な作品になっている。デジタル化やカメラの小型化などテクノロジーの進化も手伝い、映画の撮影スタイルが多様化している現在。こだわりの視点や凝ったカメラワークが堪能できるワザありの作品たちを紹介したい。
室内に設置したカメラが超常現象を捉えてしまう『パラノーマル・アクティビティ』
超常現象を描いたファウンドフッテージ系ホラーの代表格『パラノーマル・アクティビティ』(09)。恋人ケイティー(ケイティー・フェザーストン)と暮らすミカ(ミカ・スロート)は、夜になると聞こえる謎の音や何者かの痕跡の正体を突き止めるため、家の中にビデオカメラを設置。やがて現象は激しさを増し、ケイティーも精神的に追い詰められていく。
本作のおもな映像は、寝室に置かれたカメラの定点映像と、ミカ自身が撮影したケイティーや家を訪れた霊能者、研究者との会話。派手な決定的瞬間を避けたリアル指向の構成で、カーテンが揺れたり、物が勝手に動いたりなど時折起こる些細な現象、しだいにケイティーの心が壊れてゆく様でじわじわと盛り上げながら、怒濤のラストになだれ込む。もともと本作は2007年のスクリームフェスト・ホラー映画祭に出品されたインディーズ作品で、のちにパラマウント・ピクチャーズがラストを撮り直して09年に劇場公開。シリーズ5本と番外編『パラノーマル・アクティビティ第2章 TOKYO NIGHT』(10)も製作される大ヒットホラーに成長した。
巨大怪獣による恐怖をハンディカメラの映像で映しだす『クローバーフィールド HAKAISHA』
『クローバーフィールド HAKAISHA』(08)は大怪獣によるニューヨーク襲撃を、被害者目線で映したファウンドフッテージ系スペクタクル。日本へ転勤することになったロブ(マイケル・スタール=デヴィッド)のお別れパーティーのさなか、突然爆音が響き渡り、人々はパニックに陥った。ビル街で火の手が上がり、自由の女神像も崩壊。わけもわからず誰もが逃げ惑うなか、やがて巨大な“なにか”が暴れているというニュースが飛び込んでくる。
パーティーの撮影担当者が撮ったロブのビデオカメラに残された映像、という設定の本作。ロブと数名の仲間たちが自宅でケガをして動けなくなったロブの恋人を救おうと奔走するが、大怪獣が高層ビルを破壊したり、人々を踏み潰したりするのを目の当たりにし、一緒にやって来た小型の寄生虫モンスターに襲われる様子も体感的に描かれていく。製作はJ・J・エイブラムス、監督をリブート版「猿の惑星」シリーズのマット・リーヴスが務めた。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)や『パラノーマル・アクティビティ』などホラーやスリラーが中心だったファウンドフッテージに、本格スペクタクルを持ち込んだ記念碑的な作品だ。