『白雪姫』音楽演出が語る、吉柳咲良や河野純喜のレコーディング秘話&ディズニー・クラシックの偉大さ

『白雪姫』音楽演出が語る、吉柳咲良や河野純喜のレコーディング秘話&ディズニー・クラシックの偉大さ

「ディズニー・クラシックの名曲は、いろいろなアレンジで時代と共に受け継がれてきました」

このように1937年の『白雪姫』の曲が、90年近く経った現在の映画で使われ、まったく色褪せない輝きを放つことから、島津は改めてディズニー・クラシックの偉大さを実感したという。

【写真を見る】【写真を見る】「願いの井戸」の歌詞は入れたい!吹替版に込めたオリジナル『白雪姫』へのリスペクトとは?
【写真を見る】【写真を見る】「願いの井戸」の歌詞は入れたい!吹替版に込めたオリジナル『白雪姫』へのリスペクトとは?[c]2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

「ディズニー・クラシックの名曲は、いろいろなアレンジで時代と共に受け継がれてきました。例えば『白雪姫』の『いつか王子様が』などは、ジャズバージョンやテクノ調、ポップス調が作られたりしつつ、どのようにアレンジされても成立し、愛されています。それくらいメロディが普遍的。時代が経ってもサビつかず、それでいて懐かしさも漂う。むしろ一周回って新しさを感じることさえあります。ですから今回の『白雪姫』のように新しい曲と組み合わさっても違和感がないのです。ディズニーの名曲は、子ども時代は美しい部分を感じたのに、大人になると違う側面が浮き上がってきたりして、永遠に輝きを失いません。ダイヤモンドのようなものでしょう」。

今回の『白雪姫』のためにクラシックの名曲をアップデートし、新曲を作りだしたのが、『ラ・ラ・ランド』(16)、『グレイテスト・ショーマン』(18)など近年の大ヒットミュージカルを手掛けてきたベンジ・パセク&ジャスティン・ポールのコンビ。彼らの才能があってこそ、この『白雪姫』の音楽が時代を超えてひとつに結びついたと、島津は感激する。

ベンジ・パセク&ジャスティン・ポールのコンビが実写版『白雪姫』の音楽を手掛ける
ベンジ・パセク&ジャスティン・ポールのコンビが実写版『白雪姫』の音楽を手掛ける[c]2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

「彼らの曲で驚くのは、アニメ版と違ったテイストでも、リプライズとして何度か流れるうちに、『この曲、1937年のアニメ版にも流れていたかも…』と錯覚してしまうこと。それくらいディズニー・クラシックと親和性があるメロディを創りだしているんです。そしてこの2人ならではの魅力は、コーラスの音圧とそれに包まれる感覚にあります。そこは映画館で観ればわかってもらえるはず。私たち吹替版のスタッフも、360度、音に囲まれて観てもらうという前提で音を完成させました。コーラスを複数に分けて録音したり、リードのボーカルも立体感を意識して、『ささやくように』『遠くに向かって』など繊細に演出したのです。そのこだわりの音を、ぜひ皆さんに映画館で感じてもらえればうれしいですね」。

音楽の魅力で映画を観る喜びに浸る。ディズニーの伝統が新たな次元に達したことを『白雪姫』で実感してほしい。


取材・文/斉藤博昭

特集:音楽と映画を楽しもう!【PR】

『白雪姫』オリジナル・サウンドトラック
配信中
試聴・詳細はこちら:https://www.universal-music.co.jp/snow-white/
作品情報へ

関連作品