「怖いけど目が離せない」「今年No.1ホラー」…『ロングレッグス』観客のリアルな感想を“ネタバレなし”でご紹介!

「怖いけど目が離せない」「今年No.1ホラー」…『ロングレッグス』観客のリアルな感想を“ネタバレなし”でご紹介!

『羊たちの沈黙』『セブン』はもちろん、「ツイン・ピークス」や「X-ファイル」好きにもおすすめ!

シリアルキラーの恐怖を描くホラー映画でありつつ、さまざまなジャンルの要素が織り交ぜられている点も、本作の魅力的なところ。「ミステリー好きな方におすすめ」(20代・男性)というコメントもあったように、マイカ・モンロー演じるリーがロングレッグスの暗号の謎に迫る映画前半部分にはミステリーとしての旨味がたっぷり。

人並外れた直感力を武器に、ロングレッグスの暗号を解読していくリー・ハーカー
人並外れた直感力を武器に、ロングレッグスの暗号を解読していくリー・ハーカー[c]MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC. All Rights Reserved.

ケイジ相手に一歩も引かず演じきったモンローにも称賛の声が上がっており、「か弱いなかにも意思の強さを感じさせる目が素敵。彼女と一緒に謎を解いていくように没入しました」(30代・女性)など、凛とした佇まいに同性からの支持が目立った。

主人公の視点に立って作品の世界に入り込みながらロングレッグスの恐怖と向き合うのも本作の楽しみ方の一つだろう。こうした謎解き要素からは、デヴィッド・フィンチャー監督の「『ゾディアック』を連想した」(40代・男性)という声も見受けられた。

また、北米公開時に「AWARDS RADAR」が「『羊たちの沈黙』以来、最高の連続殺人鬼映画」と絶賛のレビューを寄せているように、単なるホラー映画にとどまらずサイコスリラーとしての一面も備えていること。さらに、数多あるホラー映画の“恐怖”の種類をいくつも重ね合わせた卓越したストーリーテリング。そうした“ジャンルレス”な部分が本作の魅力を一層高めていることが窺える。アカデミー賞を席巻し、いまなお多くのファンが絶えない『羊たちの沈黙』(91)のように、本作も長きにわたって語り継がれる映画となることだろう。

女性FBI捜査官とシリアルキラーの対峙に、『羊たちの沈黙』を思い出すという声も
女性FBI捜査官とシリアルキラーの対峙に、『羊たちの沈黙』を思い出すという声も[c]MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC. All Rights Reserved.

「セリフのところどころに伏線があった」(20代・男性)
「シナリオの進み方やフラグの立て方が飽きさせなくてすごくおもしろい」(20代・女性)
「人間の狂気とオカルトを両方楽しみたい人におすすめです」(20代・男性)
「疑問な点がいくつか残った」(20代・男性)
「人の考察が見たいタイプの映画」(30代・女性)
「展開が想像つかず、オカルトからスリラーまでたっぷりあった」(20代・女性)
「Jホラーが好きな人に刺さりそう」(40代・女性)
「スリラーから悪魔ものが好きな方まで」(20代・女性)

ミステリー、オカルトなどの要素もあり、一本でさまざまなジャンルの魅力を味わうことができる
ミステリー、オカルトなどの要素もあり、一本でさまざまなジャンルの魅力を味わうことができる[c]MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC. All Rights Reserved.

アンケートで「どんな作品が好きな人に刺さると思うか?」と、具体的な作品名を訊いてみたところ、先述の『羊たちの沈黙』をはじめ、フィンチャー監督の『セブン』(95)や黒沢清監督の『CURE』(97)など、劇中で描かれる1990年代に公開されいまなお熱烈な支持を集めるスリラー映画を挙げる人が続出。
「『羊たちの沈黙』。女性捜査官が頑張るという点で、とても目頭が熱くなる」(20代・男性)
「サスペンス要素が強いなかで、恐怖を一気に与えてくれる感覚が『羊たちの沈黙』と似ている」(10代・男性)
「連続殺人と洗脳の関係など、黒沢清監督の『CURE』との共通点が多い」(10代・男性)
「犯人の造形が『CURE』と似ている」(20代・男性)
「全体の緊張感、不穏なところが『セブン』に近い」(40代・女性)
「『セブン』『ゾディアック』『マインドハンター』など、デヴィッド・フィンチャー監督の作品が好きなら間違いなくハマります!」(30代・女性)


ほかにもA24製作によるタイ・ウエスト監督の「X」シリーズ、『ヘレディタリー/継承』(18)などのアリ・アスター監督作品といった近年のホラー/スリラーファンを熱狂させた作品、意外なところではデイヴィッド・リンチ監督のカルト的人気ドラマ「ツイン・ピークス」、社会現象となったSFドラマ「X-ファイル」との近似性を感じたという声も複数見受けられた。


スリリングな謎解きが、観客を作品後半の予想できない真実へと導いていく
スリリングな謎解きが、観客を作品後半の予想できない真実へと導いていく[c]MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC. All Rights Reserved.

スタイリッシュな映像表現と“音”を活かした恐怖演出、名優ニコラス・ケイジの怪演に、往年のスリラー映画を彷彿とさせる空気感。恐怖だけではなく、さまざまなエンタメの旨味がぎっしりと凝縮された本作は、まさに「ミステリー・ホラー・サスペンス、恐怖の詰め合わせ!」(40代・女性)と表現するのがぴったり。

本記事ではネタバレ防止のため後半の展開への言及は避けたが、ラスト付近はまさに息つく暇もないほどの緊張感が続く。「観て損はない、予想できない結末。観終わった後も考察が捗る」(20代・女性)という声に象徴されるように、観終わったあとには誰かと解釈をぶつけ合いたくなること請け合いだ。事件の裏に秘められた、想像を超える“真実”とは。ぜひ物語の行く末を、劇場で目撃してほしい。

文/久保田 和馬

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