映画ランキング - 国内映画
(2025/4/25~2025/4/27)
2025年4月28日
発表(毎週火曜更新)
2025年4月25日~2025年4月27日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』『マインクラフト/ザ・ムービー』『#真相をお話しします』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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4月25日から4月27日までの全国映画動員ランキングが発表。ゴールデンウィーク突入目前ということもあり、多くの新作タイトルが公開されたこの週末。トップ10のうち6作品が前週から入れ替わる大激戦のなか、『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)が2位以下を寄せ付けない圧勝で2週連続No.1に輝いた。
『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』の週末3日間の成績は、観客動員113万6000人、興行収入16億6900万円と、またもやたった3日間の成績とは思えない圧倒的な数字。しかしながら、シリーズ最高記録を更新するロケットスタートを飾った先週末と比較すると、動員・興収共に49%と半減以上。この数字の減り方がやや大きい点を、どう捉えるべきか。
動員ランキングが週末3日間の成績で集計されるようになったのが2023年からなのだが、その年の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)の2週目末成績は初週末対比51%で111万3000人&16億1500万円。昨年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24)は同58%で132万7000人&19億2100万円。動員と興収の数字だけで比較すれば『黒鉄の魚影』を上回っているが、勢いの面ではわずかに劣勢。
また初日から10日間での累計成績も、動員431万人&興収63億円突破という申し分のない成績を収めているのだが、こちらも昨年の同時点(動員447万人&興収65億円)をわずかに下回っている。これは先週の当記事でもやんわり触れたように、作品の期待値の高さとネタバレ忌避によって初週に偏重してしまう人気作の宿命のようなものが要因といえよう。あるいは、例年よりもゴールデンウィークが近いことも、鑑賞タイミングの面で少なからず影響しているのかもしれない。
ただそれ以上に考えられるのは、例年以上にライバルが手強いということだ。どの映画会社も『コナン』公開週に新作を封切ることを避ける傾向にあるが、ゴールデンウィーク興行に向けてはそれなりの大作をスタートさせざるを得ない。それぞれの詳しい成績は後述するが、今週は、小学生に絶大な人気を誇るゲームをハリウッドで実写映画化した『マインクラフト/ザ・ムービー』(公開中)と、中高生をメインターゲットに据えた娯楽ミステリー『#真相をお話しします』(公開中)が、公開2週目という脂の乗りきった『コナン』に真っ向から勝負を挑む格好となった。
いまや『コナン』=世代を問わない国民的アニメとしてすっかり定着しているが、それでも若年層やファミリー層の集客は必要不可欠なもの。その点で、ターゲットが重複する上記2作にある程度ではあるが分散した可能性は否定できない。とはいえ、ここ数年の日本の映画興行のスタイルはメガヒットアニメの一極集中。それが洋画実写・邦画実写に分散して切磋琢磨の状態となるのはいいことであり、なによりも強敵がいてこそ“王者”は輝くものである。
さて、そんな『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』との直接対決に挑んだうちの一本、『マインクラフト/ザ・ムービー』の初日から3日間の成績は、動員43万5000人、興収5億9400万円。これは2025年に公開された洋画作品としては『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)を上回る最高のオープニング成績となる。
すべてのものが“四角く”、なんでも自由に創造できる“マイクラワールド”に転生された年齢も境遇もバラバラの4人の男女が、すでにその世界で生活しているスティーブ(ジャック・ブラック)と共に世界を守るために奮闘する同作。北米では記録的なオープニングを飾り、全世界興収はすでに8億ドルを突破。ここ日本では相手が悪かったとはいえ、“洋画復調”のカギをにぎる一本となってくれるのではないだろうか。
一方、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴とtimeleszの菊池風磨がダブル主演を務めた『#真相をお話しします』のほうは、動員35万8000人、興収4億8700万円を記録して3位に初登場。このオープニング成績は、昨年の春休みにサプライズヒットを記録した『変な家』(24)のオープニング対比104%。同作と同様、若年層のあいだで口コミが広がればロングヒットとなる可能性も充分に考えられる。
ほかの新作では、直木賞受賞作を鈴木亮平と有村架純の共演で映画化した『花まんま』(公開中)が、動員8万5000人、興収1億1400万円で4位にランクイン。向井理主演のテレビドラマの劇場版『パリピ孔明 THE MOVIE』(公開中)は5位、ヒュー・グラント主演のA24製作スリラー『異端者の家』(公開中)は8位スタートとなり、「鬼滅の刃」のテレビシリーズ特別編集版『鬼滅の刃 那田蜘蛛山編』(公開中)は10位にランクインを果たしている。
前週に続いてトップ10圏内に残った4作品は、『コナン』をはじめ、公開8週目を迎えた『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(公開中)と『ウィキッド ふたりの魔女』、そして累計動員36万人&興収5億円という異例の成績を収め、フランシスコ教皇の逝去を受けて本物の“コンクラーベ”が行われるということで再注目を集めている『教皇選挙』(公開中)。いずれもゴールデンウィークにもうひと伸びしそうなタイトルばかりだ。
以下は、1~10位までのランキング(4月25日〜4月27日)
1位『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』
2位『マインクラフト/ザ・ムービー』
3位『#真相をお話しします』
4位『花まんま』
5位『パリピ孔明 THE MOVIE』
6位『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
7位『ウィキッド ふたりの魔女』
8位『異端者の家』
9位『教皇選挙』
10位『鬼滅の刃 那田蜘蛛山編』
次週末は、約半世紀にわたってロングセラーを記録している国民的おかしを原作にした3DCGアニメーション『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』(5月1日公開)、マーベル初の悪役チームの戦いを描いた『サンダーボルツ*』(5月2日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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