2週連続Vの『名探偵コナン 隻眼の残像』に『マイクラ』『#真相』が真っ向勝負!大激戦のGWの幕が上がる

2週連続Vの『名探偵コナン 隻眼の残像』に『マイクラ』『#真相』が真っ向勝負!大激戦のGWの幕が上がる

4月25日から4月27日までの全国映画動員ランキングが発表。ゴールデンウィーク突入目前ということもあり、多くの新作タイトルが公開されたこの週末。トップ10のうち6作品が前週から入れ替わる大激戦のなか、『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)が2位以下を寄せ付けない圧勝で2週連続No.1に輝いた。

公開10日で動員431万人を突破!GWの王者が今年も強い

今週も圧倒的な成績を収めるも、シリーズ最高のスタートだった前週からは半減の成績に
今週も圧倒的な成績を収めるも、シリーズ最高のスタートだった前週からは半減の成績に[c]2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』の週末3日間の成績は、観客動員113万6000人、興行収入16億6900万円と、またもやたった3日間の成績とは思えない圧倒的な数字。しかしながら、シリーズ最高記録を更新するロケットスタートを飾った先週末と比較すると、動員・興収共に49%と半減以上。この数字の減り方がやや大きい点を、どう捉えるべきか。

動員ランキングが週末3日間の成績で集計されるようになったのが2023年からなのだが、その年の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)の2週目末成績は初週末対比51%で111万3000人&16億1500万円。昨年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24)は同58%で132万7000人&19億2100万円。動員と興収の数字だけで比較すれば『黒鉄の魚影』を上回っているが、勢いの面ではわずかに劣勢。

例年とは異なるGW本番までの日数が、成績に如実に反映されている!?
例年とは異なるGW本番までの日数が、成績に如実に反映されている!?[c]2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

また初日から10日間での累計成績も、動員431万人&興収63億円突破という申し分のない成績を収めているのだが、こちらも昨年の同時点(動員447万人&興収65億円)をわずかに下回っている。これは先週の当記事でもやんわり触れたように、作品の期待値の高さとネタバレ忌避によって初週に偏重してしまう人気作の宿命のようなものが要因といえよう。あるいは、例年よりもゴールデンウィークが近いことも、鑑賞タイミングの面で少なからず影響しているのかもしれない。

ただそれ以上に考えられるのは、例年以上にライバルが手強いということだ。どの映画会社も『コナン』公開週に新作を封切ることを避ける傾向にあるが、ゴールデンウィーク興行に向けてはそれなりの大作をスタートさせざるを得ない。それぞれの詳しい成績は後述するが、今週は、小学生に絶大な人気を誇るゲームをハリウッドで実写映画化した『マインクラフト/ザ・ムービー』(公開中)と、中高生をメインターゲットに据えた娯楽ミステリー『#真相をお話しします』(公開中)が、公開2週目という脂の乗りきった『コナン』に真っ向から勝負を挑む格好となった。


GW期間中にもうひと伸びして、王者の威厳を見せつけるか
GW期間中にもうひと伸びして、王者の威厳を見せつけるか[c]2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

いまや『コナン』=世代を問わない国民的アニメとしてすっかり定着しているが、それでも若年層やファミリー層の集客は必要不可欠なもの。その点で、ターゲットが重複する上記2作にある程度ではあるが分散した可能性は否定できない。とはいえ、ここ数年の日本の映画興行のスタイルはメガヒットアニメの一極集中。それが洋画実写・邦画実写に分散して切磋琢磨の状態となるのはいいことであり、なによりも強敵がいてこそ“王者”は輝くものである。

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