映画ランキング - 国内映画
(2025/9/26~2025/9/28)
2025年9月29日
発表(毎週火曜更新)
2025年9月26日~2025年9月28日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『チェンソーマン レゼ篇』『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『沈黙の艦隊 北極海大海戦』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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1悪魔の心臓を持つ“チェンソーマン”になった少年が、公安対魔特異4課に所属しデビルハンターとして活躍する姿を描く藤本タツキによる漫画「チェンソーマン」の劇場版。主人公デンジ役の戸谷菊之介、マキマ役の楠木···もっと見る
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2鬼となった妹を人間に戻すため、鬼狩りの組織「鬼殺隊」に入隊した少年の戦いを描く「鬼滅の刃」の劇場版第2弾。3部作の第1章であり、テレビアニメシリーズ、劇場版第1弾に引き続き外崎春雄が監督を、ufota···もっと見る
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NEWかわぐちかいじ原作の実写映画『沈黙の艦隊』に続くシリーズ第二章で、北極海を舞台にした激しい魚雷戦と、地上で行われる衆議院解散総選挙の政治戦を描く。監督を引き続き吉野耕平が務める。『キングダム』の大沢た···もっと見る
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4東野圭吾のミステリー小説「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を福山雅治主演で映画化。実の父が何者かに殺されたことをきっかけに、その娘と叔父の元マジシャンがバディを組み、謎に挑む姿を描く。『ちひろ···もっと見る
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6妖精の力を借りて変身する魔法少女の活躍を描く、「プリキュア」シリーズの22作目「キミとアイドルプリキュア♪」の劇場版。「ひろがるスカイ!プリキュア」の小川孝治が監督を務め、咲良うた役の松岡美里、蒼風な···もっと見る
9月26日から9月28日までの全国映画動員ランキングが発表。先週、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)の“V10”に待ったをかけ、初登場No.1を飾った『チェンソーマン レゼ篇』(公開中)が今週も首位をキープ。その詳細は後述するが、まずは先週の当記事で見落としてしまっていた重要な点を取り上げていきたい。
それは、先週のランキングの1位から10位までを日本映画が独占したということ。一瞬「またか」と思ったが、あらためて調べてみると2023年4月以来2年5か月ぶりと、意外にも久しぶりの事態(その前は2022年の10月最終週だった)。昨年の2024年は著しい“洋画不況”といわれていたが、それでもトップ10の圏内から洋画が一本もいなくなることは一度もなかったのである。
2025年は初頭からアニメも実写も比較的順調な成績を収め、『ウィキッド ふたりの魔女』や『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』、『リロ&スティッチ』、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(公開中)などヒット作も連発。しかし夏の大作が落ち着き、そもそも少なかった秋シーズンの洋画作品が伸び悩んだこと、そして『鬼滅』や『国宝』(公開中)などの邦画作品の強さが際立ったことが主な要因として考えられる。
結果的に今週もめぼしい洋画のビッグタイトルの公開がなく、新たにランクインした新作タイトルも『沈黙の艦隊 北極海大海戦』(公開中)と『俺ではない炎上』(公開中)の邦画2本のみで、2週連続で邦画独占が継続。次週末以降、レオナルド・ディカプリオ主演の『ワン・バトル・アフター・アナザー』(10月3日公開)や『トロン:アレス』(10月10日公開)、『死霊館 最後の儀式』(10月17日公開)とトップ10入りは堅そうな作品が待機しているものの、“洋画閑散期”は少々長く続くかもしれない。
さて、ランキングの作品に話を戻そう。『チェンソーマン』『鬼滅』に次ぐ3位に初登場を果たしたのは、大沢たかお主演の『沈黙の艦隊 北極海大海戦』。初日から3日間の成績は観客動員が19万5000人、興行収入は2億8200万円。この成績は、2年前の同じ時期に公開され最終興収13億7000万円を記録した前作『沈黙の艦隊』(23)との対比で71%ほど。
前作のあと、映画版の未公開シーンやその後のストーリーを追加したドラマシリーズ「沈黙の艦隊 シーズン1 〜東京湾大海戦〜」が製作され今作に至るという、少々珍しい展開のしかたをしている「沈黙の艦隊」シリーズ。同様のケースでは、映画から始まりテレビドラマを経て映画3作が作られた「海猿」シリーズ、映画とドラマシリーズを経て来春に映画第2弾が控える「ゴールデンカムイ」シリーズが代表的なところだろう。
その「海猿」の映画第1作は興収17億4000万円とまずまずのヒットだったが、映画第2作でいっきに興収71億円へとジャンプアップし、その後も軒並み大ヒットを記録。「沈黙の艦隊」と「ゴールデンカムイ」がこの例に続けるかどうかがポイントとなるが、前者のドラマ版はPrime Videoでの配信、後者のドラマ版はWOWOWでの有料放送と、それぞれ形式が異なっている。「沈黙の艦隊」のドラマ版は配信時の視聴者数も反響も非常に大きかっただけに、今回の映画版の成績は、映画とドラマを往来する作品展開の重要な指標となることだろう。
2週連続で首位を飾った『チェンソーマン レゼ篇』の週末3日間の成績は、動員52万3000人、興収7億9970万円と、前週比65%の動員と64%の興収を記録。公開から10日間の累計成績では動員196万人&興収29億8000万円を突破しており、まだまだ数字を伸ばしていく可能性は非常に高い。
一方、公開11週目も2位をキープした『劇場版『鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、この週末3日間で動員27万1000人、興収4億4700万円を記録。動員&興収どちらも前週比69%と、そろそろ落ち着きはじめてきたようにも見えるが、それでも先週末から1週間で動員64万人&興収10億円を上乗せしており、累計成績は動員2426万人&興収350億円を突破。
9月25日の公開28日目に累計興収40億円に到達した『8番出口』(公開中)は、週末3日間で動員16万8000人、興収2億3600万円を記録して4位にランクイン。公開31日間の累計成績は動員301万人&興収42億円となり、着実に興収50億円の大台に近づきつつある。
また、公開17週目を迎えてもなおトップ5圏内を守りつづけている『国宝』は、累計成績で動員1092万人&興収154億円に到達。引き続き平日の動員では上位作品に負けない安定感を見せているようで、前週末からの上乗せも動員では42万人、興収では5億円以上と衰え知らず。日本の実写映画歴代No.1に君臨する『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03)との差は、あと20億円を切っている。
以下は、1~10位までのランキング(9月26日〜9月28日)
1位『チェンソーマン レゼ篇』
2位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
3位『沈黙の艦隊 北極海大海戦』
4位『8番出口』
5位『国宝』
6位『ブラック・ショーマン』
7位『映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!』
8位『俺ではない炎上』
9位『宝島』
10位『ひゃくえむ。』
今週末はレオナルド・ディカプリオとポール・トーマス・アンダーソン監督がタッグを組んだ『ワン・バトル・アフター・アナザー』、水上恒司と山下美月、Snow Manの宮舘涼太の共演で同名ミステリ小説を映画化した『火喰鳥を、喰う』(10月3日公開)、村上春樹の短編集をベースにしたNHKドラマの劇場版『アフター・ザ・クエイク』(10月3日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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