日本の人気作家も騙された!?アン・ハサウェイ主演『ヴェリティ/真実』に4人の文筆家が取り憑かれたワケ「どうやらこの映画、一筋縄ではいきません」
エッセイスト&コラムニストは“人間の業”をあらわにしたリアリティに着目!
「とにかく目の離せないストーリー展開で最後の1秒まで食い入るように鑑賞しました」と本作の魅力に取り憑かれた様子で語るのは、エッセイストの犬山紙子。鳴かず飛ばずの小説家であり、すっかり自信を失っていたローウェンは、ヴェリティの夫ジェレミーに自身の作品や人間性を肯定されることで、許されざる彼への想いを募らせていく。「自分のことをわかってくれて、無邪気に承認を与えてくれる素敵な人に出会ったら、依存してしまうということにも非常にリアリティがある」と、物語の中核を担うローウェンに共感しながら、そのキャラクター描写に熱烈な賛辞を送る。
そのうえで、「物を書いているものとして一番ゾッとしたのは、最初ゴーストライターを断っていたローウェンが、ヴェリティを乗っ取りどんどん真似していく」と、ローウェンのなかに潜む狂気についても言及。果たして彼女は、ゴーストライター業を通してどんな変身を遂げるのだろうか。
また、コラムニストの山崎まどかも「ベストセラー作家vs駆け出しの新人作家のせめぎ合いは、その構造からしてサスペンス」と本作の設定の妙味に触れながら、「作家がストーリーを紡ぐことによってどれだけ他人を操れるか。そこに触れている点が魅力的でした。SNSでデマに踊らされる人も、『情報』というよりも『物語』に弱いのではないでしょうか」と、緻密な人物描写の奥に現実社会にも通じるテーマがあることを指摘した。
3人の名俳優が繰り広げる演技バトルにくぎづけ!
本作を語るうえで欠かせないのは、ハリウッドを担う超実力派俳優3名の熾烈な演技バトル。日本でも絶大な人気を誇り、コメディエンヌから狂気的な役柄まで演じきるたしかな実力で、2026年に立て続けに公開された出演作が軒並み大ヒットを記録しているアン・ハサウェイ。「フィフティ・シェイズ」シリーズで魅せたコケティッシュな演技でブレイクを果たし『マテリアリスト 結婚の条件』(26)でも話題を集めたダコタ・ジョンソン。そして青春スターとして脚光を浴びてから四半世紀余り、近年では『トラップ』(24)での殺人鬼役など演技の幅を格段に広げたジョシュ・ハートネット。
彼らが抜群の演技力をもって体現する、真実と嘘、善悪の境界線が揺れ動く豊潤なミステリー世界に、4名の文筆家たちもすっかり虜に。浅倉は「脚本以上に役者の『顔』が物語に説得力をまとわせていた」と語り、犬山も「狂気と苦しみの透明な瞳をした、見たことのない凄みのあるアン・ハサウェイの演技にも引き込まれる」と、従来の華やかでポジティブなイメージを覆すハサウェイの新境地に脱帽。
かねてからジョンソンの大ファンだったという山内は「ダコタが大量の創作メモと格闘しながらカードを並べてストーリーを構想していく場面だけでも切り抜き動画にしたくなるほどぐっときました。大成功した作家を演じるアン・ハサウェイの毒っけに笑いつつ、ジョシュ・ハートネットの変わらないガタイの良さに目を奪われつつ…」と陶酔。山崎も「女性側の視点で『良き夫』にも『危険人物』にも見えるジョシュ・ハートネットの揺らぎに注目です」と、各々が本作を彩る三者三様の魅力を語っている。
「一筋縄ではいかない…」ラスト10分がすべてを覆す
“ラスト10分ですべてが覆る”と銘打たれているように、幾重ものどんでん返しが待ち受けている本作。ヴェリティの原稿から端を発した衝撃の結末が、観る者を震撼させる。山崎は「原作がベストセラーだけあって、ケレン味たっぷり。結末の解釈をめぐって、読者たちが二手に分かれていまだに戦っているというのも納得です。この映画化作品によって、その論争にさらに火がつくのでは」と、原作の反響の大きさに触れながら期待を寄せる。
浅倉も「『この手のどんでん返しで来ましたか!』ニヤリと微笑みながらエンドロールを眺めれば、いや待てよと小さな違和感が脳裏で弾ける。どうやらこの映画、一筋縄ではいきません」と、その衝撃の大きさと、ねっとりまとわりつくような鑑賞体験となることをアピール。いったいなにが“真実”でなにが“嘘”なのか…。ぜひとも劇場でそのラストを目撃し、闇深い迷宮へと彷徨い込んでみてはいかがだろうか。
