川口春奈×高杉真宙が映画『ママがもうこの世界にいなくても』に向き合い感じた日常生活の尊さと大切なこと

川口春奈×高杉真宙が映画『ママがもうこの世界にいなくても』に向き合い感じた日常生活の尊さと大切なこと

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21歳で「ステージⅣの大腸がん」を宣告され、24歳で旅立つ10日前まで綴り続けた遠藤和さんの手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』(10月2日公開)。抗がん剤治療を中断して子どもを産むという、世間の目も愛する家族の心配も受け止めたうえで、正解のない問いに向き合い続けた遠藤夫妻の愛の記録を映しだしている。

若くしてステージⅣの大腸がんを宣告されるという重い現実がありつつも、懸命に生きようと一緒に歩むことを決意する主人公の和を川口春奈、夫の将一を高杉真宙が演じ、過酷な現実に直面しながらも、幸せを求めて歩み続ける2人の選択、支え合う夫婦の愛と葛藤を丁寧に描いていく。「後悔しながら死にたくない」と強く願う和、そんな彼女を「一生大切にする」と決意を固め、誰よりも和のことを想い愛しぬいた将一を演じた川口と高杉の2人に、遠藤夫妻の決断や生き方についてや、撮影で印象に残っていること、共演の感想などを訊いた。

「自分なりの解釈で、家族や将一さんに向き合っていけたらと考えていました」(川口)

——和と将一はかなり若い年齢で様々な決断をしていきます。脚本や原作を読んだ時、和と将一の決意、生き方をどのように感じましたか?

川口春奈(以下、川口)「計り知れない迷いがあったり、覚悟が必要な日々を過ごしてきたお2人だと思うのですが、本当に愛に溢れているという印象を受けました。和さんと将一さんの決意は、お2人にとって正解であり、お2人なりの答えだというのが原作を読んでいても伝わってきますし、実際にお芝居をしていてもそう感じました。覚悟や信念をまっとうするブレない芯のようなものをすごく感じました」

高杉真宙(以下、高杉)「多くの選択のなかで2人が選んだというのは、周りに対しても大きな影響を与えるものだったと思うし、その選択があったからこそ、僕ら自身も和さんと将一さんに出会えたというのをすごく感じます。おそらく2人にとって多くの不安があったとは思いますが、いま、こうして多くの方に彼女という人物を、その存在を知ってもらうことになったんだなと実感しています」

——和、将一を演じる際に大切にしていたこと、軸としていたことなどをお聞かせください。TV番組に出たお2人の姿が役作りに影響した部分はありますか?

「笑ってコラえて!」に出演していた和さんと将一さんを演じた、川口と高杉
「笑ってコラえて!」に出演していた和さんと将一さんを演じた、川口と高杉[c]遠藤和/小学館 [c]2026「ママがもうこの世界にいなくても」製作委員会

川口「TV番組での彼女は、すごく明るくてはつらつとされている女性だと感じました。その明るさや芯の強さがベースにあり、さらに面倒見がよくて責任感があるというのもすごく感じました。画面に映る和さんに似せようとは思わず、自分なりの解釈で、家族や将一さんに向き合っていけたらと考えていました。あとは現場で作りながら、話しながら探っていけたらいいのかなと思っていました」

——現場には将一さんもいらしていたとのこと。なにかお話などはされたのでしょうか。

高杉「たくさんお話をする時間はなかったのですが、実際にお目にかかった将一さんは僕が演じた彼のその後の将一さんなので、その時の将一さんから実際にお芝居に取り入れたというものは具体的にはないのですが、いまの将一さんはここから始まっているんだ、という気持ちでお会いさせていただきました。TV番組で観た段階の将一さんと和さんの関係性や、和さんに対する想いみたいなものは、参考になったと思っています。演じるうえで大切にしていたのは、とにかく精一杯の気持ちでのんちゃん(和)を支えるということ。そして、日記のなかにある、将一さんのいまの想いという部分は僕にとって、大切にしていた言葉かもしれないです」

——お2人でのシーンがとても多かったと思います。向き合ってお芝居をするなかで印象に残っていること、現場でのやりとりなども含めてお聞かせください。

川口「ほとんどのシーンで、テストもリハーサルもそれ以外の瞬間でも監督を含めてコミュニケーションをとるという、とても贅沢な現場でした。すべてのシーンで必ずなにかを話して、ディスカッションをして決めて作っていく撮り方でした。瞬間瞬間を捨てずに拾ってくださる監督で、スタッフの皆さまとひとつずつ一緒に作っていく感覚がすごくありました」

——今回は順撮りをされたと伺っています。

【写真を見る】夫婦役を演じた川口春奈と高杉真宙。役さながらの絆を感じさせるツーショット
【写真を見る】夫婦役を演じた川口春奈と高杉真宙。役さながらの絆を感じさせるツーショット撮影/木村篤史

川口「いろいろな出来事や覚悟を表現していくには、やはりバラバラに撮るよりも、順撮りのほうがよかったと思っています。和さんの身体の変化も順撮りでなければできない部分でもあったので、順を追って一つずつ丁寧に重ねていくやり方は、個人的にはありがたかったです」

高杉「演じながら寂しさを強く感じる現場でした。幸せな部分と、これから起こっていくことに対する不安などに向き合わなきゃいけない現実。そのギャップが自分のなかにすごくありました。順撮りは将一を演じる環境を作るうえで、すごく大事な要素になってくれました。そういう意味も含めてすごく恵まれた現場だったと思います。考える時間も撮影をする時間もたくさんもらえて、役に向き合える時間も十分にある現場という意味で、すごく贅沢。和と将一として撮られていたのだけど、僕らが向き合った時間を切り取られたような撮られ方のような感覚があります」

——プロダクションノートによると、2人が卵子凍結について意見をぶつけ合うシーンは長回しでの撮影だったそうですね。3時間かけてのテストを実施とも書いてあり、丁寧に作り上げた作品という印象を受けました。

高杉「撮影としても結構序盤のシーンでしたよね」

川口「舞台のような感覚があり、すごく贅沢な時間だったなと改めて感じています。あのシーンは、山戸監督も撮影の時からすごく大切にしてくださっている印象があります。プロセスをしっかり踏んで、丁寧に時間をかけていろいろとトライしてみる時間、環境を作ってくださっているのを感じました」

——高杉さんはご自身が出ていないシーンでも現場で見守っていたと伺いました。


順撮りすることで、役への表現を追求することができたそう
順撮りすることで、役への表現を追求することができたそう[c]遠藤和/小学館 [c]2026「ママがもうこの世界にいなくても」製作委員会

高杉「のんちゃんが倒れるシーンは実際に一緒にはいないので、どんな状況だったのかなと思いながら見に行ったりすることはありました。ほとんど一緒のシーンだったこともあって、一緒じゃないシーンでののんちゃんが気になるというか。見たい、見届けたいという気持ちで自分の出番よりも早めに現場に入って、撮影の様子を見ることはありました」

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