トム・ホランドとアン・ハサウェイが語る『オデュッセイア』の凄み「何千年も語り継がれた物語は、まるで“生き物”」
『オッペンハイマー』(23)で悲願のオスカーに輝いたクリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』(公開中)。2800年の時を超えて語り継がれてきた、古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスによる英雄譚「オデュッセイア」を映画史上初めて全編IMAX撮影で描きだした本作は、すでに全世界興収16億ドルを突破しノーラン監督作品史上最大のヒット作となると共に、第99回アカデミー賞の大本命との呼び声も高い超大作だ。
トム・ホランドが圧倒された、“ノーラン流”のアクションとは?
そんな本作で、マット・デイモン演じる英雄オデュッセウスの帰還を信じる息子テレマコスを演じたのは、現在歴史的メガヒットを記録している『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(公開中)などMCU版「スパイダーマン」でピーター・パーカー/スパイダーマン役を演じているトム・ホランド。「この前、映画館へ行ったら『オデュッセイア』の予告編が流れ、僕が映っているカットがありました。その瞬間、子どものころに初めてスクリーンに映る自分の姿を観た時のことを思い出しました」と感慨深げに語る。
映画デビューからおよそ15年。マーベル作品はもちろんのこと、ロン・ハワード監督やジェームズ・グレイ監督など名だたる監督たちと作品を共にしてきたホランドだが、ノーラン監督とはこれが初タッグ。「本当に光栄なことです。これがどれだけ刺激的なことか、言葉にするのは難しい。クリス(ノーラン監督)は唯一無二の存在で、この業界にいながら独自の世界を築いている。その世界に迎え入れてもらえたことがとてもうれしくて、いまでも夢なんじゃないかと思うほどです」。
「スパイダーマン」シリーズのスタント・コーディネーターでもあり、ノーラン作品にも携わってきたジョージ・コトルから“ノーランの映画づくり”について長年話を聞いていたというホランド。「どれだけ違うんだろうか?と想像していたけれど、やはり直接体験してみないとわからないものです」と、撮影初日からその規模の大きさに圧倒されたことを告白。「IMAXカメラに最適な演技を把握する必要もあり、俳優としてまた一からやり直さないといけないかもと感じるほどでした。でもクリスたちは、僕が慣れるように十分な時間を確保してくれました」。
特にホランドが苦戦したというのは、「スパイダーマン」さながらのアクションを“マスクを被らずに”こなすことだったようだ。「アクションのためのアクションではなく、人物を際立たせて物語を進めるためのアクション。マスクをかぶって演じることに慣れていたから、相手の動きを意識することをあまり考えたことがありませんでした。どうすれば派手なアクションのなかにリアルな芝居を落とし込めるのか。もっと学ばなければならなかったんです」。それでも持ち前の身体能力の高さを活かして演じ切ったホランドに、ノーラン監督も最大級の賛辞を送ったのだとか。

