「神という存在自体が魅力的」…漫画「終末のワルキューレ」作画担当アジチカが映画『オデュッセイア』描き下ろしイラストと共に神話の魅力を語る
「神というどうやっても敵わない大きなものに包まれてもがいているイメージ」
荒れ狂う海に一つ目の巨人キュクロプス、魔女キルケ(サマンサ・モートン)、歌声を聴いた者には死が訪れるという美しきセイレーン、危険な色香が匂い立つ海の精霊カリュプソ(シャーリーズ・セロン)、さらに神々までが有無を言わさぬ存在として故郷を目指すオデュッセウス一行に立ちはだかる。「人ならざる者たちに感じる畏怖感や臨場感もすばらしかったです」という言葉通り、実写映像で具現化された神話の世界の住人たちの迫力、不気味さにアジチカも圧倒されている。
今回の描き下ろしイラストに詰め込まれているのもまた、このような人智を超えた存在に対する無力さだ。「神というどうやっても敵わない大きなものに包まれて、もがいているようなイメージを与えられたらいいなと。バックを宇宙のような夜空にして、オデュッセウスが無重力のなかをもがいているようにも見えるポーズにしました」。
「神は存在自体が魅力的でスケール感だけでおもしろい」
漫画「終末のワルキューレ」は、人類の存亡を懸け、全世界の神々と歴史上の偉人が1対1のタイマンバトルを繰り広げるバトルアクション。神々が人類の前に立ちはだかるという意味では、映画と類似するところも多い。この“神”という存在についてアジチカは、「存在自体が魅力的だなと思っています。神が、いわゆる神っぽく壮大で偉大な存在でも、そのスケール感だけでおもしろいですし、逆に人間っぽいことをしても意外性がおもしろい。もはやおもしろさの勝ち確ですね」とその魅力を分析する。
続けて、「ギリシャ神話といえば、やっぱり人間味のある神が多いというイメージです」とも説明。神々の多くが気まぐれで時に人間を振り回す展開は神話世界の定番であり、本作においても海が荒れたり嵐に見舞われるのは海の神ポセイドンの怒りだと恐怖し、天空や雷を司るゼウスが物乞いのふりをして訪ねてくるという伝説から、誰であっても客人は丁寧にもてなさないといけないという“ゼウスの掟”が崇められている。
ポセイドンとゼウスは漫画「終末のワルキューレ」にもケレン味たっぷりに登場。神々を描くうえで大事にしていること、おもしろさについては、「『終末のワルキューレ』はゼウスやポセイドンを“キャラクター”として描いているので実際の神話とは全然違ったりもするのですが、ギリシャ神話の数々の逸話や破天荒なエピソードのおかげで全然やりすぎにならないというか、私たちがどんなキャラクターにしようとも、神話がそれを上回ってくるので安心して描いています」とのこと。オリジナルそのものがぶっ飛んだ存在であるとユニークな解釈を述べてくれた。
作画:アジチカ 原作:梅村真也 構成:フクイタクミ
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