漫画家・文筆家・画家ヤマザキマリが映画『オデュッセイア』と描き下ろしイラストでコラボ!「生きていくのが困難な現代のヒントが山ほど描かれている」
「失意や絶望を感じてきた、それでも生き続けようとするオデュッセウスを表現」
今回、ヤマザキが描き下ろしたイラストには、髪や髭が伸び放題でボロ布を纏い、疲弊仕切ったように座り込むオデュッセウスの姿が描かれている。「人生は長い旅であり、その困難と体当たりで向き合いながらも生き続け、自分が帰属しているなにかを漠然と模索してるオデュッセウスの佇まいを描きました。人間はだれであろうと、若かろうと歳を重ねていようと、辛い目に遭うとボロボロになった心地がすると思います。この絵では、あらゆる失意や絶望を感じてきたにも関わらず、それでも生き続けようとするオデュッセウスの運命に背かない意志と諦観を表現してみました」。
「生きていくのが困難なこの時代にヒントとなることが山ほど描かれている」
改めて、映像作家クリストファー・ノーランに共感するポイントに、「デジタルで撮らないところは自分もアナログな人間なので共感しますね」と語るヤマザキ。最後に、『オデュッセイア』の公開を待つファンに向けて、本作を観るうえでのポイントを語ってもらった。
「事前に原作を読まないと、といった前準備は一切必要ありません。むしろ、私たち日本人が慣れ親しんだ、鬼や海坊主みたいな民間信仰や、日本の神話を重ねてみてもいいかもしれません。とにかくこの映画には、生きていくのが困難なこの時代にヒントとなるようなことが山ほど描かれています。見終わったあと、なぜこの物語が2800年もの間人々に読み継がれてきたのか、なぜいまでも映画の題材になるのか、深く納得がいくのではないかと思います」。
取材・文/清藤秀人
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