山崎努が村人32人殺しの狂気を怪演…!1977年版『八つ墓村』が創出したトラウマ級の恐怖に迫る

山崎努が村人32人殺しの狂気を怪演…!1977年版『八つ墓村』が創出したトラウマ級の恐怖に迫る

清水崇が監督を務め、尾上松也が名探偵の金田一耕助を演じる『八つ墓村』が9月18日(金)に公開される。横溝正史によるこのミステリー小説が映画化されるのは、今回で4度目。数ある金田一耕助映画のなかで最大のヒット(配給収入19億8600万円)を記録したのが、野村芳太郎が監督した1977年公開の『八つ墓村』だ。9月16日(水)にその4Kデジタル修復版のBlu-ray、DVDが発売されることを記念して、この作品の魅力を見つめ直してみよう。

『八つ墓村 4Kデジタル修復版 Blu-ray』が9月16日(水)に発売
『八つ墓村 4Kデジタル修復版 Blu-ray』が9月16日(水)に発売価格:4,620円 発売・販売元:松竹 [c]1977/2026松竹株式会社

映画『八つ墓村』までの紆余曲折

1974年10月、野村芳太郎や脚本家の橋本忍が参加した橋本プロダクションの第1回作品として、松本清張原作の『砂の器』が公開された。この映画は74年公開の日本映画で、第3位の配給収入を上げるヒットになった。野村監督は『張込み』(58)、『ゼロの焦点』(61)、『影の車』(70)といった松本清張原作の推理映画を作ってきたが、その集大成にして決定版としての発表だった。

映画を配給した松竹の社員だった小林久三は、『砂の器』公開中の74年暮れに、映画製作本部長に呼ばれ、野村監督の次回作の企画を準備するように命じられる。小林と野村監督は企画の検討を4か月続け、松本清張作品のようなリアルな社会派推理映画から方向転換して、怪奇色と伝奇ロマンあふれる横溝正史の世界を映像化することに決めた。

題材は横溝作品のなかから「八つ墓村」が選ばれた。出生の秘密を持つ青年、寺田辰弥が八つ墓村を訪れ、連続殺人事件に巻き込まれていくこの小説は、1968年に「週刊少年マガジン」誌上で影丸譲也が漫画化して人気を博し、原作小説は1971年4月に角川文庫として発売されてベストセラーになっていたのである。


こういう流れのなかで75年4月、当時の角川書店社長である角川春樹から、松竹に映画『八つ墓村』を共同製作する企画が持ち込まれる。だが双方の予算にかんする考え方が折り合わず、角川は『八つ墓村』から下りることに。その後、角川は自分で映画製作の事務所を立ち上げ、別の横溝作品を映画化した『犬神家の一族』(76)を、市川崑監督、金田一耕助役に石坂浩二で発表。これが角川映画第1弾として、日本映画界に旋風を巻き起こすことになった。

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