トム・クルーズが『DIGGER/ディガー』予告ローンチイベントに登壇!初タッグを組んだアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督のもと、中年太りの“石油王”をどう演じた?
「この映画を作るため、私はすべてを注ぎ込んだ」
一方、現在本作の編集作業の最終段階に差し掛かっているイニャリトゥ監督は、ロンドンのスタジオからイベント会場へビデオメッセージを寄せ、「この作品は頭から離れないひとつの“執念”から生まれ、完成させるまでに10年を要しました。私が探していたのは、物語ではなく、物語を語るための正しい方法だったからです」と本作への思い入れの強さを説明。
ディガー役にトムを選んだ理由について、「よく訊かれることですが、私にとってそれは『喉が渇いたらなぜ水を飲むのか?』と訊ねられるようなものです。必要だったから。この映画には、絶対にトムが必要でした」と断言し、「私たちは21世紀の初め頃から一緒にしたいと願っていましたし、私自身も長年、俳優としての彼を強く尊敬してきました」。
さらに「トムは一人の人間として、これまで彼が見せてきたすばらしい演技以上に並外れた人物だということにとても驚かされました。ある時、彼は私に『この人物になるまで40年かかったんだ』と言いました。長年積み重ねてきたキャリアのすべてを、この一つの瞬間へと注ぎ込むことがどういうことなのか、私たちは互いによく理解していました。私たちはこれほどの挑戦を、いや、これに近いことすらこれまで一度もしてこなかったのです」と力説。
そして「この映画を作るために、私はすべてを注ぎ込みました。これほど徹底した準備をして臨んだ作品はありません。すべてのカット、すべてのレンズ、色彩から衣装、登場人物や背景、あらゆる層や象徴まで、この作品に偶然存在しているものはひとつもない。ビスタビジョンで撮影したのも、そのスケールがふさわしいからです」と語り、「すばらしいスタッフや夢のようなキャスト、私の頭の中にしか存在していなかったものを信じてくれた人々に救われました」と、関係者への感謝を述べた。
近年、自身の出演作に限らず、映画館で映画を鑑賞することの価値を世界中に発信しつづけていることでも知られるトム。今回のイベントのなかでも「私自身、一人の観客として映画が大好きで、たくさんの観客と一緒に作品を観ることが好きです」と“映画館愛”を説き、「観客の皆さんに映画の世界へどっぷりと入り込んでほしい。そのために必要なことがあれば、なんでもやります」と宣言。
「この映画はあらゆるレベルで本当にすばらしく、アレハンドロという人の美意識の高さが、細部のひとつひとつにまで表れています。この映画をご覧になっていただければ、高度な技術や幾重もの独創性が注ぎ込まれているのかおわかりになると思います」と、自信たっぷりに映画館での鑑賞を呼びかけていた。
文/久保田 和馬
