『スーパーガール』クレイグ・ギレスピー監督が語る新ヒーロー誕生秘話「まだ色のついてない役者と共に成長しきれてないキャラクターを描くのはまたとないチャンス」
ジェームズ・ガンが共同会長兼CEOに就任したことで大きく方向転換したDCスタジオ。ガンは、自身が脚本を書きメガホンを取った『スーパーマン』(25)でその新しい方向を示してくれた。ザック・スナイダーが描いた苦悩ゆえに闇を引きずるスーパーヒーローとしてではなく、もっと明るく善良な存在。夜ではなく昼の太陽を感じさせ、観客をハッピーな気分にさせてくれるキャラクターとして、スーパーマンを甦らせたのだ。そして、その新生DCスタジオの第2弾『スーパーガール』が公開された。
「カーラは“スーパーヒーロー”になりたいなんて望んでいません」
本作の製作を務めるガンが白羽の矢を立てた監督は『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(17)などで知られるクレイグ・ギレスピー。この手のスーパーヒーロー作品は初とあって、少々意外なチョイスとも言えそうだ。「ある時“『スーパーガール』の脚本を送ります”という連絡を受けてワクワクしたのが始まりでした。コミックに詳しいとは言えませんが、アナ(・ノゲイラ)の脚本がすばらしく、これはぜひやってみたいと思ったんです。おっしゃるとおり、こういう大作は初めてです。でも、監督としては、いつか大きなキャンバスで物語を描いてみたいという気持ちがありました。そして、私が撮ってきた映画との違いと言えば、製作期間が長くVFXが多いだけだろうと思っていたのですが、実際にそうでした。なので、不安になることはありませんでしたね」。
アナ・ノゲイラは次のDCスタジオで映画化される「ワンダー・ウーマン」の脚本も手掛けることになっている注目のライター。本作ではスーパーガール/カーラ・ゾー=エルをギレスピーいわく「ほとんどアンチヒーローに近い存在」として描き、彼を夢中にさせたのだ。「カーラは自分自身の“声”を探している途中で、いわゆる“スーパーヒーロー”になりたいなんて望んでいません。スーパーマンとはいとこ同士とはいえ、そういう型にはめられるのを嫌い、独立精神にあふれています。倫理観も曖昧なくらいですからね!私はそういう彼女に本当に惹かれてしまいました。これまで『アイ、トーニャ』や『クルエラ』を手掛けていますが、私にとってそれらの作品の最大の魅力はキャラクターだったからです」。
そのスーパーガール/カーラを演じるのはドラマシリーズ「ハウス・オブ・ドラゴン」(22~)で注目されたミリー・オールコック。彼女はギレスピーが決まる前にキャスティングされていた。2人とも、オーストラリア出身という共通点もあり、相性はとてもよかったようだ。「彼女のことは、オーストラリアで出演していた作品も観ていましたし、演技力に関してはなんの問題もないと確信していました。監督としては、まだ色のついてない役者と、まだ成長しきれてないキャラクターのコンビネーションで物語を描けるというのは、またとないチャンスです。しかもミリーとカーラは、見事なほど合っていますからね。映画作りでもっとも難しいのはキャスティングです。その難事業が、参加した時には完了していたというのは監督としては最高ですよ」。
