韓国で社会現象を巻き起こした恋愛映画『サヨナラの引力』が生まれた理由とは?キム・ドヨン監督が語る制作秘話
ク・ギョファンとムン・ガヨンが主演を務める『サヨナラの引力』(7月3日公開)。本作の監督を務めたキム・ドヨンのインタビューと新場面写真が到着した。
本作は2025年の⼤晦⽇に韓国で公開され、公開2週⽬以降に⼝コミで順位を伸ばし、3週連続で週末興⾏ランキング1位を記録、観客動員260万⼈を突破したラブストーリー。地⽅からソウルへ上京し、夢を抱いた⼤学⽣のウノとジョンウォン。かつて深く愛し合いながらも別れを選んだ2⼈が、10年ぶりの再会を機に思い出をたどる。不器⽤ながらも誠実な⼯学部⽣ウノを演じるのは、ドラマ「D.P.−脱⾛兵追跡官−」「寄⽣獣 ーザ・グレイー」に出演し、昨年⽇本で公開された『脱⾛』(24)で強烈な印象を残した実⼒派俳優ク・ギョファン。厳しい現実のなかで建築家を⽬指すジョンウォン役には、「⼥神降臨」で⼈気を博したムン・ガヨン。
韓国では公開後、口コミによって観客が増え、3週連続で週末興行ランキング1位を記録。監督のドヨン自身も、この作品が多くの観客に支持された理由として、誰もが経験する忘れられない恋への共感に加え、青春時代の夢や挫折を描いた普遍性、2008年から現在に至る韓国社会の変化を背景にした時代性、そして主演を務めたギョファンとガヨンのリアルな演技があったと振り返る。
『サヨナラの引力』の原作は、中国で大ヒットした『僕らの先にある道』(18)。ドヨンは、リメイクを手がけるうえで「愛し合っていたのに別れなければならなかった2人」という普遍的な感情に強く惹かれたと振り返る。また、夢と現実の狭間で揺れ動く若者たちの姿が韓国社会にも自然に重なると感じたことが、本作を韓国版として描こうと思った理由の一つだったという。「もしあの時、違う選択をしていたら」という誰もが抱く後悔や未練も、本作の大きな魅力だと語った。
韓国版を手がけるにあたり、ドヨンが大切にしたのは、恋愛そのものだけではない。恋愛は個人の感情である一方で、人は社会のなかで生きており、その影響を受けざるを得ない。2008年という時代設定には、夢を追う若者たちが現実の壁にぶつかりながら、それでも誰かを想い、人生を選び取ろうとする姿を映しだす狙いがあったという。
そのなかでも監督がこだわったのが、ガヨン演じるジョンウォンの描き方だ。ジョンウォンを単なる“元恋人”ではなく、自分の夢や人生を主体的に生きる女性として描くことに重点を置き、原作とは異なる韓国版ならではのヒロイン像を作り上げていった。初の映画主演に挑んだガヨンにとっても、本作は新たな一面を見せる挑戦となり、第62回百想芸術大賞にて映画部門・最優秀演技賞(女性)を受賞するなど高い評価を受けた。
また、ギョファンとガヨンのリアルな関係性も、本作の大きな魅力となっている。今作が初共演となった2人は、物語の流れに沿って撮影を進めるなかで少しずつ息を合わせていった。ドヨンも2人の解釈に耳を傾けながら、対話を重ねてウノとジョンウォンの関係性を丁寧に積み上げていったという。
インタビューとあわせて解禁されたのは、ウノとジョンウォンの過去と現在を捉えた新場面写真。お互いの夢に向かって切磋琢磨する大学時代のウノとジョンウォン、そして10年後に再会を果たした2人の姿が捉えられている。ゲーム作家を目指すウノと、建築家になる夢を持つジョンウォン。未来を信じ、互いを支え合っていた若き日の2人と、時を経て再び向き合うことになった2人の姿が、物語のせつなさと余韻を伝えている。
青春を輝かせた忘れられない恋と人生の選択を描く『サヨナラの引力』。珠玉のラブストーリーを映画館で堪能して!
文/サンクレイオ翼
