ドウェイン・ジョンソン×ベニー・サフディ監督が振り返る『スマッシング・マシーン』での初タッグや1990年代への想い「模索していた時代だった」
1990年代後半から2000年代前半における総合格闘技の世界で、“霊長類ヒト科最強”と呼ばれたマーク・ケアー。A24製作の『スマッシング・マシーン』(公開中)では、リングネーム“ザ・ロック”として活躍したプロレスラーであり、ハリウッドのトップスターでもあるドウェイン・ジョンソンが、ケアーの知られざる挫折と再生の人生を演じているキャスティングの妙がある。これまでのイメージを覆す彼の繊細な演技は、第83回ゴールデン・グローブ賞ではドラマ部門の主演男優賞候補となるなど高く評価された。MOVIE WALKER PRESSでは、来日したベニー・サフディ監督とハワイからオンラインで参加したドウェインにインタビューを実施。日本でもロケ撮影が行われた本作の時代背景などについて語ってもらった。
「対話の中で共通の理解が生まれ、とてもリアルで鮮やかなマーク・ケアー像をスクリーンで再現できた」(サフディ監督)
ドウェインとサフディ監督が組むのは今作が初めて。ケアーの人生を描くにあたり、ドウェインのキャスティングが欠かせないと考えたサフディ監督は、彼と親交のあったエミリー・ブラントにつないでもらえないかと打診したという。本作でブラントは、ケアーの恋人であるドーン役を演じているが、『オッペンハイマー』(23)では俳優として出演したサフディの共演者という縁があったのだ。
初対面の印象についてサフディ監督は「ドウェインと初めて会った時、“あ、この人わかる”という感じがしたんです。うまく言語化できないのだけれど、お互いが経験してきたことを学ぶにつれて、いろいろと分かち合えたんです。そういう対話の中で共通の理解が生まれ、深く協力し合い、とてもリアルで鮮やかなマーク・ケアー像をスクリーンで再現できたと思っています」と述懐。その言葉を受けたドウェインは「ベニーに会ってからは、すべてがとても明確になりました。いまここで使った言葉にもいくつか意味を成すものがあり、例えば彼は“鮮やか”と言いましたよね。ベニーは、とても“鮮やか”で、感情的な推進力を持つキャラクターを作り出します。彼らは深く(心に)傷を負っていて欠点がありますが、同時に救済ももたらします。アートはアーティストを反映するものですから、これはベニーにとって非常に特別な作品となると思っていました」と応えた。
「私の勇気を劇的に試すことができる初めての映画でもありました」(ドウェイン)
これまでベニー・サフディは、“サフディ兄弟”の名義で兄のジョシュ・サフディと共に第27回東京国際映画祭でグランプリに輝いた『神様なんかくそくらえ』(14)や、第70回カンヌ国際映画祭のコンペに選出された『グッド・タイム』(17)を監督してきたが、『スマッシング・マシーン』は監督として初単独名義の作品。このことについてドウェインは「私はベニーの初めての映画である『スマッシング・マシーン』で、彼の共同制作者、パートナーになれたことにとても興奮しました。それは、私の勇気を劇的に試すことができる初めての映画でもありました。だから、ベニーのことを本当に知りたかったのです。なぜなら、この映画がベニーを監督として、アーティストとして、そして人間として定義づける作品になるだろうとわかっていたから」と、自身がプロデューサーとしても本作に参加した理由も明かした。
