丸山隆平が「貪欲に頑張った」『名無し』でにじませた人間味。SUPER EIGHTから受ける刺激と現在地を語る
「SUPER EIGHTのメンバーはそれぞれ、頑張り方や美徳、信念など、より色濃くなってきている」
人とつながることができない主人公が見上げる空は、彼の目に“黒いもの”として映っている。10代のころからアイドルとして活躍し、俳優としての存在感もしっかりと確立してきた丸山だが、歩みを進めるうえで、空が暗く見えてしまうような苦労を味わった時期はあるのだろうか。
丸山は「コロナ禍でエンタメが後回しにされていったり、事務所の今後について考えていた時期は、“これからどうしていったらいいんだろう”と不安になったことがあります」と告白。「でもそういった時こそ、エンタメや僕らの活動が渇望されているものだと知ることができたり、僕のやることは、誰かに夢を見てもらえるような仕事をすることなんじゃないかと噛み締めることができました」と人生の苦境や分岐点は、自らの足元をしっかりと見つめ直す契機にもなったといい、「いろいろなことをエネルギーにしながら、作品を通して楽しんでもらう。それこそが、僕らの仕事」とエンターテイナーとしての覚悟を握りしめる。
1983年生まれの、42歳。40代に突入してから、走り方に変化が生まれてきたとも。「10代、20代はとにかくガムシャラ。“怪我をしようがどうしようが、関係あらへん!”と無敵な感じがしていました」と笑いながら、「40代は、自分の身体、そして周りの方々に相談させてもらうことも増えました。例えば舞台などに出演させていただくとそれなりの公演数があるので、やっぱり健康面が心配になります。周囲から、“長く続けていくためには、どうすればいいか”という知恵を借りるようになりました」としみじみ。
「例えば、4月まで出演していた舞台(『oasis』)ではおんぶをするシーンがあって。そこで腰を痛めてしまったら終わりですから。もちろんできることはすべて一生懸命やるけれど、“頑張ります!”だけでは成立しづらくなってくる。迷惑をかけることなく、どうすれば求められていることに最大限応えられるのか。そうやって冷静に先を見据えながら、チャレンジするようになったと思います」と責任感と真摯さを携えつつ、「身体が資本」と実感する日々だという。
インタビューでも気さくな笑顔を絶やさず、その場をパッと明るく輝かせるオーラを放つ姿からも、丸山の個性や魅力、そしていまの充実ぶりがうかがえる。そんな彼にとって、いつもいい刺激をくれるのが、「SUPER EIGHT」のメンバーだ。
「村上(信五)くんはAIを使ったプロジェクトをやったり、大倉(忠義)くんはプロデュース業務を手掛けたり、横山(裕)くんはドラマでいろいろな役をやっているし、章ちゃん(安田章大)はテント芝居に挑んでその文化を残そうとしていたり。みんなやっていることのジャンルや、表現の仕方も違ったりするので、“またおもしろいことをやっているな”と刺激を受けます」と一人一人に愛情を傾けつつ、「40代という年齢的にも、それぞれ自分がやっていきたいことや、なんのために動くのかという道のりが明確に見えてきたり、頑張り方や美徳、信念など、より色濃くなってきている気がします。そのなかでSUPER EIGHTとして、どうしていくのか。25周年に向かってなにをやるべきなのか、なにを求められているのかなど、定期的に集まって会議をしています。いい関係性やなと思います」と熱を込めていた。
取材・文/成田おり枝

