丸山隆平が「貪欲に頑張った」『名無し』でにじませた人間味。SUPER EIGHTから受ける刺激と現在地を語る

丸山隆平が「貪欲に頑張った」『名無し』でにじませた人間味。SUPER EIGHTから受ける刺激と現在地を語る

役柄に人間味とリアリティを吹き込み、観る者に深くその存在を刻み込む…。近年、俳優としての存在感を高めているSUPER EIGHTの丸山隆平佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める映画『名無し』(5月22日公開)では、主人公の名付け親となるキーパーソンを担い、過酷な世界観のなかでかすかなぬくもりを灯す人物として、鮮烈な印象を残す。キャリアを積み重ねるなかでは、苦しい時期もあったという丸山。その度に自分の足元を見つめ、エンターテイナーとしての覚悟を確かなものとしてきた彼が、本作で得た経験と共にグループのメンバーから受ける刺激について明かした。

「二朗さんのどういった部分が、本作に注入されているのか。とても興味があります」

白昼のファミレスで無差別大量殺人事件が発生。被害者は、客も店員も例外なく、鋭利な刃物で刺されていた。防犯カメラの映像に残っていたのは、容疑者らしき中年男(佐藤)。しかし男が相手を刺していることは明らかなのに、大勢の警官がどんなに目を凝らしても、証拠となる凶器を握っているはずの右手にはなにも見えない。この不可解な状況に捜査本部の国枝(佐々木蔵之介)らが苛立ちを募らせるなか、容疑者の過去が明らかとなる。

佐藤二朗が『怪物』とは違う怪演で魅了する『名無し』は5月22日(金)公開
佐藤二朗が『怪物』とは違う怪演で魅了する『名無し』は5月22日(金)公開[c]佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ [c]2026 映画「名無し」製作委員会

佐藤が漫画原作を手掛けるところからスタートし、自らの手で実写映画として念願の企画を実現させた。見えない凶器を振りかざし、相手を次々に刺し殺していく、恐ろしい主人公。誰とも接することなく生きてきた、彼のはらむ狂気や孤独、絶望…。劇中で描かれるキャラクターや展開、テーマなどすべてが強烈で、実に独創的だ。原作・脚本を読んだ丸山は、「どこからこんな発想が生まれたのか」と驚いたという。加えて、「ただ残忍なだけでなく、深く共感せざるを得ない、人間としての欠落を象徴するような特殊性を感じた」と打ち明ける。

「エンタメや映画が、みんなが抱えている憤りの代理人になることもある気がする」と明かした丸山隆平
「エンタメや映画が、みんなが抱えている憤りの代理人になることもある気がする」と明かした丸山隆平撮影/興梠真穂 ヘアメイク/NOBU(HAPP'S.) スタイリスト/袴田能生(juice)

共感せざるを得なかったのは、暴走していく主人公の抱えた葛藤。「理解したくないんですけどね」と前置きした丸山は、「僕は厳しい境遇に生まれたわけでもなく、どちらかと言えば恵まれて、愛されて育ってきました」と切り出し、「そんな僕でもこれまで生きてきた42年の間で、いろいろな不条理に対して鬱々とした怒りを覚えたり、スカッとしなかったり、“生き地獄だな”と思うこともあったり。戦争など、自分の力ではどうにもできない世界的な情勢に対して、ふと怒りが湧き上がってくることもある」と吐露。「きっと皆さんも同じで、社会で生きていくために、そういった感情を抑えていたりする。誰もが生活していかなければならないので、身近な人や自分のために働くことで、バランスを取っているのかもしれません」と思いを巡らせつつ、「だからこそエンタメや映画が、どこかでみんなが抱えている憤りの代理人になることもある気がしています」とエンタメの力について言及する。


丸山隆平が演じる警官の照夫は、少年時代の容疑者を路上で保護し、施設に紹介して名付け親となる
丸山隆平が演じる警官の照夫は、少年時代の容疑者を路上で保護し、施設に紹介して名付け親となる[c]佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ [c]2026 映画「名無し」製作委員会

鑑賞後にも「いろいろと考察したり、自分の感情の動きを振り返ったりすることのできる作品だと思った」と独特の余韻を味わったという丸山。この物語を生み出した佐藤とは、今回が初めてのタッグとなった。

「二朗さんと僕、共通の知り合いの方がいて。以前からその方が、『丸と二朗さんを会わせたいんだよね』とお話をされていて。でも劇中では共演シーンがないので、二朗さんとはじっくりとお話ができていないんです。織姫と彦星のよう(笑)」と会いたいけれど会えない、もどかしい時間を過ごした様子。「どうやってこの物語を生み出したのか、二朗さんにめっちゃインタビューしたいです。これまでにも、俳優としてだけではなく、二朗さんが脚本を手掛けられている作品も拝見していて、勝手ながら、僕の“好きだな”と感じる思考回路やマインドをされている人なんだろうなと思っていて。ちょっと謎な部分があって、だからこそ役者としてもおもしろい方なんだろうなと感じるし、二朗さんのどういった部分がこの作品に注入されているのか、とても興味があります」と目を輝かせる。

佐藤二朗が生み出した衝撃のサイコバイオレンス!『名無し』特集
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